総会では、神奈川県と高知県が活動報告。高齢者を対象としたフレイルチェックの実施や通いの場への伴走支援、職員に対する研修会などの実施状況を報告した。同会議では本年度末までにフレイル予防に関する5カ年の活動計画を策定することで合意しているが、対策には市区町村を主体としつつ、都道府県が横展開し取り組むことを決めた。26~28年度で全国にフレイル測定が定着することを基本計画とし、後期高齢者のフレイル測定参加カバー率の具体的な目標設定などを神奈川県や高知県など6県から進め、全国に広げる。
シンポジウムでは、岐阜県知事の江崎禎英氏が独自の取り組みを報告。岐阜県では「ぎふ モーニングプロジェクト」を展開している。同プロジェクトは高齢者が歩数や健康状態、睡眠時間などを自身で管理するアプリを使い、ポイントを貯めることで喫茶店のコーヒーと無料で引き換えることができる取り組み。江崎氏は健康のためには、がんばることでなく、「おいしい」「楽しい」「ワクワク」を生活に取り入れることが重要である点を強調した。
産業界からは、日本フレイル予防サービス振興会理事長でイオンのヘルス&ウェルネス担当の久木邦彦氏が振興会の役割を説明。さらにイオン店舗でのフレイル予防啓発イベントの実施状況も振り返り、半年間で14回開催し、高齢者3000人以上が参加したと述べた。
参画企業のキユーピーでは、髙宮満社長が自社の社是、社訓に健康に対する理念を取り入れていることを紹介。江崎知事の講演を入口にフレイル対策をサポートすることを決めたことや、東京大学高齢社会総合研究機構に足を運んで、共同で取り組みを進めることになった経緯を披露した。また社員食堂での朝食イベントの開催や、取り組みに賛同した食品企業の輪が広がっていることにも触れた。髙宮社長は「フレイルチェックでイオンの店舗にお越しいただいたお客様に、フレイル予防に適した食品を無理なく楽しくお買い物していただける環境も整った」と商品を連動した取り組みを紹介。日本フレイル予防サービス振興会が提案する10食品群チェックのビンゴを各自治体で活用してほしいと提案した。
髙宮満キユーピー社長

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