拡大基調にあるレトルトカレー市場で大塚食品の「ボンカレー」ブランドがひときわ好調に推移している。

 「ボンカレー」は、2003年に業界に先駆けて、箱ごと電子レンジ調理に対応した製品を発売し、2009年には、より進化した「ボンカレーネオ」を発売した。


 2013年には「ボンカレーゴールド」でも箱ごと電子レンジ調理を可能とし、2016年には高まる安全安心ニーズに対応すべく、おいしいカレーに欠かせないじゃがいも・たまねぎ・にんじんは国産のみを厳選して使用している。

 このような取組みが奏功して、今1-6月レトルトカレー市場(販売金額)が微減と推定される中(出典:インテージSRI+)、「ボンカレー」ブランドはプラスで着地した(出典:大塚食品データ)。

 好調要因について、10月23日、取材に応じた森川慎太郎製品部レトルトチームリーダーは、共働き世帯の増加や時短志向の高まり、小人数世帯・単身世帯の増加による孤食化、備蓄意識・防災意識の高まりによって、レトルトカレー市場そのものが上向いている点を挙げる。

 この前提のもと「物価高騰で節約志向が高まり、生活者の中で少しでも失敗したくないという意識が働く中、昔から親しみがあるロングセラーブランドの『ボンカレー』にプラスに働いている。これには、箱ごと電子レンジ調理対応や安全安心ニーズにいち早く対応してきたことも寄与している」との見方を示す。

 現在、ブランドの牽引役は「ボンカレーゴールド」。原材料高騰などを受けて、3月1日に価格改定を実施し希望小売価格を30円引き上げたものの、販売個数へのマイナスのインパクトが想定よりも小さく、5月以降、販売個数は回復基調にある。

 その後、競合ブランドが価格改定を実施したことで勢いが加速し、「ボンカレー」ブランドの1-9月販売金額が横ばいとなる中、「ボンカレーゴールド」は1桁増を記録した。

 なお、インテージSRI+によると、レトルトカレー市場はコロナ禍以降、総じて拡大傾向にある。
編集部おすすめ