即席みそ汁市場は15年以降毎年市場が拡大し、22年の市場規模は810億円に達した。即席ならではの利便性が支持され、手作りみそ汁からのシフトが進んでいる。また、生みそタイプより食単価の高いFDブロックが近年急成長し、市場拡大に貢献している。
FDブロックが一般流通に登場した当初は、トライアルを促すため1食の個食商品が提案の中心だった。その後、FDブロックの認知度が上昇し、家庭での喫食頻度が上がると、ヘビーユーザーは個食商品から、より値頃感のある多食商品へシフトしつつある。
消費の変化を受けて、売場はFDブロック多食商品の品揃えを強化。消費者ニーズと合致し、アサヒグループ食品の「いつものおみそ汁 10食バラエティセット」、永谷園の「毎日のおみそ汁 5種のバラエティーセット10袋入」、神州一味噌「みそ汁食堂 味噌屋の一杯10食」などが販売好調だ。「みそ汁食堂 味噌屋の一杯」はジャパン・フード・セレクションのグランプリ受賞が追い風となっている。
アイライン獲得へ提案強化(永谷園「FDあさげ8袋入」FDみそ汁はブロックだけではない。みそトップのマルコメは近年、FD顆粒タイプの販売拡大に力を入れている。
また、永谷園は昨秋、FD粉末タイプの「あさげ」「ひるげ」「ゆうげ」シリーズを8袋入の箱入りへリニューアルした。今期も力を注いでおり、同シリーズを棚のアイラインに並べるべく提案を強化している。
売場側は、価格競争により限界まで低価格化が進んだ生みそタイプは「利益が薄い」と感じており、今秋の棚替えではFD顆粒やFD粉末の露出が一気に増える可能性もある。
市場におけるFDみそ汁のシェア拡大は、メーカーと売場側の共通課題である食単価アップの実現につながる。

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