今期はコメの単価上昇が売上高を押し上げた一方、インフレ進行による生活防衛意識の高まりから、買上点数の減少が課題となった。こうした中、鮮度強化を軸に商品磨き込みを進め、青果・惣菜・直輸入PBワインなどで支持を獲得した。
来期も生鮮3部門において、鮮度訴求と価格対応を両立させながら、単品ではなくカテゴリー全体で支持される売場づくりを継続する。

 南北政策については一定の手応えはあるものの道半ばとの認識だ。北と南では来店客の年齢構成や消費行動、節約志向に違いがあり、地域特性に応じた品揃えや売場づくりが課題となっている。来期はモデル構築を重点に進め、北の基幹店に久喜吉羽店、南の基幹店に新浦安店を位置付け、磨き込みを進める。

 今期23区内に新規出店した杉並桃井店、板橋四葉店の2店舗はいずれも計画を上回る売上で推移している。特に板橋四葉店では、「440坪で600坪の魅力を出す」売場づくりが一定程度形になってきた。

 店舗数は今期200店舗を超えた。2026年もヤオコー8店舗、フーコット1店舗の出店を予定するが、規模拡大ありきではなく、エリア内での店舗密度と勝てるモデルの磨き込みを重視する。店舗数増加に伴い、インフラ整備やマネジメントの在り方も見直し、次の10年を見据えた300店舗体制を支える仕組みづくりが経営課題となる。

 年率5%成長を大方針に掲げるが、M&Aに依存せず、オーガニック成長を基本にトップライン、利益ともに年5%成長を目指す。グループ各社で目標を共有し、同じ方向を向いて取り組む。

 競争環境では「生鮮強化型ディスカウント」の出店が加速している。
当社では小商圏・高頻度来店を基本戦略に、生鮮3部門を中心に集客の核となるカテゴリーを育成し、近海魚の量販企画や惣菜の出来立て訴求、小容量対応などで差別化を図る。

 10月にブルーゾーンホールディングスを設立し、新たに2チェーンが加わった。現在は相互理解を深める段階で、なかでもクックマートの高密度な売場づくりに学ぶ動きが始まっている。一方、内部統制やリスクマネジメントについても情報交換を進め、共通基盤づくりに着手している。

 最低賃金引き上げにより約6%の人件費上昇を見込む中、フルセルフレジやデジタルプライサー、AI自動発注などの投資を継続し、省人化と生産性向上を進める。あわせて、パートナー社員の定着や正社員が休みやすい職場づくりにも注力する。

 気候変動や農家減少による農産物供給の不安定化に対しては、産地直結の取り組みを通じて農家・JAとの関係構築を継続する。県内4市町村に圃場を持つヤオコーファームも黒字化の目途が立ち、今後は東京に近い立地を生かした農業モデルの拡大が課題となる。
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