タリーズ唯一の店内焙煎店 焙煎や豆へのこだわりを「見て、知って、味わう」体験の場 タリーズのブランド価値を一貫して体現
左から1月20日の内覧会でタリーズコーヒージャパンの内山修二社長と来賓に招かれた相模原市の本村賢太郎市長
 コーヒー生豆を一粒一粒選別して焙煎後に再び焙煎豆を選別する――。

 選別はハンドソーティングと言い、コーヒーの味を損なう原因となる欠点豆を取り除くことでコーヒーをよりおいしくする工程。


 伊藤園グループのタリーズコーヒージャパンは1月23日、こうしたコーヒーの焙煎や豆へのこだわりを「見て、知って、味わう」体験を提供する新店舗「タリーズコーヒー ロースター相模大野中央公園店」をオープンした。

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左から1月20日の内覧会でタリーズコーヒージャパンの内山修二社長と来賓に招かれた相模原市の本村賢太郎市長 同新店舗は、相模大野中央公園内に立地し、全国約830店舗の中で唯一の店内焙煎店となる。現時点において「タリーズコーヒー」ブランドの価値を最も象徴する体験の場所に仕立てられている。

 「地域住民の皆様だけではなく、全国のタリーズファンが、ここでコーヒーを飲みたいと思っていただけるはず」と自信をのぞかせるのは内山修二社長。1月20日の内覧会で挨拶した。

 「『タリーズコーヒー』で使用する豆は全て国内100%焙煎。焙煎後の豆を輸入する場合は鮮度が保ちにくいため、我々は『フレッシュローテーション』と呼び国内焙煎にこだわっている。特にここでは、店内焙煎したコーヒー豆を提供するため、コーヒーが持つ個性を最大限に引き出した、同じ生豆だとしてもここでしか味わうことのできない特別な店となる」と続ける。

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焙煎機「プロバット」5キロ釜
焙煎機「プロバット」5キロ釜 同社は、「最高の豆」「最高の焙煎」「最高のバリスタ」「最高のホスピタリティ」「そして最高の・・・(フェロー一人一人が毎日目標を立て、最高の何かをご提供できるように努める)」――の5つの最高を掲げる。

 同新店舗は、5つの最高のうち「最高の焙煎」を体現する場と位置付けられる。

 「焙煎は熱源と焙煎に要する時間の積算量で味わいが決まる。そういったことを1つ1つ細かく調整できるのが大きなメリット。
通常の店舗で提供するコーヒー豆や伊藤園の飲料ブランド『タリーズコーヒー』に使用するコーヒー豆も、焙煎プロファイルをしっかり決めておいしさを追求している」と胸を張る。

「最高の豆」もアピール

 店内の焙煎室には焙煎機「プロバット」5キロ釜1台が置かれる。

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焙煎を監修するプロダクト本部ビーンズ開発グループの青嶋真司氏
焙煎を監修するプロダクト本部ビーンズ開発グループの青嶋真司氏 コーヒー生豆の選別後、約10分かけて焙煎を行い再び焙煎豆を選別。
 袋詰め後、7日間保管することで焙煎豆から余分なガスを放出させて味を落ち着かせてから、「本日のコーヒー」などのドリンクメニューに使用される。

 焙煎を監修するプロダクト本部ビーンズ開発グループの青嶋真司氏は「最大5キロまで焼けるが、容量いっぱいに入れてしまうと焙煎ムラが生じるため1度に2キロずつ投入している。日によって異なるが、1日約5回焙煎し、その量は焙煎豆換算で1日10キロ弱、コーヒーカップ換算で1日約530杯に上る」と説明する。

 焙煎室の様子は、ガラス戸越しに店内ほか室外の公園からも見学でき、お客様が焙煎のプロセスを体感できるようになっている。

 「1つ1つの欠点豆の除去や細かい焙煎の調整など、こだわりを持って最高の味わいのコーヒーをお客様に提供できるように取り組んでいることを伝えていきたい」と青嶋氏は力を込める。

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「コスタリカ ドータ エスペランサ」
「コスタリカ ドータ エスペランサ」 店内で焙煎する生豆の種類は常時7~8種類を取り揃え、物販品とドリンクメニューにて提供している。

 オープン時は「コスタリカ ドータ エスペランサ」と「ペルー ゲイシャ グラフティング プロジェクト」といった希少品種も品揃え。店内に取り扱い生豆の展示コーナーを設けることで「最高の豆」の取り組みも訴求している。

 今回展示の「コスタリカ ドータ エスペランサ」は、コスタリカのCATIE(カティエ)と呼ばれる種子研究所・種子バンクで開発された品種となり、1袋(約70キロ)限定で発売されている。


 実際に現地を訪れ同品種と出会った渡邊瑛子プロダクト本部商品開発部ビーンズ開発グループチームリーダーは「病害虫に強くて成長が速い、それでいて豊かな味わいを持ち、おいしさと安定供給を両立したサスティナブル品種」と説明する。

 「ペルー ゲイシャ グラフティング プロジェクト」もおいしさと安定供給を両立している。同品種は、タリーズがセンフロカフェ農協と行っている「ティピカ種保存のための接ぎ木プロジェクト」から誕生し、ティピカ種と似たような課題をもつ、ゲイシャ種の台木にロブスタ種の苗木を使用した接ぎ木から収穫された希少品種で「ティーライクな透明感のあるきらびやかな風味が特徴」(渡邊氏)という。

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伊藤園の飲料ブランド「タリーズコーヒー」の看板商品
伊藤園の飲料ブランド「タリーズコーヒー」の看板商品 一般的に、カフェ事業とコーヒー飲料事業は、ブランド名が同じでも別々の会社によって展開されることが多く、店舗で味わう一杯と飲料では商品開発の考え方が異なる傾向にある。

 これに対して、タリーズコーヒーの焙煎や原材料などへのこだわりは、カフェ事業にとどまらず伊藤園から販売されている飲料ブランド「タリーズコーヒー」にも一貫して反映されている。

 「コーヒー豆の調達や焙煎という段階から、伊藤園と常に連携している。ブランドの魅力として、こだわりを多くのお客様に知っていただくことが、タリーズコーヒーの信頼につながる。これらの価値の発信を強化していきたい」と内山社長は語る。

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「タリーズコーヒー ロースター相模大野中央公園店」外観
「タリーズコーヒー ロースター相模大野中央公園店」外観 地域連携と体験価値で「最高のホスピタリティ」を提供

 地域と連携して「最高のホスピタリティ」も追求している。

 内山社長は「昨年は年間4000回のコーヒースクールを開催した。今年はそれに輪をかけて5000回に迫る回数を予定している。カフェが飽和状態なエリアがある中で、その地域に欠かせない店になるためには、単にコーヒーを受け取るだけの場所にならないように、地域の方々とどれだけ深いコミュニケーションが取れるかにかかっている」との考えを明らかにする。


 同新店舗では、相模原市と締結した子育て支援に関する協定に基づき、店内でのイベントを通じて、身近な場所で気軽に参加できる子育てスポットとして積極的に発信していく。

 加えて、野村不動産・JCOMとともにエリアマネジメント運営組織を設立し、連携したイベント開催などを通じて地域の活性化にも努める。

 山本昌洋営業本部東日本直営営業部東日本カンパニーストア第二グループシニアディストリクトマネージャーは「焙煎に特化したコーヒースクールと子育てイベントの二軸で地域に根差ざした取り組みを実施していく。プレパパ・プレママの相談会や出張コーヒースクールなども予定している」と述べる。

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生豆の選別の様子
生豆の選別の様子 「最高のバリスタ」の取り組みでは、バリスタの技術の中でもとりわけコミュニケーション能力を重視し、ワールドバリスタチャンピオンシップ(WBC)参加を目標にした仕組みづくりに取り組んでいる。
 コーヒーマスターの社内資格を持つ約50人がWBC出場の候補になりそうだ。

 創業30周年を迎える来年には、旗艦店のオープンを視野に入れる。

 内山社長は「創業30周年に向けて、最高の豆・最高の焙煎・最高のバリスタが体験できる旗艦店を現在企画している。地域連携と体験価値でタリーズコーヒーのこだわりを提供していきたい」と意欲をのぞかせる。
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