豆乳全体でたんぱく質ニーズを取り込む中、特に無調整豆乳ではその傾向が鮮明になっているとみられる。
日本豆乳協会の調べによると、2024年の豆乳(調製豆乳・無調整豆乳・豆乳飲料)の生産量は前年比3.1%増の41万712㎘。このうち無調整豆乳は豆乳全体の伸びを上回る6.8%増の13万7052㎘となり、過去最高を記録した。
今年に入るとさらに勢いを増し、25年1-3月の無調整豆乳生産量は7.9%増となった。たんぱく質ニーズの高まりに着目した各社の施策も奏功して豆乳全体も勢いづき、第四次豆乳ブームの活況を呈している。
たんぱく質ニーズは10年ほどかけて徐々に浸透してきた事象であり、その注目度合いが増したのはダイエットに対する考え方が変わってきたことにあると指摘するのは、トップシェアを握るキッコーマンソイフーズの亀井淳一マーケティング本部マーケティング推進部部長・商品企画部部長。
「2000年代頃まで、ダイエットはカロリーや糖質を減らすというイメージがあったが、近年は糖質とのバランスが重視され、筋肉が落ちないようにたんぱく質をしっかり摂った方がいいという流れになっている」と説明する。
無調整豆乳で領域拡大の動きもみられる。北海道産の大豆・ユキホマレを100%使用したキッコーマンソイフーズの「北海道産大豆 無調整豆乳」は近年、著しい伸びをみせているという。
マルサンアイは、「有機豆乳無調整」をはじめ無調整豆乳が健康志向の人に支持され、好調に推移している。
同社はプレミアムな無調整豆乳として、国産大豆を100%使用し大豆固形成分が10%と濃厚に仕立てている「濃厚10%国産大豆の無調整豆乳」を展開。大豆の風味をしっかりと感じられることで人気を博している。
無調整豆乳のほか、機能性を訴求した豆乳などが順調に推移した結果、第3四半期(24年9月21日~25年6月30日)の豆乳事業は4.5%増となった。
スジャータめいらくは、昨年9月に発売した「大豆にこだわり生搾り製法で作った無調整豆乳」が計画の54.9%増で推移。10月1日から展開しているプレゼントキャンペーンを機に、さらに伸長する見込みだという。
好調要因について、同社は「原料・製法のこだわりや、味をご評価いただいているようだ。収納しやすい容器形態、口径の大きい注ぎ口もご好評いただいている」と述べる。

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