来月の衆院解散&総選挙、「高市自民」は維新と別れて国民民主と...の画像はこちら >>

物価高対策、成長戦略、外国人問題、日中関係など、山積みの課題にどう対処するか。高市政権の手腕に注目したい

2026年は、新政権の真価が問われる! 微妙に仲が良くなさそうな自民党と日本維新の会の連立の行方。

バチバチに険悪になってしまった日中関係をさらにマズくする新たな火種。そして国民が一番の関心を寄せる、経済対策のメニューは?

今年の高市政権はどうなっちゃうのか、マジ予測!

【ようこそ国民民主、さよなら維新】

今年、高市早苗政権は連立の組み替えに動くことになるかもしれない。野党陣営にとどまっていた国民民主党との距離を急速に縮める一方で、連立パートナーである日本維新の会との間で秋風めいたものが吹き始めているためだ。

全国紙政治部デスクが言う。

「その象徴が、昨年12月18日に行なわれた高市首相と国民民主の玉木雄一郎代表の党首会談です。そこでは、所得税の納付が必要になる年収額、通称『年収の壁』を160万円から178万円に引き上げることで合意しました。

これは国民民主がかねて主張してきた政策であり、その宿願をようやく実現したことを意味します。

ただ、この会談で見せた国民の玉木代表の笑顔があまりにも晴れやかすぎて、政治部記者の間でちょっとした話題になりました。顔に『そのうち連立入りもある』と書いてあるね、と(笑)」

ある自民党議員の秘書も驚きを交えてこう語る。

「しかも、あろうことか玉木代表は野党の党首という立場にありながら、まだ通常国会が始まってもいないのに、26年度の税制改正について、早々と成立に向けて与党に協力したいと宣言した。なんというか、彼は今、すごく〝与党気分〟なのかな、と思いました」

実際、自民にとって国民民主と組むのは悪い話ではない。もし連立できれば、参院で125議席(自民100議席、国民25議席)となり、過半数を回復できるからだ。

「自民内では、国民の連立入りは近いと予測する声が圧倒的です」

その玉木代表の笑顔とは対照的だったのが、維新の藤田文武共同代表の渋い表情だ。維新は自民と連立を組むにあたり、衆院定数削減の実現を絶対条件としている。

「ただ、定数削減をすれば自分の選挙に悪影響が出ると心配する自民内の抵抗が強く、昨年の臨時国会中に法案として仕上がるかどうか最後まで見通せなかった。

すったもんだの末、ようやく小選挙区25、比例区20削減で折り合った法案も、時間切れで一度も審議されることなく今年の通常国会へと先送りとなりました。

これに藤田共同代表は『なぜ審議できなかったのか? 自民の皆さんには胸に手を当てて考えてほしい』とご機嫌斜め。しかも、それで収まらなかったのか、昨年末の講演会では『現時点では自民との選挙協力はできない』と断言した。

今や自民と維新の関係は、秋風が吹くというレベルを通り過ぎ、険悪と言ったほうが正しいかもしれません」(前出・全国紙政治部デスク)

とはいえ、今月23日からスタートする通常国会で一気に自維連立が崩壊するというわけでもなさそうだ。経済産業省の元官僚・古賀茂明氏がこう予測する。

「維新が連立入りした本当の狙いは大阪府を副首都とする『副首都法案』の成立で、自維連立の合意文書では『令和8年(26年)通常国会で成立させる』となっている。これを実現させるまでは維新は辛抱して連立を維持するはず。

だから、あるとしたらまずは連立の拡大。自維連立に国民を加えることで安定政権をつくろうとするでしょう。

ただ、副首都構想や定数削減の重要法案が自民の非協力的な対応で成立の見通しが立たないときには、イラだった維新が連立離脱をちらつかせるでしょう。

それに対して高市首相が国会会期末にかけて、あるいは秋の臨時国会で解散・総選挙を断行すれば、自民と国民民主は議席を増やせる可能性がある。そこで国民民主を加えた新しい連立を組む、というシナリオは十分にありえます」

【護衛艦輸出で日中がさらに険悪に?】

連立の行方とともに注目されるのが対中関係の行方だ。高市首相の〝台湾有事〟発言以来、対中関係は悪化の一途をたどり、改善の兆しが見えない。防衛ジャーナリストの半田滋氏がこう予測する。

「日中関係は高市首相が昨年11月の国会答弁を撤回しない限り、好転しません。しかし、首相に撤回の気配はなく、世論も6割以上の人々が高市発言を支持している状況です。間違いなく日中の対立は長期化する。少なくとも今年いっぱいは日中関係が改善することはないでしょう」

半田氏が懸念するのは日中の偶発的衝突だ。

米中の軍用機が中国・海南島付近の南シナ海で空中衝突し、中国機が墜落、米軍機は海南島に不時着し、パイロットが拘束されるというトラブルが発生したのは2001年4月のこと。俗にいう海南島事件である。

「この海南島事件と同じようなアクシデントが日中間で起きないかと心配しています。

日本に対する中国の圧力は渡航自粛や水産物の輸入再開ストップなどの経済面から軍事面へとエスカレートしている。

そのため、中国機が日本領海付近に飛来し、自衛隊機がスクランブル出動するケースが増えるはず。そのときに異常接近した両機が接触し、機体損傷や墜落というトラブルになってもおかしくない。

中国の軍用艦から自衛隊機にレーダー照射という事態もありえる。ちょっとした挑発や偶発的なアクシデントが深刻な事態につながるのが軍事の世界だけに心配です」

高市政権が進める防衛装備移転三原則の運用方針における5類型の撤廃方針も日中の火種となる。これまで政府は救難、輸送、警戒、監視、掃海の5つの分野に限って防衛装備の輸出を認めていた。そのルールをなくし、殺傷能力のある装備も輸出できるようにするというものだ。

「この5類型撤廃は法律ではないので、国会の同意を得ることなく、閣議決定だけでできる。自民と維新は通常国会中の撤廃で合意しており、早ければ今年4月にも閣議決定を経て、殺傷能力のある武器を輸出できるようになるはず」(前出・政治部デスク)

そしてこの決定により、ある国家間のビジネスが前に進むことになる。

「すでに退役が決まった、あぶくま型護衛艦6隻をフィリピン、ベトナム、インドネシアなどが買いたがっています。

護衛艦は5類型ルールに触れるため、輸出には相手国の求める装備を導入するなどの仕様変更を行なって共同開発の形を取る必要があり、それが輸出の足かせとなっていましたが、5類型撤廃でその制限が外れることになります」(前出・半田氏)

問題は、あぶくま型の輸出を中国が嫌がっていることだ。

「フィリピン、インドネシア、ベトナムはいずれも南沙諸島などで中国と領有権争いをしている。

にらみ合っているその3国に日本が護衛艦を売れば、怒りの矛先は当然、日本に向く。中国の反発は必至で、日中関係はさらにこじれることが予想されます」

【問われるサナエノミクスの内実】

高市首相の経済政策パッケージ「サナエノミクス」の評価も政権の行方を左右することになる。サナエノミクスの肝は政府が財政拡大することで経済をインフレ気味にする、いわゆる高圧経済で成長を呼び込もうというものだ。

ただ市場は、この高市政権の成長戦略を疑心しているようだ。

「その表れが日銀の金利引き上げ直後の円安、国債売りの珍現象です。利上げすれば、普通は円高に振れるはず。ところが、実際は155.7円から157.7円へと2円も円安が進み、長期金利も国債が売られ、2.1%へと急騰しました。これは約27年ぶりの高水準です。

この現象が意味するのは、サナエノミクスの財政拡大で赤字国債の発行が増え、政府の借金を増やすだけに終わるのではないかと、市場が不安視しているということ。

26年度予算は122兆円規模に膨らむと予測されている。それに市場が円安、国債安で反応すれば、サナエノミクスは頓挫します」(前出・政治部デスク)

その見極めがつくのはいつか? 「今年6月がその契機になりえる」と指摘するのは前出の古賀氏だ。

サナエノミクスによって日本経済は成長できるのか、それとも成長せずに財政赤字だけが膨らむのか? その見極めには一定の時間が必要だ。

古賀氏が続ける。

「だから、市場はこの6月にまとまる予定の高市政権の成長戦略メニューを見て判断することになるはず。そこに市場を納得させたり、期待させるようなメニューがあれば、サナエノミクスは続く。

ただ、25年度補正予算で危機管理投資・成長投資案件として掲げられた6兆4300億円、17項目のメニューを見ると、総花的かつ各省庁が一度予算要求したものの、あまり効果がないと財務省から突き返されたものを復活させたようなゾンビ予算ばかり。

そう考えると、6月の成長戦略のメニューも補正予算とあまり代わり映えしないものになるのでは? もしそうなら、市場はサプライズなしと失望して日本売りの展開となり、円安、インフレ苦の基調が続くことになるでしょう」

今年の高市政権の行方はその支持率の高さとは裏腹に、波乱含みのものとなりそうだ。

写真/共同通信社

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