■小容量で手軽&おいしさキープ
「ふなぐち」現行品(左)と発売当時 日本酒の容器は一升瓶(1・8L)や四合瓶(720ml)が主流だが、近年はアルミ缶(180ml・200ml・500mlなど)の存在感が徐々に高まっている。小容量で手に取りやすいこと、遮光性が高くおいしさをキープできることなどが評価され、大手・中小問わず多くの酒蔵が商品化するようになってきた。
菊水酒造が「菊水 ふなぐち」を発売した72年、日本酒の消費量は最盛期にあり、一升瓶が大半だったという。その一方、当時の世間は高度経済成長を背景に旅行やレジャーを楽しむことが一般化。髙澤社長は「いずれ小容量でハンディな酒が必要になってくると先代社長(故髙澤英介氏)は考えていた」と述懐する。
そして酒蔵来訪者だけに振る舞っていたしぼりたての生原酒が大変好評だったことも開発を後押しした。製造工程を全面的に見直し技術的な課題をクリアした上で、品質劣化を防ぐアルミ缶入りの日本酒に行き着いた。
市場でヒットするまでには数年を要したが、現在、同社のアルミ缶入り清酒の供給能力は日産で最大10万本におよぶ。いまや「菊水 ふなぐち」はレギュラー品(200ml缶)を中心に、熟成タイプ、季節酒、スパークリングとラインアップも充実。
その強みを活かし、実は複数の酒蔵よりアルミ缶製品への充てん作業を受託。昨年ごろから問い合わせが増え、今年2月から本格的に対応しているという。委託元はボトリングラインに設備投資しなくても商品化でき、市場のニーズに応えられるメリットがある。現状は4蔵から請け負っているが、近い将来にも10蔵程度まで増える見通し。
他の酒蔵とも連携を図り、業界の中でアルミ缶製品のプレゼンスを高めていきたい考えだ。
■新たな価値提供で市場創造
8月下旬、同社製品棟でボトル缶の充てんラインが新たに稼働した。外部委託していた「菊水の辛口 500ml」のボトリングを内製化したもの。
背景には、髙澤社長の「デイリーの日本酒をもっとカジュアルに楽しんで欲しい」との想いがある。加えて、今後さらなる生活スタイルの変化や飲酒量の減少を予測。「日本酒にとって消費環境はますます厳しくなる」との認識を示しつつ、「500mlサイズでリキャップできるボトル缶はこれからの飲酒スタイルに合致する」と期待を寄せる。
かつて「菊水 ふなぐち」で小容量のアルミ缶清酒をヒットさせた先駆者だけに「新たな価値を提供して市場を創っていきたい」との意気込みだ。
新ラインでは容量の変更が可能。500ml缶に限らず、商品設計にあわせて300ml缶など多様な容量のボトル缶に詰められる。
一方、SDGsの観点からもアルミ缶は優位性があると強調。アルミニウムの原料であるボーキサイトを精錬しなくても、「CAN to CAN」で再資源化できることや、瓶に比べて軽量かつ省スペースなので、家庭や店頭での保管、さらに物流面でも利点がある。髙澤社長は「デイリーに楽しむ日本酒の容器が環境に優しいことも大切になってくる」と展望する。

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