メーカーが受注から卸に納品までに要する期間(納品リードタイム)では延長の動きがみられ、これにより輸送回数は削減の方向へと進んでいる。
髙山の髙山時光社長は「納品の時短化やリードタイムの延長は、かなり進んだ感じがする。例えばメーカーさまよりリードタイム延長の要請がある場合、入庫予定データをより緊密に連携させていただくなど物流全般の効率化も含めた協議を含めて対応させていただいている」と説明する。
髙山では在庫量が若干の増加傾向にあり、庫内スペースの拡張やセンター新設の際には想定よりも多めに在庫できるように設計している。
関口の関口快太郎社長も「メーカーさまからのドライバー不足を起因とするリードタイムの要請には卸の立場も主張しながら対応していく」との考えを明らかにする。
「トラックドライバーが不足していることに対しては、積載効率よりも輸送回数を削減していくことが一番有効」と指摘するのはコンフェックスの昆靖社長兼グループCEO。
「メーカーさまからの輸送回数が少なくなれば当然、在庫を多めに持たなければならず、今後は専用センターの構築などを視野に入れている」と続ける。
外林も物流関係の無駄削減に注力。
外林の外林大忠社長CEOは「メーカーさまからの納品頻度が少なくなればトラックドライバーの負担軽減にもつながる。幹線物流はまだしも各主要都市から地方への枝葉の路線の場合、量が多くなると運送をお断りされることもあり喫緊の課題」とみている。
三菱食品は、物流費や人件費などのコスト上昇を受け、受発注や物流のあり方を見直す。
三菱食品の細田博英取締役常務執行役員商品統括は「パレット化やケースサイズの見直し、賞味期限の年月表示への切り替え、商品コードの統一など課題は多いが、メーカー・小売業と連携して、持続可能なサプライチェーンの構築に貢献していく」と語る。
段ボール1箱ずつ手作業でトラックに積み込むバラ積みはトラック荷台の天井までぎっちり詰め込めて積載効率を高められる一方、積載に時間を要するのが難点となる。
時短で積載できるパレット化については、納品回数やロット(出荷数量)の問題などが伴い一筋縄ではいかない。
山星屋の猪忠孝社長は「カテゴリを問わずパレット納品にしない限り効率化は進まない。軽いものほどパレタイズ化しやすいが、実際は重たいもののほうがパレタイズ化のニーズは高い。個社ではできないため、製配販で物流協議会を実施するなどして進めていく」と述べる。
これに対し、髙山社長は「スナックや米菓といった軽くて嵩張るものはパレット納品で対応していくべきだと思うが、チョコレートやビスケット、グミなどはケースや規格が多様で混載して運ぶことが多いことを考えると、パレタイズが唯一の最適解ともいえない」との見方を示す。

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