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(左)Google Pixel 9a、(右)iPhone 16e。どちらが買いなのか?

AppleのiPhoneシリーズとGoogleのPixelシリーズ。

性能、価格面で誰もが大満足できる、その最新廉価モデルはどちらが買いなのか? ディスプレー、カメラ、AIなど気になる機能や賢い買い方を徹底比較です!

■人気モデルで性能的に注目すべき部分とは?

4月16日、Googleは同社のスマホ、Pixelシリーズの廉価モデルという位置づけの「Google Pixel 9a」の日本販売をスタート。

一方、ライバルのAppleは2月28日に現行シリーズ最安、直販でもアンダー10万円となる「iPhone 16e」を発売、さらに4月1日からは同社初の生成AI「Apple Intelligence」が日本語に対応し、同端末でも利用可能になっている。

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル
iPhone 16e(Apple/9万9800円から)これまでシリーズ最安モデルだったiPhone SEの後継モデルとなる本端末。上部にノッチが配置される6.1インチのディスプレーと、『原神』のような3Dアクションゲームもサクサクと動作する、上位モデルと同じA18チップを搭載。充電用にUSB-C端子が採用され、汎用性も大幅に向上!

iPhone 16e(Apple/9万9800円から)これまでシリーズ最安モデルだったiPhone SEの後継モデルとなる本端末。上部にノッチが配置される6.1インチのディスプレーと、『原神』のような3Dアクションゲームもサクサクと動作する、上位モデルと同じA18チップを搭載。充電用にUSB-C端子が採用され、汎用性も大幅に向上!

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル
Google Pixel 9a(Google/7万9900円から)毎年恒例となるPixelシリーズ廉価版の最新モデル。パンチホールタイプの6.3インチディスプレーを採用。本体重量がiPhone 16eの167gに比べ、185.9gと約20gも重たくなっているのはバッドポイント。両端末とも防塵防水、おサイフケータイでのタッチ決済にも対応

Google Pixel 9a(Google/7万9900円から)毎年恒例となるPixelシリーズ廉価版の最新モデル。パンチホールタイプの6.3インチディスプレーを採用。本体重量がiPhone 16eの167gに比べ、185.9gと約20gも重たくなっているのはバッドポイント。両端末とも防塵防水、おサイフケータイでのタッチ決済にも対応

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル
Google Pixel 9a

Google Pixel 9a

現在、キャリアの実店舗で大量に展示されている両端末のオトクな買い方、スペックなどについて、『できるfit ずっと使えるiPhone 16e』(5月1日発売)、『できるfit ずっと使えるGoogle Pixel 8a/8 Pro/8/7a対応』(共にインプレス)の著者で、両シリーズのカメラからAI機能まで知り尽くしているITジャーナリストの法林岳之さんに解説してもらいます!

――まず、両端末共にキャリアの端末購入プログラムを利用して約2年後に返却という買い方だと、かなり安くなっている印象があります。

法林 iPhone 16eだとソフトバンクやワイモバイルはMNPで実質24円。auも47円。Google Pixel 9aはauが最安で1200円、ソフトバンクが2400円です。MNPを利用するならこれらを利用するのがベストでしょう。現状、MNPでは16eのほうがお安く設定されていますね。

――キャリアはそのままで、機種変更で購入する場合は?

法林 iPhone 16eはauだと端末購入プログラムで3万3047円。ドコモが4万3670円、ソフトバンクは5万9544円です。16eを2年以上利用するのであれば、Appleの直販や大手家電量販店で購入したほうがいいでしょう。

iPhoneは3年以上使っても下取り価格が高く、中古専門店でも頻繁に「iPhone◯◯%下取り金額アップ」というキャンペーンを行なっています。

Pixel 9aも機種変で購入する場合のオトク感は薄い。一方で、Googleの直販なら「iPhone SE(第2世代)」「Google Pixel 6」といった3~5年前の端末でも下取り価格が最高で2万5100円、さらに次回の買い物から利用できるストアクレジットが1万5000円分もらえるキャンペーンが定期的に行なわれています。

このようなキャンペーンを利用することで、定価7万9900円のPixel 9aを、実質4万円以下で購入することも可能なのです。

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル
楽天モバイルはiPhone 16eの購入で2万円引き、さらに2万ポイントをプレゼント。初めての加入、MNPなど条件はあるがオトク度は強め

楽天モバイルはiPhone 16eの購入で2万円引き、さらに2万ポイントをプレゼント。初めての加入、MNPなど条件はあるがオトク度は強め

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル
一方、ソフトバンクはPixel 9aの購入で最大1万5000ポイントがもらえるキャンペーンを開催中!

一方、ソフトバンクはPixel 9aの購入で最大1万5000ポイントがもらえるキャンペーンを開催中!

――それもあってか、Googleの直販ではPixel 9aは品切れ状態(4月22日現在)。では、性能面で注目すべき部分は?

法林 まずはディスプレーです。iPhone 16eが6.1インチ、Pixel 9aは6.3インチで近いサイズ感になっています。しかし、両端末で決定的に違うのがリフレッシュレートです。

リフレッシュレートは、画面をどれだけ滑らかに表示できるかの指標で、数値が高いほど高性能となります。この数値はiPhone 16eが60Hz。Pixel 9aのほうは60~120Hzの可変リフレッシュレートになっています。

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リフレッシュレートが60HzのiPhone 16e。テキスト、画像、広告などが表示される『週プレNEWS』のようなサイトのスクロールでは、動きの鈍さを感じることもあり

リフレッシュレートが60HzのiPhone 16e。テキスト、画像、広告などが表示される『週プレNEWS』のようなサイトのスクロールでは、動きの鈍さを感じることもあり

――この数値の大小で、具体的にはどういった性能差が生まれるのですか?

法林 例えば、Yahoo!ニュースやSNSのタイムラインなど、テキストや画像、さらに動画広告も表示されるサイトなどの閲覧で歴然とした性能差があります。

このようなサイトを上下にスクロールした場合、人によって「カクつく」「動作がもっさり」と感じることがありますが、これは通信速度の影響ではなく、リフレッシュレートの数値が低いことが原因となっている場合が多いのです。

逆に「サクサク動作」、あるいは指の動きと画面が同調して「ヌルヌルと表示される」と感じられるのが、高リフレッシュレートのディスプレーになります。

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60~120Hzの可変リフレッシュレートに対応するPixel 9aは、Xのタイムラインもスクロールも滑らかなのが特徴。表示領域も16eより若干広め

60~120Hzの可変リフレッシュレートに対応するPixel 9aは、Xのタイムラインもスクロールも滑らかなのが特徴。表示領域も16eより若干広め

――確かに、リフレッシュレート60Hzと120Hzを使い比べるとSNSのタイムラインやショート動画の切り替えでも違いは歴然!

法林 リフレッシュレートはタイムラインだけでなく、アクションゲームや画像ギャラリーのスクロール表示でも大きな差が出ます。それこそ、120Hzならギャラリーをスクロールしてもサムネの内容が確認できるレベルです。

現在、Android端末では2万円台の格安モデルでもリフレシュレートが90Hzから120Hzのディスプレーが採用されており、これらの端末からiPhone 16eに乗り換えた場合は、日常的な利用で相当なストレスを感じるでしょう。

iPhoneシリーズで高リフレッシュレートを希望するなら、現行モデルだとiPhone 16Proシリーズを選ぶ必要があります。

――ディスプレーに続いて利用頻度が高いカメラ性能はどうですか?

法林 iPhone 16eはこれまでのiPhone SEシリーズに比べて、ナイトモードが進化し、より簡単に暗闇での撮影を行なえるようになりました。シングルレンズですが、光学ズームは2倍、動画は4K撮影に対応しています。

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iPhone 16eはシングルレンズ仕様でiPhone SEに比べてナイトモードが大幅に強化され、暗い室内もしっかり撮影

iPhone 16eはシングルレンズ仕様でiPhone SEに比べてナイトモードが大幅に強化され、暗い室内もしっかり撮影

――とにかく簡単撮影が魅力の、iPhoneシリーズの特徴をしっかり踏襲しているのはうれしいポイント! Pixel 9aはどうですか?

法林 標準レンズ、ウルトラワイドの超広角レンズの2枚構成となっています。Pixelシリーズのナイトモードはもともと定評があり、何より超広角レンズを搭載していることが大きい。

これは室内での集合写真、街歩きの動画撮影、そしてショート動画など人物と背景を一緒に収めたいときに活躍する画角で、最近のカメラアプリなら0.5や0.6倍と表示されています。

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Pixel 9aはメインと集合写真や背景を生かしたいセルフィーで活躍する超広角のダブルレンズ仕様。こちらはマクロ撮影にも対応している。iPhone 16eは超広角レンズ非搭載なので超注意!

Pixel 9aはメインと集合写真や背景を生かしたいセルフィーで活躍する超広角のダブルレンズ仕様。こちらはマクロ撮影にも対応している。iPhone 16eは超広角レンズ非搭載なので超注意!

――言われてみれば、0.5や0.6倍っていう撮影モードは室内撮影でも無意識に選択しがち! iPhone 16eの超広角は?

法林 搭載されていません。ある意味、最大のマイナスポイントだと思います。

■最も気になるAIのスペックは?

――でも、iPhone 16eはApple独自の生成AIであるApple Intelligenceに対応して、レンズ性能を補うほど写真性能が大幅パワーアップ。その注目機能は?

法林 撮影した画像から不要なものを削除できる「クリーンアップ」機能があります。使い方は、写真から「消しゴム」アイコンを選択して、削除したい部分を指定するだけで終了。

誰でも簡単、かつ自然に画像処理をできるのがポイントです。

また、「ビジュアルインテリジェンス」機能では、カメラに写したものの情報を表示できます。こちらは文章のテキスト化や翻訳にも対応しており、日常で使える便利機能となっています。

――おお! iPhoneシリーズでもAI機能が普通に使える環境になったじゃないですか! このほか、Apple Intelligenceのオススメ機能は?

法林 通話機能にAIが活用されています。通話中の会話を録音して、それをテキスト化。さらに要約することも可能です。

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待望のApple Intelligenceの実力は? 写真の邪魔なものをAIが消してくれる「クリーンアップ」機能が登場

待望のApple Intelligenceの実力は? 写真の邪魔なものをAIが消してくれる「クリーンアップ」機能が登場

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル
電話やメモアプリでは音声の自動文字起こしを行なうことが可能。テキスト化された文字の要約にも対応している。Androidではほぼ標準となっている機能がついにiPhoneでも実現です!

電話やメモアプリでは音声の自動文字起こしを行なうことが可能。テキスト化された文字の要約にも対応している。Androidではほぼ標準となっている機能がついにiPhoneでも実現です!

――でも、一般的には通話の録音、それを要約する機能など使わないのでは?

法林 この機能は、留守番電話でも「ライブ留守番電話」として機能します。こちらは誰でも便利機能として活用できると思います。

――なるほど! これは詐欺電話対策としても大アリの有能機能! では、Pixel 9aのAI機能は?

法林 基本、iPhone 16eで説明した機能はすでに搭載済みで、かつ洗練され精度が高い。これは長年GoogleがスマホにAI機能を実装し、研究してきた成果が大きいですね。

そして「Gemini Live」というカメラ、音声と連携して生成を行なう新機能も登場しました。例えば、会話形式で各種生成やテキストの要約を行なえますし、本を読ませたりすることも可能です。

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テキスト入力だけでなく、音声からの生成が行なえるGemini Liveがカメラとも連動! (左)本を読ませつつ、その内容を要約。さらに最新の情報も追加して読み上げる。(右)ほつれたセーターをカメラが認識し、その修理方法を解説する

テキスト入力だけでなく、音声からの生成が行なえるGemini Liveがカメラとも連動! (左)本を読ませつつ、その内容を要約。さらに最新の情報も追加して読み上げる。(右)ほつれたセーターをカメラが認識し、その修理方法を解説する

究極コスパ対決!「iPhone 16e vs Google Pixel 9a」絶対に負けられない「スマホ国民機」バトル
おすしを認識して味、食感などの情報を読み上げる

おすしを認識して味、食感などの情報を読み上げる

――Gemini Liveは、YouTuberらがやっている生成AIとの会話動画が、スマホで普通にやれるレベルのトーク力があるじゃないですか!

法林 そして、Pixelシリーズは廉価版でも、アップデートで最新のAI機能に次々と対応させていくのもウリとなっています。廉価モデルだから"制限される"という場面が少ないのです。

Apple Intelligenceは十分に実用的で、誰でも日常で簡単に使えるAIに仕上がっています。ただ、より先進的なスマホのAI機能を使ってみたいと思うならPixel 9aを選ぶべきでしょう。

――では最後に、人気の両端末の弱点は?

法林 両端末共にマグネット系のアクセサリーに対応していません。近年のiPhoneシリーズはMagSafe機能がウリですが、iPhone 16eはそれに非対応。なので、マグネット系のアクセサリーに対応したケースを選ぶのがいいでしょう。

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タフ・アーマー(AI)・マグフィット(Spigen/実勢価格4000円前後)充電器やスマホリングなど、マグネット系のアクセサリーを利用できるケース。キックスタンドを装備して動画視聴に最適です!

タフ・アーマー(AI)・マグフィット(Spigen/実勢価格4000円前後)充電器やスマホリングなど、マグネット系のアクセサリーを利用できるケース。
キックスタンドを装備して動画視聴に最適です!

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ウルトラ・ハイブリッド・マグフィット(Spigen/実勢価格3600円前後)懐かしの音楽プレイヤー、iPodシリーズをモチーフにしたケース。MagSafeアクセサリーに対応して、ストラップホールも装備!

ウルトラ・ハイブリッド・マグフィット(Spigen/実勢価格3600円前後)懐かしの音楽プレイヤー、iPodシリーズをモチーフにしたケース。MagSafeアクセサリーに対応して、ストラップホールも装備!

――価格だけでなく、スペックも優秀なApple、Googleの両端末は購入しても絶対に後悔しないスマホになっていますよ!

取材・文/直井裕太 撮影/法林岳之

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