10月20日、渋谷キューズ(東京都渋谷区)で開催された第16弾となる最新作の発表会で明らかにされた。
コラボ菓子は当初、コロナ禍で旅行や外出の自粛が求められる中、“おうちにいながら旅気分”をコンセプトに開発された。
その後、行動制限の解除や人流回復を受けてコンセプトを見直し、第14弾以降、 “地元で愛される名店と生活者をつないで旅のきっかけをつくる”といった趣旨で開発に取り組んでいる。
前列左から前田氏、原田氏、「編むと紡ぐ」の波多野奨店主、「リディ」の往田(ゆくた)裕子店主、大川氏、米山氏、後列左から新潟県東京事務所の上田真之氏、新潟県観光協会の寺尾真理氏。モニターに映るのは愛媛県南予地方局商工観光課の渡部宣人氏ら。 コラボ菓子は基本、2月・6月・10月の年3回、チョコレートケーキの「小さなチョコパイ」と洋菓子の「ふんわりプチケーキ」の2ブランドから、それぞれ異なるエリアの名店とコラボして数量限定で発売される。
これまで18都道府県の名店とコラボした。
その手応えについて、ロッテの原田万有(まゆ)マーケティング部チョコパイブランド課課長は「ファンの方が生まれ“毎回このシリーズを楽しみにしている”“次回はこれをやってほしい”といったお声を頂戴している」と語る。
エリア戦略商品としての手応えも得る。
「各名店のエリアを担当する営業が非常に盛り上がり、新規お得意先(小売店)さまの開拓につながっている。ある小売店さまでは、上層部の方から“これはぜひ取り組むべき商品だ”とご評価いただき、大きな売場をいただいた」という。
「ことりっぷ」を担当する昭文社の大川朝子(ともこ)さんは「ロッテさまの商品を通じて『ことりっぷ』を知るという現象が起きている」と述べる。
コラボした名店も、地元や周辺エリアの常連顧客に加えて全国の旅行客も訪れるようになり、名店を拠点に地域活性化にもつながっているという。
「お店から“コラボ菓子によって活性化した”というお話が非常によく聞かれる。例えば仙台のお店を後日訪れると“和歌山からもお客様が来られた”といった反響をいただき、旅のきっかけになっているようだ。自分たちが愛するお店が商品になったということで地元の方も盛り上がる」(大川さん)とみている。
10月28日、名店「編むと紡ぐ」(新潟県)と新潟県の観光担当者ともコラボした「ことりっぷ 小さなチョコパイ〈編むと紡ぐの焙じ茶のタルトショコラ〉」、名店「Ridi」(愛媛県)と愛媛県の観光担当者ともコラボした「ことりっぷ ふんわりプチケーキ〈リディのチーズケーキ〉」を数量限定発売する。
自治体の参画についてロッテの原田課長は「我々が目指す幸せの輪がより広がりやすくなり、より強固なPRとなる」と期待を寄せる。
発表会の開催や発表会にレルヒさん(新潟県)とみきゃん(愛媛県)のご当地キャラクターを起用したのも自治体の参画によるところが大きいという。
名店の探索にも自治体が寄与。
「お店探しをする際、我々だとネットリサーチ程度しかできないが、自治体の方が加わったことでかなり解像度の高い情報をいただけた。お店の選定にも関わっていただいた。
ほぼ全てのコラボ菓子の開発を手掛けてきたロッテ中央研究所ビスケット研究部スペシャリストの前田寿美子さんは開発のポイントについて「お店のこだわりを最初にたくさんお聞きして少しでも盛り込めるようにしている。次にこだわりの原料をヒアリングし製造に適しているか否かなどを判断しお店と話し合いながらお互い歩み寄っていく」と説明する。
この商品化にあたっては「ほうじ茶とチョコレートのどちらが強くてもダメで、2つのバランスに本当にこだわった」と胸を張る。
「Ridi」(愛媛県)の「チーズケーキ」は高温短時間で焼き上げるシンプルな味わいが特徴。「隠し味のキャラメルの感じ方が焼き上げる温度によって変わるため、その調整に一番苦労した」と振り返る。
なお、今回、ロッテと自治体の橋渡し役を担ったのは渋谷キューズ。
渋谷キューズを運営する渋谷スクランブルスクエア営業一部課長の米山孝生さんは「渋谷キューズの名称はQuestion with sensibility(問いの感性)。問いを使って社会課題の発見や解決することに重きを置いた施設」と説明する。

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