明治ホールディングスの松田克也社長は、上期決算会見でヨーグルトとチョコレート市場の現状と課題、今後の戦略を示した。上期で得た成果を手がかりに、下期も本質価値の訴求と価格面での工夫を軸に市場対応を進める。


淘汰進むヨーグルト市場「残るのは本質価値認められた商品」松田克也社長

 ヨーグルト市場では、競合他社の参入でプロバイオを中心としたカテゴリが混乱した時期があった。その際に、いずれ淘汰されしっかりとした市場形成がなされると考えていたが、今がその状況だ。隣の芝生がきれいに見えるからといって、いろいろな形で参入しても結果として姿を消す。本質的な価値を認められた商品だけが市場に残ると考える。

 「R-1」を含む明治のプロビオヨーグルトシリーズは、コロナ禍で若い層の流出があり流入が減少した。ついで買いが減ったことで認知が薄れたため、テレビ広告に加えSNSなども活用し若年層への価値訴求を強化してきた。

 結果として、足元では二ケタ近い成長を示しており、今後も市場を築いてきた企業の強みを生かしながら本質的価値を伝えつつカテゴリ拡大を進める。健康面以外の角度からもアプローチできるのが強み。「アールおじさん」など独自キャラクターを生かした訴求も行っている。

 チョコレート市場においても競争は激しいが、「チョコレート効果」はカカオ含有量ではなくカカオポリフェノール量という本質的価値を訴求してきた。下期もここをしっかりと伝え、より強い商品にしていく。

 引き続きカカオ原料や乳原料の価格上昇が見込まれるが、ブランドの価値訴求を軸に、値ごろ感の工夫やこれまでのプロモーションのノウハウを生かし市場を着実に拡大していく。
「チョコレート効果」は、大袋タイプが都内のスーパーで1000円を超える価格帯になっているなか、9月30日から手に取りやすい110gの新容量タイプを投入した。グラム当たりの価格は変わらないが、消費者の印象は変わり売上が上向きになっている。今後は他の事業でもこうした価格の工夫を進める。
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