社員の頑張りにより、システム障害発生から2日後には手作業での受注を開始し、4日後には出荷を再開できるまでの状態にもっていった。
「お客様からとても多くの応援メッセージをいただき感謝している。これによりアサヒ飲料、アサヒグループが皆さまから期待されている存在であることを改めて感じ、われわれも原点に立ち返りお客様のために一生懸命頑張っていこうと誓い合った」と振り返る。
ビール類と比べて飲料はSKU(アイテム)数が多い。その分、出荷には手間を要したという。
「『三ツ矢』『カルピス』『ウィルキンソン』の上位3ブランドにおいても全体の40数%の構成比であり、その上、容器が多様化していることから、(上位ブランドに)集中したものの、初期の出荷量はあまり大きくならなかった」と語る。
初動対応にあたり米女社長は会話を強く意識した。リモートワークをかなぐり捨てるかのように本社や各事務所に社員が集まり連帯した。
「社内的にわれわれが何をしなければいけないのかを共有することが大事だと考えた。それから、分からない状態でやっているため、変な雰囲気にならないように、とにかくみんなでいろいろと会話するようにした。朝・昼・晩とミーティングをして情報を共有し合い、役割分担して実現していくというプロセスを踏んだ」と説明する。
手作業での出荷再開にはベテラン社員の経験が大いに生かされたという。
「手作業の経験者が中心となっていろいろな働き方をしてくださった。特に50代くらいの方が活躍されて、昔を思い出しながら仕組みを少しずつ作ってくださった。若い方はそこから学び、本来は何が便利になったのかの『何か』を教わり、そもそものビジネス構造の学習機会にもなった」とみている。
ベテラン社員主導で手作業がこなれていくにつれて出荷可能なSKU数が増加。売上金額は対前年比で10月に約6割、11月に7割台半ば、12月に7割台後半、10―12月累計では概算で7割程度まで回復した。
1―8月の販売動向は1%減。同期間、3%減と推定される飲料市場と比べ善戦。9月以降の販売動向については、システム完全復旧後に明らかにされる。
「年が明け1月は数字をきちんと発表できるような状態ではないが、2月の物流の全面的な回復に向けて、順調に回復している」と述べる。
今後は、システム障害復旧対応の経験を糧に新生・アサヒ飲料としてさらなる飛躍を目指す。
「社員には『前を向いて頑張っていけば必ず先が見えてくる』と声をかけ続けている。
営業現場では目下、売場の回復に取り組んでいる。
「1月から3月までが棚を戻していくための期間と思っている。3月までに100%にできるだけ近づけて、春先に大きな販促が打てるようになったときに完全に棚が戻ることを目標に頑張っている」と語る。
一方、自販機はシステム障害後も台数を維持。
ダイドードリンコとアサヒ飲料の共同出資会社ダイナミックベンディングネットワーク(DVN)に社員約120人を派遣するなど人材の流動化を図ったことで「自販機については大きなダメージがなく撤去が皆無の状態で順調に回復している」という。

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