殺人的な酷暑となっている夏をサバイブするために、手軽に塩分補給できる「塩あめ」と「タブレット」を研究!
殺人酷暑と呼べる日が続き、外にいるだけで汗が噴き出る。体の中から、水分だけでなく塩分も大量に失われていく......。
※価格は編集部調べ
※塩分や糖分の過剰摂取になる可能性もあります。食べすぎにはご注意ください
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■塩分、ビタミン、クエン酸も補給しろ!
日本列島では連日猛暑日が続いている。熱中症で病院に搬送された人は〝最も暑い夏〟といわれた昨年の同時期(7月7~13日)と比べて248人も増えている。
「熱中症予防には、水分だけでなく塩分補給も必要だ」といわれるが、実際にどれくらいの人が日頃から塩分補給をしているだろうか。
殺人的な酷暑となっているこの夏をサバイブするために、手軽に塩分補給できる〝塩あめ&タブレット〟を研究してみたい。
話を聞いたのは、塩あめに詳しい管理栄養士の谷岡友梨氏だ。
「厚生労働省が発表している1日の食塩摂取の目標量は、男性が7.5g未満、女性が6.5g未満です。普通に食事をしていれば、このくらいは取っていると思います。
しかし、屋外で長時間仕事をしていたり、休日に外で水遊びやバーベキューなどを楽しんでいたり、スポーツなどで大量に汗をかいた場合は、塩分が足りなくなる可能性があります。そういうときにはスポーツドリンクを飲むか、水分と一緒に塩あめなどを舐めて塩分補給をしたほうがいいでしょう。
また、屋内で仕事をしている場合も、通勤時などに汗をかいて熱中症が心配な人は、〝お菓子〟感覚で塩あめなどを食べるのは悪くありません。スポーツドリンクは塩分だけでなく糖分も多く含まれているので、運動をしていない人がスポーツドリンクで塩分補給をしているとカロリーオーバーになりやすいんです」
お菓子勉強家の松林千宏氏も、塩あめはお菓子感覚で食べるのがいいと言う。
「今、塩あめはバリエーションがとても多くなっています。塩分だけでなく、クエン酸やビタミンなども一緒に取れる多機能なもの。レモン、スイカ、トマト、ミルクなどいろんな味が楽しめるもの。岩塩や海水から作られた塩にこだわったもの。そして、あめ、タブレット、グミなどさまざまな形状もあります。
単純に塩分補給としてはもちろん、バリエーションも豊富なので、自分に合ったものを楽しく選んでいただきたいと思います」
では、バリエーションごとにおふたりのオススメの塩あめを紹介していこう。
まずは【多機能塩あめ部門】から。
●「塩分チャージタブレッツ」(カバヤ食品)

塩分チャージタブレッツ(スポーツドリンク味)[カバヤ食品] 【内容量】81g 【価格】235円 【食塩相当量】0.119g(1粒当たり)
「塩あめジャンル(塩分味・塩味市場)のナンバーワンブランドです。熱中症予防の需要拡大を先取りして2009年に発売したロングセラー商品で、塩分だけでなくクエン酸やカリウムが一緒に取れます。
カバヤといえば『ジューC』という大ヒット商品がありますが、その技術を使ったラムネのような感覚で、スポーツドリンク味、梅味、塩レモン味の3種類があります」(松林氏)
「柔らかいタブレットタイプなので、噛めば素早く塩分補給できます。ダラダラ食べなくていいので、仕事中にも便利です」(谷岡氏)
●「in塩分プラスタブレット」(森永製菓)

in塩分プラスタブレット[森永製菓] 【内容量】80g 【価格】224円 【食塩相当量】0.1g(1粒当たり)
「エネルギー補給ができる『inゼリー』ブランドのタブレットタイプです。塩分に水分の吸収を促進するブドウ糖、さらにビタミンC、ビタミンB群、クエン酸をプラスしています」(松林氏)
「発汗時にはビタミンCやビタミンB群などの水溶性ビタミンが体外に排出されやすいので、それも一緒に補えるというのが特徴です」(谷岡氏)
●「塩レモンキャンディ」(アサヒグループ食品)

塩レモンキャンディ[アサヒグループ食品] 【内容量】62g 【価格】237円 【食塩相当量】0.81g(6粒・21g当たり)
「塩分、クエン酸以外にビタミンC、ビタミンB1、B2、B6、B12、Eも補えます。
「アサヒグループなので、やはり栄養機能食品には強いです。味は酸っぱくてちょっとしょっぱいというレモン味になっています」(松林氏)
●「ミネラル塩飴」(ブルボン)

ミネラル塩飴[ブルボン] 【内容量】94g 【価格】194円 【食塩相当量】0.1g(1粒当たり)
「ナトリウム、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、マグネシウムといった6種類のミネラルがしっかりと入っています。また、1粒にクエン酸が100mg配合されていて、かなりの充実ぶりです」(松林氏)
■味を楽しむか、塩にこだわるか
次は、どうせ塩分を取るならおいしいほうがいいという人にオススメの【味を楽しむ塩あめ部門】。
●「特濃ミルク8.2塩ミルク」(UHA味覚糖)

特濃ミルク8.2塩ミルク[UHA味覚糖] 【内容量】75g 【価格】248円 【食塩相当量】0.1g(1粒当たり)
「『特濃ミルク8.2』という人気商品があるのですが、それにオーストラリアのデボラ湖でとれた天然塩を加えているのが特徴です。塩分も1粒当たり0.1gとしっかり入っているのですが、ミルク感もしっかり味わえます」(松林氏)
「これはとてもクリーミーで、甘いものが好きな人にはオススメです。ただ、1粒当たり17Kcalと少しカロリーが高めなので、食べすぎには注意したほうがいいかもしれません」(谷岡氏)
●「男梅グミ/キャンデー」(ノーベル製菓)

男梅グミ/キャンデー[ノーベル製菓] 【内容量】38g 【価格】160円 【食塩相当量】2.28g(1袋当たり)

「男梅はキャンデーもあるのですが、最近はグミがブームなのでグミを試していただきたいです。この男梅グミは梅干し感を実現するために300回以上試作を重ねた商品で、しょっぱ酸っぱさを味わってほしいです」(松林氏)
「塩と酸味と甘味のバランスがとても良く、味が濃厚で食べ応えがあります。梅好きな人にはオススメです」(谷岡氏)
●「果汁グミ すいか」(明治)

果汁グミ すいか[明治] 【内容量】47g 【価格】127円 【食塩相当量】0.06g(1袋・47g当たり)
「2023年に発売されたスイカ味のグミに、今年は隠し味として塩を配合した期間限定の商品です。食塩相当量が0.06g(1袋当たり)と高くはないのですが、おいしさにこだわりつつも、熱中症が気になるという人は選択肢のひとつになると思います」(松林氏)
●「塩とまと飴」(加藤製菓)

塩とまと飴[加藤製菓] 【内容量】58g 【価格】162円 【食塩相当量】0.7g(1製品・55g当たり)
「これは香りや味わいが本当にトマトのように感じます。塩は鳴門の塩を使用、またリコピンも配合されていて抗酸化作用が期待できるので、健康にもいいかもしれません」(松林氏)
そして【塩にこだわる塩あめ部門】。
●「塩あめ 伯方の塩使用」(春日井製菓)

塩あめ伯方の塩使用[春日井製菓] 【内容量】144g 【価格】201円 【食塩相当量】0.113g(1粒当たり)
「愛媛県の『伯方塩業』がこだわりの製法で作っている塩を使用しています。
●「天塩の塩あめ」(天塩)

天塩の塩あめ[天塩] 【内容量】75g 【価格】227円 【食塩相当量】0.13g(1粒当たり)
「『赤穂の天塩』の原料となる大粒の天日塩を使用した粒感を味わえるあめ。塩屋さんが作る塩あめなので、味に信頼があります。大粒の塩を使っているため最初は甘く、徐々に塩味が強くなるという変化が楽しめます」(松林氏)
そして最後は【プロ使用部門】。
●「熱中飴」(井関食品)

熱中飴[井関食品] 【内容量】100g 【価格】250円 【食塩相当量】約0.32g(1粒当たり)
「井関食品は大阪に本社がある、あめ作りを専門とする会社です。熱中飴はある建築会社から『熱中症予防に従業員に舐めさせるあめを作ってほしい』という要望から生まれました。建築現場で働く人用のため食塩相当量は1粒当たり約0.32gとかなり高めです。
ネットでも買うことができるので、一般の人も運動時やキャンプ、水遊びなどに行くときに持っていく人が多いようです。味は塩辛酸っぱいレモン塩味です」(松林氏)
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熱中症予防は、水分補給と塩分補給が重要ということはわかっているが、ついつい水分補給だけで済ませがちではないだろうか。
今年の夏は昨年を超える暑さがやって来るともいわれているだけに、お菓子を食べる感覚でぜひ、塩あめを舐めてほしい。
取材・文/村上隆保 写真/時事通信社(街角)