【プロ野球・MLB「春の異変」④】開幕15試合犠打なし、12...の画像はこちら >>

12球団屈指の破壊力を誇る日本ハム打線。新庄監督の意向もあり、1軍はなんと捕手5人体制

開幕から1ヵ月。

日米の野球界で巻き起こったさまざまな"波乱"を徹底解説する!【プロ野球・MLB「春の異変」④】

■球史に残る捕手5人体制

「開幕から15試合犠打なし」のプロ野球新記録を樹立した日本ハム。12球団最多のチーム本塁打数とリーグ2位の得点数を稼ぐ打線は、「大航海は続く」のチームスローガンにちなみ「海賊打線」とも称されている。

「今季に限らず、打てないときはあっさり終わることも多いものの、つながり出したら止まらないのが日本ハム打線。新庄剛志監督は"まき餌"も好きなので、ここまで一切してこなかったバントも、今後は一転して増やしてくる可能性があります。必要なのは臨機応変さ、それから個々の局面での最善策です」(野球評論家・お股ニキ氏)

その海賊打線で目を引くのは捕手登録の選手の多さ。開幕1軍には、アリエル・マルティネス、伏見寅威(ともい)、郡司裕也、田宮裕涼(ゆあ)、現役ドラフトでソフトバンクから移籍してきた吉田賢吾の5人。層の厚さは球史に残るレベルだ。

「捕手ができる選手は野球を深く理解しているので、優秀な選手が多い。にもかかわらず、日本ではなぜか捕手として経験が浅いと打撃まで低く評価されがち。

非効率でもったいないし、ここに果実があると私は以前から訴えていました。新庄監督の方針か球団の方針かはわかりませんが、私と同じ考えなのでしょう」

実際、昨季もスタメン9人のうち4人が捕手登録というオーダーを組むなど、新庄監督の捕手重用ぶりは顕著だ。

「日本ハムはここ数年、中日から郡司とアリエル、ソフトバンクから吉田を獲得し、内野や代打として起用しています。

ドラフトでも捕手能力を理由に打撃まで過小評価される捕手を獲得し、コンバートさせるアイデアがどんどん広まってきていると思います」

確かに新庄監督も「大事な場面の代打はキャッチャー。引き出しが多いし、配球を割り切れる」と語っている。

「配球や守備位置のほか、相手の打撃まで考える必要があるため、考えて打てる選手が多いもの。巨人の阿部慎之助監督、元ヤクルトの古田敦也さんらがその代表格です。今季加入の吉田も打線のいいスパイスになれるはずです」

その日本ハムを抑え、開幕ダッシュに成功したのは打線が好調すぎるオリックス。チーム打率は3割に迫り、打率リーグ5傑をオリックス勢が独占することもあった。

「西川龍馬と頓宮裕真(とんぐう・ゆうま)が復活し、私が以前から推していた太田椋(りょう)が打率トップに立つほど覚醒。捕手の若月健矢も攻守に好調です。ややリリーフ陣に難があるものの、このままオリックスと日本ハムの2強の争いになりそうです」

*成績は日本時間4月22日時点

文/オグマナオト  写真/時事通信社

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