7月の大相撲名古屋場所の中継で、紫のドレス姿で相撲観戦をする女性が"謎の美女"としてネット上で話題となった。美女の正体は2020年に「ミスなでしこ日本」の準グランプリに輝いた、三重県在住のモデル・水谷百花さん。
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――水谷さんは大相撲名古屋場所の中継で「謎の美女」とネット上で取り上げられ、Xなどで話題となりました。反響はいかがでしたか。
水谷 反響は本当にすごくて、びっくりするぐらいでした。いろいろな知り合いに「出てたね」と言われました。現在は東証プライム上場企業で事務として働いているのですが、会社の人にも「中継に映ってたね」と言われました。
――相撲は昔からお好きなんですか?
水谷 祖母や父が相撲が好きで、テレビで見ていたのでその影響で私も見ていました。今回の名古屋場所も前日には父が前列で観戦していたんですが、腰をちょっと痛めてしまって。「代わりに行くか?」と聞かれたので、私が代わりに行き、あの席で観戦していたところ、中継に映ったんです。
――素敵な紫のお召し物が注目を浴びましたが、もしかしたら中継で目立つためだったりします?
水谷 いえいえ(笑)。紫のドレスは、デザイナーの服部由奈さんの着物ドレスブランド「奏音」(カノン)のドレスなんです。
紫のドレスはすごくお気に入りでしたし、相撲という和の文化にも合うかなと思って着て行きました。会場でも30人くらいの方から「綺麗」「素敵」と言ってもらえて、自信を持たせてくれるドレスです。ドレスの素敵さが中継からも伝わっていれば嬉しいです。
――本日も紫のドレスを着ていただいていますが、本当に素敵ですね。お好きな力士とかはいますか?
水谷 阿炎関のファンです。父が錣山部屋と仲良くしていて、朝稽古を見たり、先日の千秋楽のパーティーでは阿炎関と写真も撮らせていただきました。錣山部屋さんのちびっ子相撲のイベントにも関わらせてもらったこともあります。

――水谷さんご自身のお話もお聞きしたいんですが、学生時代はスポーツに打ち込んでいたそうですね。
水谷 大学生までの12年間、陸上の長距離に打ち込んでました。3000メートル障害に取り組んでいて、三重県大会では大会新記録を出したり、全日本大学女子駅伝に出場した経験もあります。
小学校の頃からオリンピックに出るのが夢で、大学の同期には世界陸上で4位に入賞している子もいたんですが、自分はそこまでは追いつけなかったんです。
――いろいろなミスコンにも参加し、結果も残されていますね。
水谷 陸上を引退してから何か新しいことを始めたいと思い、最初は「ミス桑名」という地元のミスに選ばれました。その後に着物など和の文化に特化した「ミスなでしこ日本2020」では準グランプリをいただきました。その後、世界に挑戦したいと考えて世界3大ミスコンの一つである「ミスワールド」に挑戦して、愛知県代表となり日本大会のファイナリストになりました。
――おしとやかに見えますけれど、スポーツ歴を見るとかなり体育会系ですか?
水谷 どちらかというとアクティブ、体育会系です(笑)。休日はヨガにテニス、ウォーキングだったりとにかく動いていて、家でゆっくりという日はあんまりないです。あと旅行で47都道府県も制覇しています。
――Xのプロフィールには「家業の伝統工芸、建具屋4代目継承中」ともあります。
水谷 父が組子という釘を全く使わずに組み立てていく組子建具の職人なんです。私が4代目に当たるので、ゆくゆくはそうした技術を継承していくのが自分の使命だと思っています。今は普段はOLをしているので、まずは経営であったり、広報の手伝いからやっていこうと考えています。
――会社員で、モデルに加えて伝統工芸となると大変ですね。
水谷 ただ今働いている会社の仕事にもすごくやりがいも感じています。大学を卒業して、第一志望で入った会社なので、今の仕事も大事にしたいなと考えています。
――今回、中継に映ったことで注目度も上がったのかなと思うのですが、芸能活動への憧れはあったりしますか。
水谷 同年代の志田未来さんのドラマ『女王の教室』を見て、その演技力や笑顔の綺麗さに憧れて、一時期オーディションを受けていた頃がありました。ただ、その後に陸上の方が楽しくなっちゃって、そちらに打ち込みました。今回SNSで話題にしていただいたことを、今後どう繋げていけばいいのかなとは考えています。今やりたいことはモデルが一番なので、可能性があるのなら、ファッション誌に出てみたいなと考えています。
――最後に今後の目標を教えてください。
水谷 10月18日に東京で開催されるファッションショー「ジャパンクチュールファッションワールド」に出演するのですが、このショーは世界を目指すモデルのオーディションにもなっていて、選ばれるとミラノコレクション、パリコレクションに出演できるチャンスがあるんです。今はそこを目標に、モデルのウォーキングレッスンを受けたり、体重も5kgぐらい落としたりと全力で頑張ってます。

●水谷百花
1996年生まれ 三重県出身
身長170cm
○小学校時代から陸上を始め、全日本女子駅伝などに出場。2020年「ミスなでしこ日本」準グランプリ、2021年「ミスワールドジャパン」ファイナリスト」。現在はモデルとして活動する一方、会社員としても働くほか、建具店「建政 水谷建具店」の4代目でもある。
公式Instagram【@mm0330mr】
公式X【@momo_5587】

取材・文・撮影/徳重龍徳