――「ミライシナリオ」プロジェクトの策定に至った業界や社会的な背景を教えてください。
三宅 業界を取り巻く環境は、環境配慮の高度化や消費行動・人口動態の変化などを背景に、大きな転換期を迎えている。こうした中で、従来の延長線上ではなく、未来を起点に発想し、流通・小売の皆さまとともに新たな価値を創造していく必要があると考え「ミライシナリオ」プロジェクトを立ち上げた。
このプロジェクトは、変化の激しい時代において将来の社会や市場の姿を見据え、そこから逆算して今取り組むべき方向性を明確化にするためのものだ。
当社のパーパス「未来を、笑顔で、つつむ」の具現化に向けて、お取引先様と未来像を共有し、共に歩んでいくための共通の思考基盤として策定した。
「ミライシナリオ」プロジェクトが始動
「ミライシナリオ」プロジェクトを策定するに至った背景は、大きく三つある。
1つ目は、業界環境そのものが大きな転換期にあることだ。
人口減少の進行、流通・小売業界の構造変化、人手不足の深刻化、環境規制や資源循環への要請の高まりなど、私たちを取り巻く環境は急速に変化している。
こうした中で、従来のように「自社の中で良い容器をつくる」という発想だけでは、流通・小売業界や社会全体に対して、継続的に価値を提供し続けることが難しくなりつつあると感じていた。
2つ目は、事業環境の変化がますます予測しづらくなっていることだ。 市場や制度、生活者の価値観は、もはや過去の延長線上だけでは捉えきれない。
だからこそ、単発の対応ではなく、継続的に未来を見立て、複数の可能性を想定しながら備えていくことが、これからの事業には不可欠だと考えた。
3つ目は、当社のパーパスである「未来を、笑顔で、つつむ」を、具体的な行動に落とし込む必要性だ。
どの時間軸で、誰と、どのような価値創出につなげていくのかを考えた時に、中長期の視点に立った共通のロードマップが必要だと考えた。
こうした背景から、2030年までを見据えた未来予測を起点に、流通・小売業界の企業様とともに新たな価値を共創していくための取り組みが必要であるという結論に至り、本プロジェクトを発足させた。
このプロジェクトは、未来を断定するものではない。
不確実な時代だからこそ、業界の皆さまと共通の視点を持ち、対話しながら、次の一手を考えていくための「思考の土台」をつくる取り組みだと位置づけている。
――具体的な取り組みの全体像について。
三宅 ひと言で言えば「未来を起点に、ハード(モノ作り)とソフト(情報・戦略)の両輪で、新たなチャンスの協創を目指したプロジェクト」。2030年頃を見据え、未来の社会・市場の姿を起点に当社の事業・製品・組織のあるべき方向性を体系的に描く長期プロジェクトだ。食品容器というハードの進化に加え、従来の売場提案や新市場の情報収集・提供といったソフトの側面なども含めて検討し、新たな価値の協創につなげていくことを目的としている。
また、本プロジェクトを通じて、当社単独での取り組みにとどまらず、流通・小売の皆さまと未来像を共有し、業界全体でより質の高い意思決定の基盤づくりを目指している。
変化の激しい時代において、過去の成功体験に基づく「モノ作り起点」の発想だけでは限界がある。
売れ残り・廃棄抑える容器 食品ロス削減に貢献
プロジェクトは、主に次の3つの要素で構成されている。
1つ目は、消費者マーケティング視点を取り入れた情報基盤の整備。流通・小売の変化を語るうえで、その先にいる生活者の変化を無視することはできない。
消費者の価値観、購買行動、生活スタイルの変化を定量・定性の両面から捉え、市場の変化を「toC(消費者)まで含めて読み解くための情報基盤」を整備していく。
2つ目は、未来から逆算して考える戦略検討機能を持たせること。
2030年までの市場変化を複数のシナリオとして描き、それぞれの未来に対して、「どの領域に機会があるのか」「どの強みを活かすべきか」を整理する、戦略検討のための機能を持たせていく。
3つ目は 事業開発・実装につなげる視点。構想にとどまらず、当社が持つ製品開発力・成形技術・営業ネットワークといった強みを活かし、「当社だからこそ価値を発揮できる未来の市場」を開拓していく視点を重視している。
――食品流通業界では食品の廃棄ロス削減が大きな課題となっているが、食品容器メーカーとしての立場から、どのような貢献が可能でしょうか?
三宅 食品ロスは、鮮度の劣化に加え、人手不足による現場負担の増大や人口減少・高齢化による需要構造の変化、需要予想の判断の難しさなど、さまざまな要因が複雑に重なり合って発生している。
私たちは食品容器メーカーとして、食品の鮮度をより長く保つ機能性容器の開発や、作業効率を高め現場の負担を軽減する製品設計を通じて、食品ロスの発生を未然に防ぐことに貢献できると考えている。
食品容器メーカーとしての貢献は、大きくくくると1つ。見た目を維持する機能性や適切なサイズバリエーションにより、売れ残りや廃棄の発生を減らすことだ。
鮮度保持性や耐久性、密閉性といった容器の基本性能を高めるだけでなく、食材のズレ防止機能や油切り機能、光沢のある柄などを付与することで、流通過程や店頭での品質劣化の軽減、おいしさの演出、見栄えを維持し、消費者の購買意欲を高め、売れ残りの発生を抑制する。また、高齢化による小量目需要に対応するサイズを展開し、必要な分だけを購入できる環境を整えることで、家庭内での食べ残しや廃棄を減らす。
食品を無駄なく生活者に届けるための基盤を支えることも、私たち食品容器メーカーの重要な社会的役割であると認識している。
――「瀬戸内資源循環プロジェクト」の概要や企業間連携による取り組みの意義は。
三宅 当社のビジョンである「シーピー化成グループは、サステナビリティを第一に考え、実現する企業になります」の第一歩として、瀬戸内エリアを舞台に、使用済み容器を地域内で回収・再資源化し、再び活用する資源循環の実現に取り組む。単独企業ではなく、サプライチェーン及び生活者の連携によって資源循環・水平リサイクルの実現を共創していく。
食品容器は、使われた後にその多くが家庭からごみとして排出され一部自治体では行政スキームでリサイクルされているが、多くの自治体では焼却されている。私たちはそれをスーパーマーケット様と共同で拠点回収を行うことで「次の資源」として、地域の中での企業連携により循環させるモデルを構築することに挑戦している。
本プロジェクトの特徴は、単一企業の取り組みではなく、回収・再資源化・容器製造といった工程を担う企業が連携し、現実的に機能する循環の仕組みをつくろうとしている点にある。
資源循環は理念だけで回り続けるものではなく、コスト・品質・安定供給といった現実条件を満たさないと持続しない。
一方で現状は、回収・選別の体制整備や改修、前処理のコストが発生し、さらに再生材はバージン材に比べて高コストになりやすく、単年度で見ると経済合理性が取りにくいのが実態だ。
だからこそ当社は、まずは全体フローを実際に回して社会実装の入口をつくるため、初期は当社側で一定のコストを受け止めながら、企業間連携で「現場で回る仕組み」へ近づけることを重視している。
同時に、中長期では“負担を抱え続ける”のではなく、配合設計(配合量の最適化)や発泡素材などの展開による原価上昇の抑制、製造・前処理の効率化、そして販売量の拡大によるスケールメリットで、循環が成立する水準へ段階的に近づけていく考えだ。
地域とともに「回り続ける循環」を
――容器包装リサイクルにおける課題について。
三宅 容器包装リサイクルにおいては、現状行政ルートで回収されたマテリアルリサイクル樹脂を食品用途に使用することは選別・汚れ・品質の保持の観点や食品衛生法の規定により難しい状況。今後は、回収後の資源をいかに「使える資源」として安定的に再生し、次の用途に戻る循環の質と持続性が課題だ。
行政回収は重要な社会インフラだが、現状は汚れや混入、品質のばらつき等があり、食品容器に戻す水平リサイクルは依然ハードルが高いのが実態だ。
そこで社会実装初期は、スーパー店頭の回収BOX等の拠点回収で自主回収を起点に品質を担保し、フローを回しながら、ケミカルリサイクルでの資源循環を将来的に拡張していく。
課題は、単に回収量を増やすことではない。回収された後に“使える資源”として安定的に再生され、次の用途に戻っていくところまで含めて、循環の「質」と「持続性」を高めることだと認識している。
そこで社会実装の初期では、生活者の参加ハードルを上げ過ぎない形で、スーパーの店頭回収BOXなどの拠点回収を起点に、分別のしやすさ・混入抑制・回収品質を高めながら、回収→選別・一次処理→ケミカルリサイクル→再製品化までのフローを実際に回していく。
私たちは、リサイクルを単なる環境対応ではなく、「新たな資源調達の戦略」と捉え直している。サプライチェーンでの連携パートナーシップを通じて、地域社会とともに「回り続ける循環」我々の共同での活動を通して啓発と社会実装していく決意だ。【PR】

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