ドラマが人気が出ると、その脇役を主人公としたドラマが作られたりする。それがスピンオフ。

事前に告白しておくと記者はこのシリーズ、かなり好きである。平たい不思議な食感の米で再現される人気カップ麺の味わいというひねりは、大方のカップ麺ファンが趣向を変えて味わいたくなる代物であることは間違いない。
さて今回はチリトマト。もちろん原作(?)も大好きなので期待が高まる。そして「日清のごはんシリーズ」であるけれど今回はリゾット。UFOがそばめしでどん兵衛が釜めしで出前一丁がチャーハンと来ての「リゾット」表記である。
イタリアンをラーメン感覚に生まれ変わらせたチリトマトヌードル。それが日清のごはんシリーズでリゾットになるとは……。何か一周まわって元に戻るような先祖返り的商品ではないだろうか。

調理方法はレンジのみというシンプルさ。

それに何しろカップに水を注いでかき混ぜるのだ。冷えたままのご飯を水に浸したその見た目はぶっちゃけ食欲をそそるようなものではない。よくかき混ぜるように指示があるのだけれど、この過程だけはいつも何となくテンションが下がる。

そしてはがしたフタをソーッと乗せて、レンジにイン。約5分間待機。そのうちトマトソースの良い香りがしてきて、やっと食欲にスイッチを入れてくれる。開けると激アツになった本体。ここがいつも要注意なのだけれど、フタも本体も死ぬほど熱いので覚悟して慎重に取り扱うように。


激アツの湯気が襲いかかってこないように将棋崩しのコマを抜くようにソーッと撤去。そして本体は上部のプラスチック部分を持ってソーッとテーブルへ。気をつける敵は湯気。ゆめゆめ油断をしないように。
そして食前のかき回しの儀式。またしてもぐるぐるとかき混ぜる。今度は心地いいチリとトマトの香りがするので、これは楽しい。具材のキャベツ、鶏肉、コーン、トマト、インゲンもひょいっと顔を出して食欲をそそる。

そしてスプーンでアツアツのところをはふはふとひと口。何だろう、フワリとした幸せなトマトの旨味と酸味のハーモニー、そこにピリッとした辛さが効いていて実に美味しい。チリトマトの良きところをしっかりと継承して、それでいてイタリアンのリゾットの雰囲気も同時に醸し出している。
確かに米なんだけどアルデンテの味わい。

ということで冷めないうちにあっという間に完食。ピリリという辛さが舌に残ってしばしうっとり。これはチリトマトヌードル・ファンはもちろんだが、イタリアン好きの人々にも味わってもらいたいインスタント・イタリアンの一つの完成形ではないかと真剣に思った。
