真ん中から新日本プロレス エル・デスペラード選手、燃え殻氏(左)、爪切男氏(右)
『ボクたちはみんな大人になれなかった』の燃え殻、『死にたい夜にかぎって』の爪切男の意外な共通点、それは『キン肉マン』!!
希代のストーリーテラーふたりが11月分の『キン肉マン』連載を甘く、そして辛く批評。
さらに今回は、2021年12月13日(月)発売『週刊プレイボーイ』52号と同日配信の『週プレNEWS』配信の本コラムに出演していただいた、新日本プロレス エル・デスペラード選手が再び登場。
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―今回の「先月の肉トーク」テーマ―
第511話 うなだれるテキサスブロンコ!!の巻(11月10日更新)
第512話 声を大にして言えること!!の巻(11月17日更新)
第513話 テキサス流フルコース!!の巻(11月24日更新)
あらすじ
世界各地で同時開催された五大刻との一大決戦も、いよいよテリーマンvsエンデマン戦を残すのみ。今回も、ジャイアントハンターを名乗るに相応しい相手との対戦となったテリーマン。バベルの塔に散ったジェロニモの思いも背負い、倍ほどの大きさのあるエンデマンに立ち向かう
爪切男(以下、爪) 最近は、キン肉マンの連載のほうは追っておられます?
エル・デスペラード(以下、デスペ) はい、もちろん。でもテリーマン、やっぱり、巨漢と闘っているイメージが強いですよね。昔のザ・魔雲天(マウンテン)戦とかもそうだし。
爪 そうそう。
燃え殻(以下、燃) やっぱりテリーマンは、容赦なくやられるところが画になる、というのが、ゆでたまご先生の中であるんでしょうね。
爪 そうかも。たとえばネプチューンマンなら、ここまで攻め込まれる展開ないし。
デスペ 『キン肉マンII世』の時、テリーマンが息子のテリー・ザ・キッドに、「うちの家系は身体に恵まれているわけじゃないから、地味なテクニックが必要なんだ」って言うようなシーンがありましたもんね。読んだ当時は「これで体格が恵まれてないのか」って思いましたけど。
燃 (笑)。
爪 体格差がすごくある相手と闘うのって、プロレスならではの醍醐味ですもんね。昔はPRIDEもそういう試合を組んでたけど、今の総合格闘技は、ちゃんと体重別に分けられてるし。
デスペ ゴツいが正義、っていうのは、確かにプロレスの世界独特かもですね。
爪 デスペさんも、体格差がある相手とも闘うようなことは?
デスペ いや、それを言い出すと、同期はファレなもんですから(※ドン・ファレ。193cm、170kgのトンガ出身のレスラー)。
燃 ああー!
デスペ ヤングライオン時代にファレとやってたんで、体格差はあってあたりまえだった。最近だと......この記事が出るのは、ちょうど終わった頃だと思うんですけど、「ワールドタックリーグ」(※12月14日(日)に優勝決定戦が行なわれた)っていうヘビー級の大会があって。
爪 はいはい、毎年恒例の。
デスペ で、今年は僕、石川修司選手(フリー)と組むことになったんです。195cm、130kgだったかな。もとはといえば、佐々木大輔(DDTプロレスリング)の20周年記念興行で、僕と佐々木大輔vs石川修司とアントーニオ本多(フリー)、っていう試合があって、ほんとに見上げましたよ、石川さんを。胸をドンって当てたら、それが石川さんのヘソのちょっと上くらいで、(笑)。
(※ワールドタッグリーグでの優勝は逃したが、デスペ選手と石川選手のシングル戦が約束された)
爪 キツそうですねえ。
デスペ 闘えはするんですけど、投げるイメージは一切湧かないです。だから、テリーマンにシンパシーを感じることはよくあります。この後のタッグリーグは体格差だけの大会なんで、イヤだなあと。1.4のカードも、もう決まっているというのに。
テリーマンの試合はいつも死闘(JC11巻)
燃 前にオカダ・カズチカ選手と闘った時も、体格差の分、身体に残るダメージが全然違う、という話をされていましたよね。
デスペ 違いますねえ。ちゃんと質量の違いを感じるというか。ヒットロープ(ロープに振る)してから、胸と胸でぶつかるタックル、あるじゃないですか。走り込んで、インパクトの瞬間に踏み込んで、っていう技術と、ロープから返ってくる勢いで相手を倒す、っていうふうに僕らはやるんですけど。
石井(智宏)さんみたいに、背は小さいけど体重がある、その上、ヘビー級で闘うのがあたりまえになっている人でも、インパクトの強さが違うんですよ。ヒットロープしてるほうが強いはずなのに、二歩踏み込んだだけの石井さんが相手を倒す、っていうことがありえる。
この前も、自分と後藤(洋央紀)選手で、ハートリー・ジャクソン選手を、ふたりでロープに投げたら、そのままクローズライン(※いわゆるラリアット)を食らって。僕、前向いた瞬間に当たったもんで、受け身も取りきれず、首がメリメリ! って。
燃・爪 うわぁ......。
デスペ ハートリー、プロフィールでは135kgだけど、もっとあるような気がする。全日本(プロレス)さんの選手って、受け身の練習を見てると独特で。新日本って必ずこうなんですけど(両腕でマットを叩いて衝撃を逃がす)、全日本さんってこういう受け身も取るんですよ(顎を引いて両腕で後頭部を抱えて守る)。
爪 全日は「デカい選手が闘う」っていう伝統がありますもんね。
デスペ そう、昔から大きい外国人が多いから、そもそも文化的に受け身が違うんじゃねえかな、って僕は思ってて。デカい人を相手にするには、新日本育ちの人間としては、工夫しなきゃな、という気はしてます。じゃないと、タックルだけで気絶する可能性があるので。
【テリーマンに"似合う"柔術技】燃 まさに、第511話のテリーマンと同じ。「やはりデカイな...ジャイアントハンターだなんて呼ばれて...いい気になっていたが...」。
デスペ 「いよいよヤキが回ってきたのかも...しれ...ない...」。この言い回しが、僕もう、しびれちゃって(笑)。弱音なのにカッコいい。昭和の映画みたい。
爪 そこでアシュラマンが出てくるところも、昭和の映画ですよ(笑)。
燃 お客の真ん中を歩いてくる。で、アシュラマンに喝を入れられたテリーマンが、次の第512話で反撃に転じる。
ジェロニモを引き合いにテリーマンを励ますアシュラマン(第511話より)
爪 この回のテリーマン、思っていたことを全部吐き出してますよね。
燃 爪さんと僕がよく言っているんですけど、最近の連載で、ゆでたまご先生が『キン肉マン』という物語の総括をやろうとしているのではないか、と。
デスペ ああ、だからこの回で、新幹線を止めたエピソードも出てきた。
燃 そうなんですよ。テリーマンのこれまでのベスト・エピソードをすべて登場させる一戦にしたいのかな、っていう感じがして。
デスペ 確かに、回顧しようがない。でも、でっかいエンデマンがタックルして来るのを、テリーマンが受け止める画で、後ろに新幹線が。なるほど! と(笑)。
『キン肉マン』ファンなら誰もが納得のテリーマンの新幹線シーン(第512話より)
爪 キン骨マンに左脚を撃たれたシーンも描かれてますしね。
デスペ 義足を外した状態で、トレーニングしているシーンも。で、テリーマンに反撃されたエンデマンの身体が、リセットされて元の形に戻っていくのも、すごい。エンデマンが元の身体に戻ったところを改めて見ると、すげえ野暮ったい超人なんだなって思いますよね。
燃 こういう形状の超人たちっていたじゃないですか。サンシャイン、プリズマンとか。そういう要素も入ってるな、って思って。
爪 で、テリーがクローズドガード(※ブラジリアン柔術などで使われる、脚を組んで相手を脚の中に閉じ込めるガード方法)で受け身を取る。
クローズドガードを取り入れているテリーマン(512話より)
燃 嶋田先生の柔術の実践が反映されている。
爪 で、最後のページで「テキサストルネード・リバース・ショルダークラッシュ」をエンデマンに極める。
デスペ これ、完全に、柔術でいうオモプラッタ(※ポルトガル語で肩甲骨の意味。相手の片方の腕を自分の両足で挟み込み、自分の体を相手の肩の上に乗せるようにして、肩関節をロックする技)の形から入っているんですよね。
燃 だから、柔術とプロレスの融合がすごくうまいですよね、先生。
爪 最新型ですよね、いつも『キン肉マン』って。それがすごいんだよな。
デスペ ただ、嶋田先生が実際に柔術をされているから、こういうテクニックが作品に取り入れられるのもわかるんですけど、その技がちゃんとそのキャラクターの特性に合っているからいいんですよ。
燃・爪 ああー!
デスペ バッファローマンがオモプラッタを使っても、あんまり......じゃないですか。だから、ちゃんとキャラに落とし込んでるのが、いいなって思います。
【"似合う"技を見つけるための試行錯誤】燃 たとえばプロレスでも、自分で技を開発したり、新しい技を身につけたりした時に、デスペさんが、後輩のレスラーなどに「いや、その技向いてないんじゃないの?」って言ったりすることもあるんですか?
デスペ 僕はけっこうはっきりしたい人間だから、言ったことは何回かあります。まあ、「めんどくせえな」って思われて終わりだろうけど。自分で作った技でも、やってるうちに「いい技だけど今は似合わない」っていう。鈴木(みのる)さんが大元なんですけど、そこはすごく大事。
燃 そうか、「似合わない」か、なるほど。
爪 それで思い出したんですけど、「ファイヤープロレスリング」(※1989年にPCエンジン用に発売された家庭用ゲーム)で、エディット・レスラー(※プレイヤーがオリジナルのレスラーを作れるモード)を見たら、そいつのセンスがわかるっていうのがあって。
デスペ ああ!
爪 デスペさんが言ったみたいに、派手な技ばっかり入れてる人は、「あ、そういう人なんだ」っていう。その選手のテーマを考えて、キャラクターを作っていかないとと思うんですよ。「この人の試合スタイルでは頭突きは絶対にしないだろう」とか「でも隠し技のところに意外な関節技を入れたら、そういうバックボーンがあることがわかる」とか。自分がガキの頃のゲームって、すごいわかったじゃないですか。
ファミスタとかやってても、「こいつほんとつまんないヤツだな」とか(笑)。うまいのはわかるけど、一球ぐらい相手が打てる球を投げなよ、みたいな。
デスペ (笑)。
燃 バットを短めに持つヤツとかね。そんなにおまえは勝ちたいのか、と(笑)。でもほんと、さっきの「今は自分に似合わない」って、いい言葉ですね!
爪 たとえばノアの清宮海斗選手とかは、それと闘っていますよね。武藤(敬司)さんの技を受け継ごう(※シャイニングウィザード、ドラゴンスクリュー、足四の字など)として、「そうじゃないんじゃないか」みたいな反応があることもわかりつつも、使っていっている。そういうの、大変だと思いますよ。
デスペ 技を受け継ぐ、は大変だと思います。うちの海野翔太は、本当に、生まれた時から天龍(源一郎)さんが近くにおられたりしたので(※)、天龍さんにリスペクトを持って、コーナーでのチョップとパンチを使っているんですけど......。
(※)海野翔太選手のお父様は、新日本プロレスレフェリー・レッドシューズ海野さん
爪 ああ、そうですよね。
デスペ 翔太の気持ちはすごくわかるんですよね。でも、天龍さんの直系のお弟子さんの石井(智宏)さんが、今、新日本にいるわけだし「今はそれをやるのはどうだろうかな」っていうのは、1、2回話したことがあります。
燃 あ、話したんですね。
デスペ うん。いつ自分に似合うかは誰にもわからないですけど。。
燃 でもほんと、その客観的な目線があるかないかって、すごい大事ですよね。だって、石井さんの背中には見えますもんね、天龍さんが。
爪 うん、WARイズムが見える。
燃 という人が同じ団体にいるとね。っていうのも、プロレスの難しいところですよね。その技が効くのかではなく、キャラクターに合っているかが、お客さんにジャッジされてしまう。
デスペ そうそう。だから、清宮海斗選手なんて、武藤さんからものすごいレガシーを受け継いでるのに、お客さんがスイングしていない。でも、そこを認めさせなきゃいけない、彼の今の闘いは、すごく大変だろうなと思います。
燃 そこで清宮選手が頑張って、その現状を乗り越えるっていうストーリーを見たい人もいるだろうし、やめたほうがいいと思う人もいるだろうし、難しいなあ。
デスペ ジェロニモってテリーマンの直系の後輩じゃないですか。で、基本的にテリーの技はやらない、でもつながりは感じる。
爪 確かにそうだ。
デスペ っていうのさえあれば、いいんじゃねえかな、って思ってるんですけど。
爪 そういえば最近、成田蓮さんは「地獄の断頭台」を使っていますよね。
デスペ ああ、あれは、今は右足だけですけど、そのうち左足を添えるようになるかもしれないですね(笑)。
燃 はははは、完コピして。
デスペ ただ彼も、マジで『キン肉マン』大好き人間なんで。新日本、多いんですよ。石森(太二)さんとか、あとロビー・イーグルスとか。ロビーは確か、『アルティメット・マッスル』からだから、『キン肉マンII世』から入ってるんですよね。出身のオーストラリアで放送されていたものを観て。
燃 じゃあ、新日本と『キン肉マン』がコラボしてるなんて、たまらないでしょうね。
デスペ めちゃめちゃうれしいんじゃないですか? 石森選手なんて、ブロッケンJr.と、その弟子のジェイドが大好きで。1・4の東京ドームで、IWGPジュニアヘビー級王座の次期挑戦者を決める3WAYマッチが、勝手に決まりそうになってたから、「俺も出せ」って言いに記者会見に行ったんですけど。その時、石森さん、ジェイドのTシャツ着てましたからね(笑)。ゆでたまご作品、全部持っています。『闘将!!拉麵男(たたかえラーメンマン)』とかも。
爪 『スクラップ三太夫』も。
燃 『ゆうれい小僧がやってきた!』も。
デスペ 持ってるんじゃないかな(笑)。
爪 でもほんと、来年の1.4の4WAYマッチ、楽しみですね。デスペさん、石森選手、藤田晃生選手、SHO選手。この鼎談は、その直前にアップされるんですけど。
デスペ その頃の僕に言えることは、その前の「ワールドタッグリーグ」で、怪我をしてないかどうかが心配、っていう(笑)。
【東京ドームに立つということ】
燃 ドームでの試合っていうのは、どういうものですか?
デスペ ドームって僕、コロナ禍の時の、発声禁止で歓声ゼロの時が、いちばんラクだったんです。お客さんに見せて、お客さんが喜んでくれなきゃ成立しない仕事なんですけど、僕はそこまで、お客さんどうこうっていうのには興味なくて。喜んでくれたらいいな、っていうのは、もちろんあるんですけど、お客さんが「声出しちゃいけません、反応しちゃいけません」っていう中でやるプロレスって、自分が表現したいことを、相手を使って延々とやる、相手の表現したいことも僕の表現したいこともできる。
そういう表現の場で、闘いの場だから、すごく自由だったんですよね。誰も声出さないから、僕らの声も会場中に聞こえるし、100パーセント僕と相手の世界で。でも試合中にお客さんひとりが大声を出すと、必ずそれが連鎖する、そうすると僕の言ってることってかき消されるから。最近しゃべんなくなったのは、そこで。
爪 なるほど。
デスペ 僕、好きなのが、新宿FACEとか、新木場1st RINGとかの小さい会場で。リング上で僕がブツブツつまらんことを言うのもお客さんに聞こえる、お客さんのリアクションもめちゃくちゃ速いところがいいんですよね。
ドームの場合、反応がディレイ(遅れて)で届くから。ワンテンポ遅れて入ってくると、すごく気持ち悪くて。僕が見てきた中で、あれをちゃんと楽しめる新日本の選手って、棚橋弘至で、中邑真輔で、オカダ・カズチカで、内藤哲也なんですよね。あの人たちってすげえなあと思います。
爪 今回のドームは、棚橋弘至選手の引退と、ウルフアロン選手のデビュー戦というトピックがありますけど。
デスペ ウルフアロンなんて、地球で柔道をさせたら一番強い男じゃないですか。もう、絶対相手にしたくない(笑)。だってこの間、HOUSE OF TORTURE(※)の暴行を止めるためにリングに上がってきて、(高橋)裕二郎さんを払い腰で投げて。世界でいちばん強い払い腰、逆に受けてみたいわ、と思って(笑)。身体の軸がすごいというか、さっきまで立っていた姿勢のまま投げてるような。達人ってこうなんだ、受け身取りにくいだろうなあ、と思いながら。あの相手はEVILしかいないと思いますよ。
(※)HOUSE OF TORTURE(ハウス・オブ・トーチャー)...新日本プロレスの今最もやりたい放題のヒールユニット。EVIL(リーダー)、ディック東郷、高橋裕二郎、SHO、金丸義信、成田蓮、SANADA、DOUKI、チェーズ・オーエンズ、ドン・ファレがメンバー
燃 棚橋さんの引退試合はいかがですか?
デスペ 相手がオカダ(・カズチカ)さんじゃないですか。棚橋さんが引退を言い出した時に、それこそ、グレート-O-カーン、海野翔太、成田蓮、辻陽太、上村優也、大岩陵平とか、ああいう次の世代に、引退試合で何かを引き継いでいって、希望としては、棚橋弘至は負けて引退してほしいな、って思ってたんです。僕は、プロレスラーの引退って、そういうもんだと思ってるんで。
燃・爪 はい、はい。
デスペ ただ、それって会社を軸にした選手の引退なんですけど、棚橋弘至を軸にした引退、っていう物語として見ると、やっぱりここはオカダ・カズチカ、中邑真輔、内藤哲也、この誰かであるべきだろう、って思っていたので。オカダさんが来てくれたのは、すごくうれしかったっすね。
爪 ですよねえ。
デスペ それで、本当は負けて引退、ってさっき言ったんですけど、ここまで来たら、勝って引退してくれ、っていう気がして。棚橋さんって、コンディションは完全じゃないけど、もう動けなくなったから引退します、じゃなくて、社長業に専念します、っていうのにウエイトを置いた引退じゃないですか。
燃 そうですよね。
デスペ だから、昔、(高橋)ヒロムが棚橋さんに「強いまま引退してくれよ」って言った時は、「プロレスラーが引退ってのは、弱くなったからに決まってるじゃん」って思ってたんですけど、今は、高橋ヒロムの言ってたとおりに、強いまま引退してほしいな、っていうのがあります。
爪 いや、ほんと、楽しみですね。
燃 今回、僕のまわりでも、「え、プロレス好きだったの? 知らなかった」みたいな人たちが、「棚橋、引退なんでしょ?」ってチケットを買ったりしてるんですよ。
爪 うん。棚橋さん引退で出てくる、隠れプロレスファンが。
デスペ プロレスファン、隠れがちですからね(笑)。
●エル・デスペラード(El Desperado)
身長、体重、出身地など、すべてが謎に包まれた正体不明のマスクマン。2014年、ナゾのマスクマン、エル・デスペラードとしてデビュー。2021年にIWGPジュニアヘビー級王座を初戴冠。2024年には、自身のプロデュース興行「DESPE-invitacional supported by ROLLING CRADLE」を後楽園ホールで開催。チケットは即完売となった。新日本プロレス以外の選手との交流も多く、プロレスの新時代を築く男との期待の声もある。2026年1月4日に行なわれる「サンセイアールアンドディpresents WRESTLE KINGDOM 20 in東京ドーム 棚橋弘至引退」では、第4試合のIWGPジュニアヘビー級王座 次期挑戦者決定4WAYマッチで、石森太二、SHO、藤田晃生の3選手とぶつかる
●燃え殻(MOEGARA)
1973年生まれ、神奈川県出身。働きながら始めたツイッターでの発言に注目が集まり、作家デビュー。『ボクたちはみんな大人になれなかった』(新潮社)、『すべて忘れてしまうから』(扶桑社)、『明けないで夜』(マガジンハウス)など多数の著作がある。最新著は『これはいつかのあなたとわたし』(新潮社)。群像Webでは「湯布院紀行」の漫画連載もスタート。また、『GetNavi web』にてコラム「もの語りをはじめよう」を連載中。ラジオ番組 『BEFORE DAWN』(J-WAVE、毎週火曜26:30~27:00)もチェック
●爪切男(TSUMEKIRIO)
1979年生まれ、香川県出身。2018年『死にたい夜にかぎって』(扶桑社)で小説家デビュー。2020年、同作が賀来賢人主演でドラマ化。『きょうも延長ナリ』(扶桑社)美容と健康にまつわるエッセイ『午前三時の化粧水』も発売中。ドライバーWebで『横顔を眺めながら ~爪 切男の助手席ドライブ漂流~』を連載中。主演:木村昴でのドラマ放送でも話題となった『クラスメイトの女子、全員好きでした』が文庫化。最新著は、『愛がぼろぼろ』(中央公論社)
取材・文/兵庫慎司 撮影/鈴木大喜 ©ゆでたまご/集英社

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