名古屋でウーバーイーツの配達をやってみました!
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第38回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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2020年秋にスタートしたGoToトラベル。宿泊費や交通費の補助が出るキャンペーンを活用して旅先で配達をしたら、現地でおいしいものが食べられる上にいい稼ぎになるのでは? そんな思いで、この年の10月に名古屋で配達をしてみました。
この時のエピソードを東海エリア出身者に話したところ、全員から「だよね~」と言われたのは「1日働いてチップが0円だった」という話。皆さん「名古屋の人は堅実な方が多いから」とか「使う時はガツンと使うんだけどね」などと言いながら、チップ0円は致し方ないというリアクションでした。
あれから3年。コロナによる外出規制もなくなり、インバウンドによる観光客も増加。
2024年1月、名古屋駅近くのビジネスホテルにチェックイン。3年前は1日で18回しか配達できず、たまたまチップをいただけるような方と巡り会えなかった可能性もあるため、2日間配達してみることに。事前に高級住宅地の位置や注文が多そうなチェーン店が集中する場所をチェック。
初日。朝10時30分にSKE48劇場の隣にあるマクドナルドからの注文を受けて配達スタート。配達先に近づくと次の注文が入りココイチ、さらに次の配達先へ行くとあんかけパスタの店と配達依頼が数珠繋ぎに入り、気がつくと午後4時。ここまでの配達回数は18回、収入7468円と、3年前を大きく上回る数値。しかし、この時点でのチップは0円。
午後5時、配達を再開すると入ってきたのは、大手回転ずしチェーンからの依頼。そして配達先は、事前にチェックしていた高級住宅地。今年のお正月に都内で配達した時は、回転しない少々高めの店から高級住宅地へ何度も配達したのですが......。
少し前まで、大手回転ずしチェーンの商品は配達中にすしが傾いて、上に載っているネタが落ちてしまうことがよくあったのですが、運んだ商品はネタが隙間なく敷き詰められ、運んでもネタが落ちることがありませんでした。そんな商品の詰め方の改良に感心しながら運んだのですが、コスパの良い商品を注文される方だけあってチップはゼロ。
2日目は名古屋駅近辺の店から駅近くに続々建設されているマンションへの配達に狙いを変更しようと決めたものの、初日と同じく配達依頼が数珠繋ぎに入る状況に。配達依頼が止まったのは午後3時。配達回数、収入とも私が普段配達しているエリアと同じ、もしくはそれ以上のペースにもかかわらず、チップは相変わらず0円。
この日は夜行バスで東京へ戻るため、配達時間のリミットは午後9時。名古屋でチップをもらうのは厳しいかと思った午後7時、ひつまぶしの店で商品を受け取って配達先を確認すると、表示されたのは高級住宅地。
「50円のチップ」
今回の名古屋遠征、2日間の配達で初日は配達回数34回で収入1万5808円(チップ0円)、2日目が配達回数27回で収入1万1352円(チップ50円)でした。ちなみに名古屋へ出かける前々日に都内で丸一日配達した時は配達回数37回で収入1万8341円(チップ2481円)。名古屋と東京の金額差はチップの差という結果となりました。名古屋には堅実な方が多いようですね。
文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明