未利用油を高付加価値化 イオン交換樹脂法の実証設備稼働 ファイトケミカルプロダクツ
実証設備落成のテープカット
 昭和産業の資本業務提携先である、東北大学発のスタートアップ企業ファイトケミカルプロダクツ(本社・宮城県仙台市、加藤牧子社長)はイオン交換樹脂を用いた反応分離技術によって未利用油資源をアップサイクルする実証設備が完成したことを受けて、3月13日に東北大学・青葉山キャンパスで落成披露式を開催した。

 同設備は、東北大学大学院工学研究科の北川尚美教授・廣森浩祐助教が開発したイオン交換樹脂を用いた反応分離技術を活用し、植物油の製造工程で発生する副生油(未利用油資源)から高付加価値の機能性素材とバイオ燃料を同時に製造する国内初の実証設備。
2028年の商業化を見据え、イオン交換樹脂を用いた反応分離技術のスケールアップと自動化およびプロセス最適化に取り組む。

 ファイトケミカル社の加藤社長は「東北大学で開発されたイオン交換樹脂法は、油から高付加価値の機能性素材を高純度で回収し、残りの微量成分をバイオ燃料へと転換することができる技術。実証設備の稼働により、技術の高度化と事業化を図り、未利用資源の高付加価値化と資源循環型社会の実現を目指す」と語った。

 ファイトケミカル社は、2020年に東北大学連携ビジネスインキュベータ(T-Biz内)でベンチスケール設備を稼働。イオン交換膜樹脂法により、国産の米ぬか油由来のスーパービタミンEや脂肪酸エステル、化粧品素材パラフィン、植物ステロール、バイオ燃料などの製造販売および同技術のライセンス・エンジニアリング事業を展開している。

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実証設備落成のテープカット 今回稼働した実証設備は、従来のベンチスケール設備の100倍の生産能力で、商業生産に向けた製造設備のスケールアップと自動運転制御技術の開発を目指す。あわせて、T-Biz内に機能性素材の最終製品化を担うHACCP対応のクリーンルームを設置。従来のベンチスケール設備は、企業からの受託試験設備として活用する。

 同社と戦略的パートナーシップを結ぶ、昭和産業の大野正史取締役常務執行役員は「本実証設備は量産化技術の確立に向けた重要なステージであり、社会実装へ踏み出すための大きな一歩。当社グループとしてもファイトケミカル社との事業面・技術面の連携をさらに深めていきたい」と期待を寄せた。

 昭和産業グループは4月からスタートする新長期ビジョン「SHOWA VISION2035」において、穀物資源を有効活用したオレオケミカル・ファインケミカル分野の事業化を戦略的価値創出領域の一つに掲げている。ファイトケミカル社との取り組みを通じて、グループの新たな価値創出を目指す構え。


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