インテージSRI+によると、板チョコの平均個数単価(税別)は2022年1月の96円を起点とすると上昇基調にある。
インテージ市場アナリストの木地利光氏は「板チョコは税抜き個数単価で170円を超えた25年7月以降、個数前年比が80%台で推移している。手に取りやすい価格だった板チョコで、値上げによる割高感から買い控えの動きがみられる」との見方を示す。
こうした値上げ基調の中、販売数量減少による販売金額の減少に陥ることなく好調に推移しているのは、「明治ミルクチョコレート」(明治)と「ガーナ」(ロッテ)の板チョコ。
「明治ミルクチョコレート」は6月に実施した価格改定による消費の冷え込みを打ち返して好調を維持。
インテージSRI+によると、「明治ミルクチョコレート」の販売金額は4-6月で前年同期比二ケタ増、価格改定後の7-9月も一ケタ増を記録した。
好調要因について、明治の吉田彰グローバルカカオ事業本部カカオマーケティング部部長はスイーツなどの手作り需要の高まりを挙げる。
「比較的安価で満足感が得られる経済的価値もあるが、手作り需要の高まりのほうが大きいと考えている。洋菓子の価格上昇も影響して製菓材料の好調が続いている」との見方を示す。
ロッテも「ガーナ」板チョコで7月に価格改定を実施したものの好調を維持している。「ガーナミルク」「ガーナブラック」「ガーナホワイト」などのガーナ板チョコレートは、前期(3月期)の売上高が前々期比31%増となった。
上期売上高は既存品の好調に加えて、「プレミアムガーナ」を除いて5年ぶりの板チョコ新商品として4月に新発売した「ガーナ抹茶チョコレート」の純増効果もあり37%増となった。
今年に入り、チョコレート市場の店頭価格が依然、上昇傾向にある中、「ガーナ」の板チョコが好調を維持できた要因は、チョコレートの喫食時に得られる幸福感に加えて「身近なブランドであることや季節催事への取り組みを強化し、手づくり需要などの使用シーンが拡大したこと」(ロッテ)とみている。
板チョコの平均個数単価

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