カカオの実のうち、チョコレートとして使用されるのは果肉や豆など全体の3割程度で、残る部位は飼料や肥料、燃料などに利用されている。
取材に応じた吉田彰グローバルカカオ事業本部カカオマーケティング部部長は「肥料や燃料にしかならなかったカカオハスクからヒト型遊離セラミド(カカオセラミド)を取り出すことで新たな価値を生み出せる。生分解性プラスチック原料を混ぜてカカオバイオプラスチックに加工したものもお客様から高評価が得られることから、カカオハスクビジネスをさらに拡大していきたい」と意欲を示す。
カカオセラミドを使用した商品は、今年発売開始した美容系チョコ「カカオボーテ」となる。
昨年1月に初めて発売し、味わいをそのままにカカオセラミドの質と量を高めて、販売経路も全経路に拡大して9月30日から発売している。
現行商品は、セラミド含有カカオ抽出物の配合量が1月に発売した商品の2倍の300㎎を配合。高カカオポリフェノールを含有し低糖仕立てとしながらも、ペルー産カカオ豆を使用した華やかな香りとミルク感を感じる上質な味わいに仕立てられている。
リニューアル後の状況について「好調で、化粧品の近くに並べるとよく売れることも分かってきた。美のテーマで、本腰を入れてブランディングしていきたい」と語る。
カカオバイオプラスチックを活用した「プラレール」(タカラトミー) 一方、カカオバイオプラスチックに加工したものには、食品トレーやボールペン、Tシャツなどが挙げられる。
昨年は、カカオハスクをトレー原料の一部に使用した環境配慮素材のチョコレートを流し込む型で、楽しく学びながら「きのこの山」を作れるキット「遊べる!学べる!サステナブルきのこの山」を7月22日から全国で期間限定発売した。
「産地でカカオバイオプラスチックへの加工やカカオセラミドの抽出をやっていただきたいと考えている。
産地実装を試みようとした契機は、ガーナの不作に起因するカカオショックにある。そもそも日本のカカオ調達量は全世界の1%程度。カカオショックにより23/24クロップの全世界の調達量が約1割減の450万トン前後となったことで価格高騰とともに調達困難な状況に陥った。
「相場の流れに沿って価値を提供しようとすると、価格改定せざるを得なくなってしまう。この流れを少しでも変えていくためには、明治独自のカカオのバリューチェーンを築いていきたい」との考えを明らかにする。
8月20日から22日まで開催されたTICAD9(第9回アフリカ開発会議)では、テーマ別イベントに出展しカカオセラミドの加工品やアップサイクル技術の現地のビジネス化をアピール。
11月17日から20日にかけては、ブラジル・ベレンで開催された国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)に合わせ、環境省が主催する「ジャパン・パビリオン」と「ジャパン・パビリオン バーチャル展示」に出展した。
なお、高騰するカカオ豆に対しては、カカオリカー(カカオマス)の内製化でコスト削減に取り組んでいる。

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