■グループ各社で取り扱い広がる
足元の消費環境について、吉田社長は「景気は上向きで消費は底堅いとの一部報道も見られるが、生活者サイドの実体経済はまだ厳しいとみている。小売業のわれわれはお客様と非常に近い立場で接点を持っており、その生の声を重視していきたい」とコメント。
その上で「節約志向の高まりに対し、われわれはPB主体の商品改革に注力。特に昨年4月から『ベストプライス』を軸とした価格訴求と粗利額の確保をグループ方針として打ち出している」と現況を説明した。
「トップバリュ」の上期売上高は前年同期比11・7%増、5907億円と過去最高だった。節約志向を反映して価格訴求型の「ベストプライス」が13・9%増とけん引し、価値訴求型の「メインストリーム」も9・1%増と伸びた。上期中に460品目ものリニューアルを行い、値下げ1回、増量キャンペーン2回などの需要喚起策でも後押しした。
今秋はナショナルブランド(NB)の値上げが相次ぐ中、「トップバリュ」は10月1日から生活必需品を中心に60品目の値下げを実施。NB商品についても、グループ主要企業の需要集約による共同仕入れの効果を原資に値下げキャンペーンを行う。
一方、吉田社長は「『トップバリュ』の伸びしろはまだまだ大きい」との認識を強調。その一例として中四国地域のグループ会社フジで『トップバリュ』の売上が2倍に拡大した事例を紹介。
背景として「『トップバリュ』の開発会議には事業会社のトップが多く集まり、商品コンセプトや販売ロットに至るまで意見を出し合っている。商品を軸にグループへの参画マインドが高まってきた。販売好調な事例があればスムーズに共有して横への展開にも繋がる」との取り組みも話した。