リベラリズムとは何だろうか。その中核にあるのは「自由」「合理性」「個性」「進歩」といった概念だという。
「理にかなった選択ができること、配慮と常識と尊重をもって他者に接することができること」などの能力を人々が持っていることがその前提にある。英国の政治思想家は説く(『リベラリズムとは何か』マイケル・フリーデン)。

▼「リベラルの敗北」が言われる今回の衆院選だが、人々はこうした考え方から遠ざかっているのだろうか。その試金石となるのが、高市総理が背を向ける選択的夫婦別姓に対する社会の態度ではないか。

▼全ての夫婦に同姓のみを強制する現行の制度に対し、誰にも何も強制しないこの選択制の合理性は明らかだ。日本以外のすべての国で導入され、それによる弊害は報告されていない。理屈の上では誰も困る人などいないはずだが、なぜかこの国だけ議論が進まない。

▼どちらの姓に統一することも可能なのに、実際に改姓するのは大半が女性。男性が姓を変えることには社会的にとてつもなく高いハードルがある。「旧姓の通称使用拡大」なる複雑怪奇な弥縫策では解消できない不均衡だ。「初の女性総理」がもてはやされる一方で、性別の違いによる不便を強いる不合理な制度が放置され続けるのはなぜなのか。今こそリベラルの出番である。
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