象徴的だったのが昨年8月。全国的に気温が上昇したにもかかわらず、メーカーからは販売の伸び悩みを指摘する声が上がった。極端な高温による外出控えに加え、移動中に溶けやすいといった商品特性も影響したとみられる。猛暑の長期化を受け、棚替えを後ろ倒しする動きも広がった。
こうした環境変化は消費シーンにも及ぶ。従来は真夏に体を冷やす「クールダウン用途」として氷菓が選ばれてきたが、近年は冷房の効いた室内で楽しむ需要が拡大。夏場でもクリーム系アイスを選ぶ傾向が強まっている。食シーンは「涼をとる消費」から「満足感を重視するデザート消費」へと軸足を移しつつある。
メーカー各社は季節ごとの売り分けから通年型商品の開発へとシフトしている。クリーム系メーカーは主力商品で夏・冬の両対応を進め、氷菓主体の企業はクリーム系の強化に動く。
赤城乳業は「ソフ」で季節に応じて乳脂肪分や甘さを調整し通年需要の獲得を図る。フタバ食品は「ダンディー バニラ」を夏でも食べやすいすっきりとした後味の「ダンディー ミルク」に変更。
新たな切り口の商品提案も広がる。ロッテは4月6日、約10年ぶりの新ブランド「アジアに恋して」を投入する。日本の“亜熱帯化”を背景に、異国の味わいや香りといった新しい価値を訴求する。
気候変動は販売環境にとどまらず、需要構造そのものを変えつつある。従来の前提が揺らぐ中、消費シーン起点でいかに需要を創出できるかが今後の市場成長を左右する。
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