製油大手3社は相次ぎ、4月からの価格改定を発表。昨年秋からの価格改定の積み残し分について、早期の実勢化を目指す。足元では、米国のバイオ燃料政策の最終決定を前に大豆油相場が急騰。中東情勢の悪化で原料コストはより一層厳しくなることが予想され、さらなる価格改定の必要性を検討せざるを得ない厳しい状況に直面している。
食用油のコスト環境が悪化している。その最大の要因は、バイオ燃料需要の拡大だ。世界的な脱炭素化の流れを背景に、欧米では植物油脂を原料とするバイオ燃料の需要が増大している。バイオ燃料向けの需要は10年前の2.5倍に増加、今や植物油脂供給量の1/4超を占めるまでになった。
昨年6月には米国環境保護庁(EPA)がバイオ燃料混合比率の義務量増加を発表した直後から、大豆油の国際相場は急騰。オイルバリューは一時50%を超え、連産品であるミールの国際価格が低迷し、油脂コストを大きく押し上げる要因となっている。
さらに、エネルギー費および物流費、包装資材の高騰などサプライチェーン全体でのコスト上昇も加わり、食用油を取り巻くコスト環境は非常に厳しい状況が続いている。
製油各社は昨年来、数度にわたる価格改定を実施。
穀物相場の変動や為替だけでなく、バイオ燃料需要に左右される状況について、製油メーカーの担当者は「油脂原料市場は従来の価格レンジを脱し、新たな局面を迎えている。過去の常識が通用しない、別次元のステージに突入しつつある」と語る。
こうしたなか、製油各社は3月上旬に相次ぎ、新年度4月からの価格改定を発表。昨年後半からの価格改定の未達分について、早期の価格引き上げを進める方針で交渉を本格化させている。
足元では中東情勢の悪化で、原油をはじめとする商品市況への影響と円安の加速が懸念されている。26~27年に向けた米国のバイオ燃料政策の最終決定を前に、大豆油の国際相場は上昇傾向にある。
さらに、米中の貿易摩擦で輸入を控えていた中国が米国産大豆の買付に転じるとの期待感や、カナダ産菜種の輸入再開を受けて大豆・菜種の原料価格は再び上昇に転じている。
来年度に向けて、油脂のコスト環境はより一層厳しさを増していくことが確実な情勢で、製油各社は危機感を強めている。

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