【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】アロンソ、ハミルトン、"...の画像はこちら >>

「アロンソ選手とホンダがともにF1チャンピオンを獲ってくれたら最高ですね」と語る堂本光一

連載【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】RACE41

各チームのマシンの競争力が拮抗し、毎レース接戦が繰り広げられた2025年シーズン。しかし、新しいマシンレギュレーションが導入される2026年は車体、パワーユニット(PU)、タイヤのすべてが大きく変わる。

さらにGM(ゼネラルモーターズ)やアウディの新規参戦に加え、アストンマーティンはホンダと、レッドブルはフォードと新たにタッグを組むなど、各チームの体制にも変化があり、勢力図がシャッフルされる可能性が高い。

各チームは現在マシンの最終調整を行なっており、1月下旬にはスペインのバルセロナでウインターテストが始まる。果たして、どんなマシンが登場し、どのチームとドライバーが速さを発揮するのだろうか。

* * *

【どん底から頂点に立ったマクラーレン 】

2025年シーズンのドライバーズ・チャンピオン争いは最終戦までもつれましたが、コンストラクターズ選手権はマクラーレンが圧勝でした。

2連覇を達成できたのはマシンの速さはもちろんですが、やっぱりランド・ノリス選手とオスカー・ピアストリ選手のふたりがそろって安定してポイントを稼いでいたのが大きかった。

マクラーレンは最終的にシーズンを通して833ポイントを獲得し、ランキング2位のメルセデスに360ポイント以上の大差をつけました。

マクラーレンが強くなったのは2020年シーズンの前後からです。最近、2020年以前のマシンの写真を久しぶりに見たのですが、成績が低迷していたこともあり、オレンジ色のカラーリングにスポンサーがまったくついていません。

そうした状態から、数年でチャンピオンチームになるまでによく持ち直したなと思います。2018年からマクラーレンの最高経営責任者(CEO)となり、チームを率いてきたザク・ブラウン氏の手腕は大きいのでしょうね。

マクラーレンに続くコンストラクターズ・ランキング2位の座を巡ってメルセデス、レッドブル、フェラーリの3チームが僅差で競り合っていましたが、最終的にメルセデスが2位の座をつかみ取りました。

シーズン終盤のメルセデスは安定して速かった。

2025年にデビューした新人のキミ・アントネッリ選手が好調だったことが証明していると思いますが、マシンがすごく乗りやすいのでしょう。

メルセデスもマクラーレンと同様によくここまで持ち直してきたなと感じます。2014年からコンストラクターズ選手権で8連覇という偉業を達成したメルセデスは、グラウンドエフェクトカーが採用された2022年、"ゼロポッド"と呼ばれる革新的なデザインのマシンを投入してきました。

サイドポッドを極端に小さくし、空力の向上を目指しましたが、パフォーマンス不足に悩まされます。結局、メルセデスはわずか1年半でそのコンセプトを破棄し、オーソドックスなデザインのマシンを投入することになります。

その影響でメルセデスはライバルにおくれを取り、低迷しますが、そこから着実に競争力を上げてきました。やっぱりこのチームには根本的に技術力があると感じました。

【フェラーリの浮上を期待】

マシンのレギュレーションが一新される2026年シーズンは、ワークスのメルセデスやフェラーリが強いと思います。これまでもマシンの規則が大きく変わった際はパワーユニット(PU)の出来が鍵を握りましたが、今回もそうなると予想しています。

メルセデスやフェラーリは2025年シーズン後半、開発のリソースを2026年に振り向けていたのは明らかなので、やってくれそうな気がします。特にフェラーリは頑張ってほしい。

フェラーリは2020年から始まったグラウンドエフェクト時代に結局、一度もチャンピオンになれなかった。

ホンダとメルセデスのPUを搭載したチーム、ドライバーしかタイトルを獲得できなかったので、フェラーリファンとしては悲しかった。

2025年シーズンのフェラーリはルイス・ハミルトン選手が加入し大きな注目を集めましたが、結果的に7度の世界チャンピオンは本来の力を発揮できず、すごく苦しんだ。決勝レースでの最高順位は4位で、シーズンを通して一度も表彰台に上がれなかったのは19年のキャリアで初めてのことです。

【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】アロンソ、ハミルトン、"同世代のおじさん"頑張れ!!
フェラーリ移籍1年目は表彰台ゼロと不本意な結果に終わり、「最悪のシーズン」と振り返るハミルトン。2026年1月7日に41歳になった7度の世界王者にとって今シーズンは勝負の年になる

フェラーリ移籍1年目は表彰台ゼロと不本意な結果に終わり、「最悪のシーズン」と振り返るハミルトン。2026年1月7日に41歳になった7度の世界王者にとって今シーズンは勝負の年になる

2026年には新しいレギュレーションが導入され、マシンは全面的に変わります。それをきっかけにしてハミルトン選手には復活してほしいですね。

【新規参戦チームは苦戦が必至!?】

ホンダとのパートナーシップが終了したレッドブルはフォードと新たに手を組んで自分たちで開発・製造したPUを搭載したマシンで戦います。チームの首脳陣も認めていますが、F1のPUの開発は簡単なものではありませんし、シーズン序盤から十分に戦えるPUを用意できるかは未知数です。

レッドブルはジャガーを買収して2005年からF1に参戦していますが、デビューの頃ぐらいの成績(コンストラクターズランキング7位)になるんじゃないかなと予想しています。ただ、あまりに苦戦が続くと、「もう今年のレースには出ない」とフェルスタッペン選手が休養......なんてこともあり得るんじゃないかと。

これまでのフェルスタッペン選手の戦いぶりを見ていると、満足にポイントも取れないようなレースに出場し続けるとは思えません。そうなったら、すぐにでも勝てそうなワークスチームのメルセデス、フェラーリ、アストンマーティン・ホンダに移籍するために動きそうな気がします。

だからレッドブルは角田裕毅(つのだ・ゆうき)選手をテスト兼リザーブドライバーとしてチームにとどめておきたかったのかなと思います。新シーズンは、レッドブルのマシンの競争力次第でいろいろな動きがありそうなので、注目ポイントです!

2026年はGM(ゼネラルモーターズ)がキャデラック・ブランドで新規参戦し、全11チーム22台で争われます。アウディもザウバーを買収して、自社製のPUを搭載したマシンでワークスとして初参戦しますが、新規参入の2チームにとっては厳しいシーズンになるかもしれません。

あのメルセデスも、2009年に55年振りにワークス復帰したときは鳴かず飛ばすで、当時ステアリングを握っていたミハエル・シューマッハ選手は長く苦しい時間を過ごしました。結局、メルセデスが初勝利を挙げたのは3年目の中国GPでした。

ホンダも2015年にマクラーレンと組んで復帰しましたが、最初の3年間はトラブルが続出し、完走さえままならないレースが続きました。ホンダが初勝利をあげたのは、マクラーレンと別れ、新たにレッドブルに組んだ後の2019年のオーストリアGPです。

【ホンダへの敬意と26年への期待】

ホンダとレッドブルのパートナーシップは2025年シーズン限りで終了しましたが、素晴らしい成績を残しました。アイルトン・セナ選手やアラン・プロスト選手らが活躍した第2期(1983年~92年)も歴史に残る強さを発揮しましたが、あの時代はエンジンに対する比重が大きかった。

ライバルを性能面で大きく上回るホンダ・エンジンを搭載するウイリアムズやマクラーレンが大活躍し、5年連続でドライバーとコンスラクターのダブルタイトルを獲得。1988年シーズンには、セナ選手とプロスト選手がドライブするマクラーレン・ホンダが全16戦中15勝を挙げました。

現代のF1は各チームの競争力の差が少ないですし、車体、エンジン、ドライバーの総合力で競い合う時代です。

それでもレッドブルとホンダは2023年に22戦中21勝という成績を上げ、2年連続となるダブルタイトルを獲得。2024年にはフェルスタッペン選手がドライバーズタイトル4連覇を達成しています。

「セナプロ時代」もそうですが、フェルスタッペン選手という偉大なドライバーがホンダとともに戦い、これだけの成績を残したことは、日本のファンにとっても本当に誇らしいことです。

そしてホンダは、2026年からアストンマーティンと組み、2度の世界チャンピオンに輝くフェルナンド・アロンソ選手とともに戦います。今年45歳になるアロンソ選手とホンダがともにF1チャンピオンを獲ってくれたら最高ですね。ぜひ見たい。

【堂本光一 コンマ一秒の恍惚Web】アロンソ、ハミルトン、"同世代のおじさん"頑張れ!!
通算32勝を挙げるアロンソだが、2013年のスペインGP以来、200戦以上も勝利から遠ざかっている。大きなルール変更が実施される26年を好機ととらえ、「勝ちたい」と意欲を見せている

通算32勝を挙げるアロンソだが、2013年のスペインGP以来、200戦以上も勝利から遠ざかっている。大きなルール変更が実施される26年を好機ととらえ、「勝ちたい」と意欲を見せている

ここ数年は角田選手を中心にF1を見てきましたが、2026年はアストンマーティン・ホンダとフェラーリの活躍にも期待したい。特に同世代のアロンソ選手とハミルトン選手のふたりには頑張ってほしいです!

☆取材こぼれ話☆

2026年シーズン、光一が"推す"フェルナンド・アロンソ選手はスペイン出身の44歳。2001年にF1デビューし、ルノーに所属した2005年と06年に2年連続でチャンピオンに輝いた。

2018年シーズン限りでいったんF1を離れ、ルマン24時間レースやアメリカのインディカー・シリーズに参戦していたが、2021年にF1に復帰。現役最年長となった現在も活躍している

「これまでアロンソ選手はいろんな時代のF1マシンに乗ってきました。

時には苦しいチームにいたこともありましたが、常に所属したチームの持つ力以上の結果を出してきました。そこがアロンソ選手の強さだと思います。

若き日のルノー時代のようなギラついたところはないですが、今でも十分に速い。2025年シーズンの後半戦も安定感のある、いい走りをしていました。アストンマーティン・ホンダがこれまで以上に戦闘力を発揮できるマシンだったら絶対に勝てるチャンスは来ると思うので、2026年のレースが本当に楽しみ。"同世代のおじさん"頑張れ!」

スタイリング/渡邊奈央(Creative GUILD) 衣装協力/AKM ヘア&メイク/大平真輝

構成/川原田 剛 撮影/樋口 涼(堂本氏) 写真/桜井淳雄

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