物価高でも売れる納豆 底堅さの理由と課題
韓国海苔たれ納豆(ミツカン 左上)、明太子納豆(タカノフーズ 右上)、ちょいつま納豆(ヤマダフーズ)
 物価高で食品の値上げが相次ぐ中でも、納豆の販売は堅調だ。家計調査(総務省統計局)でも2025年の支出は前年比約105%と底堅く、他の副菜が節約対象となる中でも食卓に残り続けている。
テレビなどで健康効果や活用方法が繰り返し紹介されていることも追い風となり、話題性も消費を後押ししている。

 なぜ納豆はここまで強いのか。理由はシンプルで、「安価・高栄養・調理不要」という三つの特長を兼ね備えているためだ。加えて、「健康に良い食品」というイメージも広く浸透している。全国納豆協同組合連合会が2025年に実施した調査(20~60代以上男女2000人、インターネット調査)でも、購入時は「価格」が重視され、喫食頻度が増えた理由として「健康・栄養」「手軽さ」が挙げられており、納豆は“合理性で選ばれる食品”といえる。

 一般に、合理性で選ばれる食品は需要が安定しやすい。低価格や簡便性といった機能価値を背景に、生活必需に近い位置づけを持つ。このため、不況下でも削られにくく、節約の受け皿として需要が下支えされやすい。
 一方で、市場が安定している分、新規層の獲得は容易ではない。同調査でも、若年層では納豆の喫食頻度が他の年代に比べて低いことが示されている。また、食べ慣れによって好みが分かれやすく、若年層では食習慣としての定着が中高年層に比べて弱い側面もある。

 こうした中、納豆メーカー各社は、明太子や韓国風など、味付けの工夫による入口づくりを進めるほか、納豆スナックなど間食領域への展開も広げている。


 「ご飯にかけるだけ」からの脱却を図り、おつまみやおやつとしても20~30代の取り込みを狙う動きが加速している。

 納豆は今、確かに売れている。だが、その好調に頼るだけでなく、味の工夫や食べ方で新たな需要を取り込もうとする動きが強まっている。足元の伸長を背景に、「売れているうちに次を打つ」戦略が鮮明になっている。

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韓国海苔たれ納豆(ミツカン 左上)、明太子納豆(タカノフーズ 右上)、ちょいつま納豆(ヤマダフーズ)参考資料:全国納豆協同組合連合会「納豆に関する調査」調査結果報告書(2025年6月)

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