クリスタルは26年3月5日に設立したばかりの新会社で、知人からの紹介で食品業界への挑戦を決意した加藤幹生社長とコーヒー好きを自負する従兄弟の波多野智也専務が中心となって事業を展開する。
もともとは同名のクリスタルの前社長の木下正義氏が約30年前に「化学物質過敏症の方にも飲んでいただけるコーヒーを提供したい」という思いからウガンダへ渡り、貧困を目の当たりにしたことで、現地の生活向上にも取り組むため、フェアトレードという言葉が認知される前の99年から通常のフェアトレード買取価格を上回る契約でコーヒー豆の輸入を始めた。その後はウガンダ政府とも緊密な関係を築き、大阪万博や愛知万博のウガンダブースでコーヒーを提供するなど認知拡大を進めた。
しかし体調などを理由に25年8月、コーヒー豆の焙煎・卸やカフェ運営などの事業を展開する静岡県浜松市のセカンドアドバンスに経営を譲り、より専門性の高い事業展開とサービス品質の向上を目指して事業を分割、加藤社長が思いを受け継いだ。
ウガンダ共和国はアフリカの東部に位置し、赤道を挟む場所でコーヒーの生産が盛ん。契約農家から輸入されるコーヒー豆の最高級のA級品は、さわやかな酸味と柔らかなコク、柑橘系の甘い香りが特徴。現在はオーガニック商品を扱うスーパーなどに商品を並べているほか、小ロットのOEMにも対応している。
契約農家では樹木を植え、森を管理しながらコーヒー豆などを栽培するアグロフォレストリーという農法で栽培しており、有機JAS認証でも認められている30種の肥料や薬剤さえも使っておらず、加藤社長は「化学過敏症の方でも安心して飲んでもらえる」と語る。
契約農家ではバニラビーンズやカカオも同時に栽培しているため、「輸入にあたって課題もあるが、今後はコーヒー豆以外の商品も取り扱うことで事業を拡大し、ウガンダの支援につなげていきたい」(加藤社長)。
ウガンダでは、コーヒー豆の収益の一部で病院が設立されるなど少しずつ生活向上が進む。前社長の思いを受け継ぎ、今後もウガンダの貧困の根絶に向けて取り組んでいく。
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