イベントを通じてカフェインレスコーヒーへの前述の先入観をなくすとともに、同社の「おいしいカフェインレスコーヒー」の新規飲用者獲得がイベント開催の目的。
右からUCC上島珈琲の赤石朋氏、佐川輝氏 2月27日、取材会に登壇したUCC上島珈琲の赤石朋マーケティング本部嗜好品マーケティング部嗜好品プランニングチーム係長は「当社の調査では、約3割の方が『カフェインレスコーヒーはおいしくない』というイメージを持たれていた。そのような先入観をなくし、飲み始めるきっかけを作ることで間口を広げたい」と力を込める。
イベントでは、建物の1階でテイクアウト用カップに入ったコーヒーを受け取り、壁面のパネルを見学。
パネルには、「キラキラネームは平成か令和生まれ」「カフェインレスコーヒーはおいしくなさそう」といった日常やコーヒーの「先入観」が描かれている。
2階では、最初に受け取ったコーヒーがカフェインレスコーヒーであることが明かされ、カフェインレスコーヒーとは何かという解説や「おいしいカフェインレスコーヒー」ブランドの紹介が展示されている。
「先入観」と書かれたボールを捨てることで、疑似的に先入観を捨てられる体験コーナーや、SNSへの投稿を促すフォトスポットも用意している。
「来場された方にカフェインレスコーヒーを自分事化して試していただくのが最終ゴール」と話すのは、佐川輝マーケティング本部プロモーション部広告宣伝チーム主任。
「一般的な試飲イベントも検討したが、先入観があると手に取っていただけず、飲んでいただいても『おいしかった』で終わってしまう。そこで、カフェインレスであることをあえて隠してコーヒーを提供し、体験していただくことで製品と来場者の距離を縮めようと考えた」と続ける。
カフェインレスコーヒー市場は右肩上がりで成長している。
2025年は販売金額ベースで、2倍以上に伸長したと推定される。
全日本コーヒー協会の発表によると、2025年のカフェインレスコーヒーの輸入量は2015年と比較して約2倍を記録した。
ユーザーはレギュラーコーヒー市場全体と同様に50代以降が中心。
「飲用者全体のうち妊産婦さんは約6.5%と意外と少なく、コーヒーの愛飲者が1日を通して飲むうちの1杯を置き換えたり、就寝前に飲んだりという飲用シーンが多い。実際に、カフェインレスのレギュラーコーヒーの売り上げ構成比ではワンドリップが7割程度と粉よりも高くなっており、1杯だけ飲みたいというニーズがみられる」と赤石氏は説明する。
需要が高まる一方で、「カフェインレスコーヒーを飲んだことはないが、なんとなく『おいしくなさそう』と思いトライアルをしていない方も多いようだ」との課題も浮き彫りになる。
同社はこの課題を伸びしろ捉え、カフェインレスコーヒーのさらなる市場拡大とともに、コーヒー全体の飲用者数や飲用杯数の増加に期待する。
赤石氏は「3月にリニューアルする『おいしいカフェインレスコーヒー』では、粉、ドリップバッグ、水淹れのコーヒーバッグ、インスタント、ボトルコーヒーと、誰でも自分の飲み方に合ったものを選べる豊富なラインアップを取り揃えている。現在販売している『コク深め』以外の嗜好性に合わせたバリエーション展開も今後検討していきたい」と意欲をのぞかせる。

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