UCC上島珈琲、ペットボトルコーヒー「UCC Cold Brew」で水淹れコーヒー訴求 「UCC BLACK 無糖」ではボトル缶を強化
左から「UCC Cold Brew BLACK」「同 LATTE」
 UCC上島珈琲は今秋、春夏に引き続きペットボトル(PET)コーヒー「UCC Cold Brew」で水淹れコーヒーを訴求するとともに、「UCC BLACK 無糖」のボトル缶を強化し、新規ユーザー獲得には「BEANS & ROASTERS」が対応する。

 「UCC Cold Brew」からは「BLACK」「LATTE」の2品に続く3品目の新商品 「Non Sweet LATTE」 を10月13日から発売している。


 油谷仁敬マーケティング本部飲料マーケティング部部長は「既存のブラックでもラテでもない、新たな選択肢を投入する。昨今の健康志向の高まりに対応し、水淹れコーヒーのスッキリした味とも親和性の高い商品に仕立てている」と説明する。

 実際にユーザーから寄せられた要望も加味して開発に臨み、新たなニーズを掘り起こす。

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左から「UCC Cold Brew BLACK」「同 LATTE」 「UCC Cold Brew」は、春のブランド刷新が奏功し、今期(12月期)の販売数量は前年比30-40%増を見込む。
 「若年層をターゲットにリニューアルしたところ、想定通りのお客様から良い反応が得られた」と振り返る。

 支持獲得には、中味の設計とパッケージリニューアルが奏功した模様。

 「若年層はしっかりした味のコーヒーよりも、ライト系のコーヒーを好む方が多い。水淹れならではの飲みやすい味わいが好評だったようだ。パッケージも、売場で目立つ洗練されたデザインにしたことで手に取っていただくきっかけになった」との手応えを得る。

 春夏に実施した、家庭用嗜好品と連動した水淹れコーヒー訴求によって、水淹れコーヒーのワードや味わいも徐々に浸透しつつあるという。

UCC上島珈琲、ペットボトルコーヒー「UCC Cold Brew」で水淹れコーヒー訴求 「UCC BLACK 無糖」ではボトル缶を強化
油谷仁敬氏
油谷仁敬氏 「UCC BLACK 無糖」では、ボトル缶で“飲用時の余韻”をテーマに新たな選択肢を提案するともに、産地にこだわった特別なコーヒー「スペシャルティコーヒーブレンド」の新商品を期間限定発売する。

 新商品では、余韻や飲み応えに焦点を当てた。


 「改めてブラックコーヒーの味わいの中で余韻に着目した。ボトル缶ユーザーの方はコーヒー感やコク深さ、香りを求める方が多いため、期待されるコーヒー感を担保しながら余韻に焦点を合わせて価値提供を行う」と力を込める。

 「スペシャルティコーヒーブレンド」は、季節に合わせて秋冬らしい味わいと品質を目指した。
コーヒー飲料の主要購買層は50代前後の男性と推定される中、コーヒー好きは若年層でも産地に詳しいとの見立てのもと、新規ユーザーの獲得も見込む。

 「レギュラーコーヒーが好きでこだわりがあるコーヒー飲料の新規ユーザーや、『UCC BLACK 無糖』のSOT缶ユーザーの方にもぜひ飲んでいただきたい」と期待を寄せる。

 一方、ミルク入り飲料を好む層に向けては「BEANS & ROASTERS」から季節を感じさせるフレーバーのカフェラテと、昨年の人気商品を再発売する。

 「『BEANS & ROASTERS』ブランドは、当社の他のブランドや商品と異なり、女性や若年層の男性のユーザーが多い。カフェのような味わいの商品で、秋冬もしっかりと需要を獲得する」と述べる。

 秋冬のコミュニケーションは、デジタルや店頭に近い場所での施策を検討している。
 「流通さまと連携し、店頭のデジタルサイネージやクーポン配布など、購入につながりやすい仕掛けを考えている。認知やトライアルを着実に獲得していきたい」と語る。

 今年の1-7月のコーヒー飲料市場は、販売数量では約2%減、販売金額では約5%増と同社はみている。

 「価格改定の影響により、販売金額は伸びたが、飲む量は減っているとみられる。コーヒー飲料に関する新しいニュースが少なかったこともあり、厳しい市場環境だった」との見方を示す。

 「UCC BLACK 無糖」のSOT缶は、SOT缶市場が低迷する中で善戦。
 「市場よりは落とさずに維持できている。6缶のマルチパックを改めて色々なチャネルで売ろうと取り組んでおり、一定の数量を維持できている」という。

 今後の市場環境については、年間を通しても、販売数量は微減し販売金額が微増で着地すると油谷部長は予想する。
 「コーヒーは原料高のため値上げ幅が大きく、他の飲料と値差が生まれてきている。コーヒーからコーヒー以外の飲料に移ってしまうお客様が、秋以降長期的に出てくるのではないか」と懸念する。

 厳しい環境下、同社は価値を伝えていくことで顧客のつなぎ止めを図る。

 「水淹れコーヒーや、水素焙煎などの新しい取り組みをお客様に伝えることで購入していただけるようにしていきたい。1杯でも多くコーヒーを飲んでいただけるように、価値を伝えていく」と意欲をのぞかせる。
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