
9月8日、取材に応じた日本コカ・コーラの新田祐一郎マーケティング本部コーヒー事業部ディレクターは「数量・金額ともに拡大している。
2月のリニューアルでは、前身のシリーズ名としていた「THE」を商品名から外し、味わいをダイレクトに表現したほか各アイテムでベストな味わいを追求した。
「カフェラテ」「ブラック」「深煎りプレッソ」の3品の中で成長の一番の牽引役となっているのは「カフェラテ」。
消費者分析を行い「カフェラテ」にミルク感がより求められる傾向を捉え、リニューアルではミルク感を高めた。
日本コカ・コーラの新田祐一郎マーケティング本部コーヒー事業部ディレクター ミルクにこだわるラテ好きのユーザーに向けて、北海道産生クリームを使用し、すっきりした飲み心地でありつつもミルク感を楽しめるように磨きをかけたところ勢いづいているという。
「ミルク感を大きく強化した。昨年まではコーヒー感が楽しめるラテというポジショニングで展開していたのを、ミルク感が楽しめるコーヒーというようにミルクをベースにしたところ、ターゲットにしている若年層に限らず、より幅広い方に受け入れられている」との手応えを得る。
3品の中で配荷率は「カフェラテ」が「ブラック」と僅差で最も高い。
「基本的にほぼ同レベルでカスタマーに導入いただいている。自販機でも同レベルで装填されている。夏場はかなり暑かったことから自販機では『カフェラテ』から『ブラック』にシフトするものと思っていたが、夏場の水分補給としても選択いただけた。これには、ミルク感を楽しめながらも後味がベタつかないようにすっきり切れるようにしたことが奏功したのだと思っている」と語る。
「ブラック」も好調に推移。今年は、ブラックコーヒーのニーズを探るべく、止渇ニーズに対応した商品やコーヒー感に重きを置いた商品を投入した。
止渇ニーズには6月、「ジョージア クリアブラック」を新発売した。
同商品では、ブラックコーヒーの苦みや渋み、後味が苦手な人向けに、水出しコーヒーを贅沢に使用したクリアブリュー技術を採用し、心地よいコクと苦みのないスッキリとした後味に仕上げたもの。
「日本の気候がどんどん暑くなってきている中で、消費者の味覚志向としても、コーヒー感よりもスッキリと水分補給できる点が求められる可能性があると考え、消費者ニーズを確認すべく新しいチャレンジをした。その結果、水分補給に寄せた飲みやすいブラックにお客様のニーズがかなりあることが分かったため引き続き検討していきたい」との考えを明らかにする。
「ジョージア クリアブラック」での手応えもあり、ブラックコーヒーPET全体の嗜好トレンドとしてはライトな味わいにあるとみている。
「苦味に対する耐性みたいなものが少し変化し、ブラックコーヒーPETに限らず緑茶飲料や紅茶飲料で大容量でスッキリ飲めるライトな味わいが求められているように感じる」と述べる。
ライトな味わいに勝算を見込む一方で、コーヒー感を求める本格コーヒーユーザーにもアプローチする。6月、ローソン限定で発売開始した「猿田彦珈琲監修 ジョージア 恵比寿ラテ」と「猿田彦珈琲監修 ジョージア 恵比寿ブラック」もその一例となる。
微糖の領域には「深煎りプレッソ」で対応。「深煎りプレッソ」は、前身の「THE 微糖」から見え方を変えたもの。
「ジョージア 香るブラック」と「ジョージア 香る微糖」のボトル缶も善戦。
「ボトル缶市場は今年、意外と伸びている。『ジョージア』も金額ベースで堅調に推移している。リニューアルしたわけではなく、これにはSOT缶の価格改定の影響も大きいとみている。自販機でボトル缶とSOT缶のブラックが並んだ際に、SOT缶からシフトしている可能性もある。市場ではボトル缶とPETとではユーザーはかなり異なり、男女比でみるとボトル缶はもう少しで男性比率が9割に達する」とみている。
コミュニケーションは今年、浜辺美波さんに加えて新たにAdoさんを起用した新CMなどを展開したところ新規ユーザーが取り込めているという。
ブランド体験ができる新たなプラットフォームとして「ジョージア」公式LINEアカウントを開設したところ約200万の友達を獲得。「こちらから一方的に情報を発信するだけではなくて、Adoさんのコンテンツやクーポンが手に入る点で支持を集めている」という。
現在、Ado DOME TOUR 2025「よだか」ライブチケットや「ジョージア」とAdoさんがコラボしたグッズが手に入るプレゼントキャンペーンを実施している。
コーヒー飲料市場の今年の着地見込みについては「価格改定効果も含めて販売金額では横ばいか微減、量的には今年も来年も恐らく厳しい」と予想する。
来年もブランドからの発信を予定。
「原料が高騰する中で、消費者の方々に手に取りたくなるようなことを検討していく。未定だが、全てのコア商品のテコ入れを視野に入れており、引き続き積極的にコミュニケーションしていく」と意欲をのぞかせる。