全国のウーバーイーツ配達員から届いたアカウントの「一旦」永久...の画像はこちら >>

ウーバーイーツ配達員がアカウント停止される実例を紹介します

連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第109回

ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

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ウーバーイーツ配達員のアカウント停止をめぐる裁判で、解決金を得て和解した「ウーバーイーツユニオンの執行委員長として記者会見を開いた話」を先日書きました。

この会見がきっかけとなり、配達員からアカウント停止に関する相談がウーバーイーツユニオンの問い合わせフォームに寄せられるようになりました。

今回は実際のアカウント停止事例の紹介や、停止されないためにはどうすればいいのかを考えたいと思います。

まずは配達車両が異なるということでアカウント停止になった例から。

ウーバーイーツのバイクや自動車の配達員は車両登録をしなければならず、その登録車両以外で配達をしてはいけないという規定があります。そのルールに抵触してアカウントが停止されたのがこの事例です。

配達中によく現れる顔認証画面のような「車両のナンバーを撮影してください」という認証画面はないようなので、この事例はおそらく注文者や店の方の通報によるものと思われます。通報のほとんどが「バイク配達員が自動車で来た」といった感じだと思うのですが、車両登録が必要ない自転車での配達でも、登録した車両と違うという警告が来ることがあるのでよくわかりません。

この警告が来るとバイク、自動車、自転車、徒歩配達関係なくアカウントが一旦永久停止されます。対策としてはバイクや自動車なら登録した車両で、自転車、徒歩配達なら自転車や徒歩でちゃんと配達するしかなさそうです。ちゃんとやっても永久停止となることもあるので、防ぎようがないのですが......。

続いては不正なキャンセルによるアカウント停止。

こちらは商品を受け取ってから注文者のところへ行かずにバックレるパターン。ほぼ全ては配達員が悪いケースです。

こちらに関しても注文者からの通報でアカウントが一旦永久停止されるようです。

このケース「ほぼ全て」と書いた通り、ごくごくたまに「やむを得ない」ものがあります。それが複数同時配達の際、途中で誤って「配達完了」のボタンをタッチしてしまう場合です。押してしまうと1件目の配達先が完全に消えてしまうため、配達先を知ることができません。サポートに問い合わせをしても「注文番号がないと調べることができない」という回答しか届きません。

対策としては、手間になりますが毎回配達先をスクリーンショットする、もしくは注文番号をスクリーンショットする方法しかなさそうです。

けっこうな数の相談を寄せられるのが顔認証によるアカウント停止。

先日書いた「そこまで必要ある? ウーバーイーツの運営が配達員に求めるさまざまな認証システム」でも触れましたが、暗いところで撮影したり、雨の日にメガネの水滴をしっかり拭かずに撮影したりすると認証がうまくいかないことがあります。何度か失敗するとアカウントが一旦永久停止されてしまいます(明らかに顔が違うと1回でも一旦永久停止となるようです)。顔認証の画面が出たら明るいところに移動して、メガネの水滴を拭いて撮影するのがベストな対処法でしょう。

どうしたらよいか困るのが、こちらに瑕疵(かし)がないのに通報されてアカウント停止となるケース。

置き配で指定された場所に商品を置き、運営に指定の場所に商品を置いた様子を撮影して画像を送信したのに、運営から「注文者から商品が届いていないと報告がありました」とのメールが届いてアカウントが一旦永久停止となる例です。

この場合の対策は非常に難しいですが、やるとしたら注文番号、配達先などの画面のスクリーンショット、ウーバーに送信したものと同じ画像を保存するといったところでしょう。ただ、毎回細かくスクリーンショットに保存する作業を行なうと届けるまでに時間がかかってしまうので、現実には難しいところです。

アカウントの永久停止は、不正を行なっていない旨を証拠とともに何度も伝え、こちらの主張が認められると2週間ほどで解除されるパターンが多いです。一度停止されてしまうと2週間分の収入が絶たれてしまうので、配達の際はウーバーだけでなく、他のフードデリバリーの配達員登録をしておくのが最大の防御策になるでしょう。

このような感じで、運営側は一旦アカウントを永久停止にしてから配達員の事情を聞くという流れで対処しているので、もし虚偽の通報をした場合、注文者に損害賠償請求が行く可能性もゼロではありません。通報される際は、配達員とのやり取りのスクリーンショット、配達員が違反している様子の写真をしっかり押さえて通報するのが安全かと思います。

文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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