本庄社長は原料茶葉の中でも飲料市場で引き合いの強い比較的安価な秋冬番茶(しゅうとうばんちゃ)が急騰したことに触れる。
「秋冬番茶は従来1キロあたり300円前後で推移し高くても500円までいかなかったが、10月半ばに1キロ3400円になり、その後2000円台に落ち着くものの、お茶のカテゴリだけで言うと飲料市場は大変なことになっており急なことで我々も戸惑っている」と語る。
原料茶葉急騰の背景には、世界的な抹茶ブームにあるとみている。
本庄社長は9月、10月に生産者を訪問し抹茶需要の高まりを確認。
「本当に世界中から抹茶のオファーが中間業者を経ずに直接農家さまに入ってくる。従来お茶を作ってくださっていた農家さまも抹茶の原料である碾茶の生産に転換していき、緑茶の量が少なくなっている。今後、抹茶のブームが世界中で同じように続くかどうかわからない。一過性なのか今後も高値が継続していくのか注視していく」との見方を示す。
コストアップが上昇し緑茶飲料の収益を圧迫する一方で、明るい兆しとして生産現場が活気づいていることにも触れる。
「『お茶作ったら儲かる』ということで、例えば後継ぎが戻り、新たにやっていこうという人が少し増えているという。やはり儲かる農業だったら人も増えていく。農家の皆さんは本当に非常に前向きで明るい雰囲気で、我々も元気をいただいた」と述べる。

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