有楽製菓、モンゴルで「ブラックサンダー」販売 鉱山でのサンプリングも計画 複雑な製造工程で海外に勝算
モンゴルで実施したラッピングバスのプロモーション
 有楽製菓はモンゴルで「ブラックサンダー」の大規模プロモーションを今夏に実施するなど海外展開にも注力していく。

 現在、14の国と地域で「ブラックサンダー」を販売。
モンゴルには昨年進出し、今夏、TVCMやラッピングバスを使った大規模プロモーションを実施し、今後は鉱山での採掘従事者へのサンプリングを予定している。

 9月30日、取材に応じた河合辰信社長は「おいしく摂れるエネルギー源として『ブラックサンダー』の活用を検討していただくために、サンプリングを実施して生活の中での利用シーンを広げていきたい」と語る。

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モンゴルで実施したラッピングバスのプロモーション 同社が現地に確認したところ、モンゴルでは、エネルギー消費の大きい鉱山労働者向けにカロリー摂取の基準が設けられており、その基準を満たすため多くの鉱山では労働者にチョコレート菓子を給食として提供しているという。

 展開エリアの中で、市場に定着して堅調に推移しているのは10年以上前に進出した台湾。アメリカでは2023年に大手小売業に採用された。今後、関税政策など流動的な外部環境に落ち着きがみられれば、取引拡大が見込まれる。

 前期(7月期)売上高は196億円。海外売上比率は4%程度。将来は売上高300億円、海外売上比率10%以上を目指していく。

 「今後はモンゴルを起点に中央アジアを開拓していきたい。そのほかのエリアもまだまだ伸び代が見込めるが、チョコレートは西洋発祥のお菓子であるため、日本のチョコレートとして何をフックにしていくかが一番難しい」との考えを明らかにする。

 こうした考えの中で、勝算が見込めそうなのは「ブラックサンダー」の複雑な製造工程にある。

 「ブラックサンダー」は食感の異なる2種類のココアクッキーとプレーンビスケットをこだわりのチョコレートでコーティングした唯一無二のチョコレートバーとなる。

 「自社でクッキーとビスケットを焼き、それらを砕きチョコレートで混ぜ固めて、さらにチョコレートでコーティングするという非常に複雑な工程を経ているため、海外でこれと同じことをやろうとするところはまずない」と自信をのぞかせる。
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