鳥取県の港町で国産コーヒー栽培に挑む澤井珈琲 農薬使わずに済む害虫駆除スプレーを開発 中国地方発明表彰で鳥取県知事賞受賞
澤井幹雄社長(右)と澤井由美子さん
 澤井珈琲は、2017年3月から鳥取県の港町・境港市で国産コーヒーの栽培に取り組み、栽培方法と商品開発の両面で新機軸の打ち出しに挑んでいる。

 コーヒー栽培の位置づけについて、2025年12月9日、取材に応じた澤井幹雄社長は「澤井珈琲のグループ会社である澤井珈琲ウエルネスがコーヒーの栽培に加えて、健康に資することに重きを置いた商品開発を担っている。
コーヒーに対する愛情やモチベーションを大切にしている」と説明する。

 現在、4棟のビニールハウスと2棟の温室ハウスを構え、1万本以上のコーヒーノキと苗木を栽培。この中には希少性のあるゲイシャ品種の苗木も40本程度ある。

 栽培のそもそもの目的は、特許を取得しているコーヒーリーフティー「トリゴネコーヒー茶」の原料となるコーヒー茶葉の収穫にあったが、現在はコーヒー豆にも成長の可能性を見出し品質向上と収量アップに注力している。

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澤井幹雄社長(右)と澤井由美子さん コーヒー栽培を取り仕切るのは、澤井社長の妻で澤井珈琲ウエルネス社長を務める澤井由美子さん。今年11月、「コーヒー茶葉の製造方法及びコーヒー茶葉」について中国地方発明表彰で鳥取県知事賞を受賞した。

 これについて澤井さんは「私個人にいただいた賞で、最高年齢者での受賞となり、食品関係では唯一の受賞となったと聞く。一生懸命やってきたことにご評価いただいて、とても嬉しく思う」と笑みを浮かべる。

 今後の商品開発としては、コーヒーチェリーティーに挑む。

 「無農薬で安心安全なコーヒーチェリーを使ったコーヒーチェリーティーが完成間近。紅茶のような赤い液色とローズヒップのような香りが特長で、第4工場にティーバッグの充填機を新たに導入して量産していく。コーヒーの恵を余すところなく使った商品化に向けて今動いている」と意欲をのぞかせる。


 コーヒーリーフティーについても、ハーブをブレンドするなどしてフレーバー展開でのラインアップの拡充を予定している。
 コーヒー豆の栽培方法や精製方法にも磨きをかける。

鳥取県の港町で国産コーヒー栽培に挑む澤井珈琲 農薬使わずに済む害虫駆除スプレーを開発 中国地方発明表彰で鳥取県知事賞受賞
水やりと追肥をホースで自動的に行えるようになっている
水やりと追肥をホースで自動的に行えるようになっている 栽培方法については、温室ハウスの温度と湿度をスマホで管理し、水やりと追肥をホースで自動的に行えるようになっている。

 カイガラムシやアブラムシの害虫駆除には、農薬を使わずに済む駆除スプレーを新たに開発した。
 「特許を出願する予定のため、液体の中身は詳しく言えないが、開発した駆除スプレーを吹き付けるとカイガラムシ全くつかなくなりコーヒーノキが元気になる」と胸を張る。

 精製方法は、皮むきや水洗いをせずに、収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させるナチュラル製法を導入。屋外の乾燥台に置いて乾燥させることは、降雨の恐れなどがあり難しいことから新たに乾燥機を導入してナチュラル製法を再現した。

 「水分を段階的に20%抜いていくやり方で、この乾燥法に辿り着くまで数年間、試行錯誤を重ねた。この方法で乾燥させた生豆の香りが、これまで体感したことのないほど素晴らしく良い香りで、焙煎香も見違えるほど良くなり納得がいく最高のコーヒーに仕立てることができた」と胸を張る。

 2025年、生豆換算で10キロ程度を収穫。26年も同程度の収穫量を見込み、澤井珈琲本社や境夢みなとターミナル(境港)からほど近い場所にある「澤井珈琲ラボショップ」で数量限定にて販売される。

 「澤井珈琲ラボショップ」には今後、小型のドリップコーヒーマシンの設置を予定し、焙煎豆(粉)からドリップバッグに充填される様子を見せるようにして来場者の体験価値を高めていく。
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