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小柄な体格ながら、その勝負強さとキュートなビジュアルで、いま注目度急上昇中のMMAファイター・大井すず。

主戦場とするDEEPJEWELSでは、現在プロ2連勝を飾っている。

レスリングをバックボーンに持つ彼女は、高校時代にインターハイ女子47キロ級で2連覇という偉業を達成。しかし、MMAデビュー前は、一度ギャルに転身するという奇抜な格闘家人生を送っている。

そんな彼女は、いまどんな思いでMMAに取り組んでいるのか。弱冠20歳ながら紆余曲折のある濃厚な彼女の人生を追ってみた。

*  *  *

――プロ2戦にして、すでにミクロ級の注目選手ですね。

大井 ありがとうございます。SNSの力も大きい気がします。所属ジム(和術慧舟會HEARTS)代表の大沢ケンジさんに「3日に1回は投稿しろ」と言われて、苦手ながらに続けていたら、目に見えて反応が増えました。でも正直、最初は試合内容より「顔」を見られているんだろうなって自覚はあります。だって、めちゃくちゃ加工してますから(笑)。

――そこ、自分で言っちゃうんですね(笑)。

大井 でも、応援してくれること自体は本当にうれしくて。

会場でも親戚以外の声援が聞こえるようになったので、「見つけてもらえているな」という実感が湧いています。

――レスリングという強固なバックボーンがありますが、MMAにフィットしてきている感覚はあるんですか?

大井 よく「レスリングが強かったから」と言われますが、私の中では別物だと思っていて。レスリングはレスリングで難しい部分や楽しい分があるし、MMAも難しい部分や楽しい部分がある。MMAは始めてまだ1年。わからないことが多すぎて、逆に「伸びしろしかないな」って。練習の度に課題をクリアしていくのが、ゲームの初期ステージを攻略しているみたいで、今は楽しくて仕方ないです。

レスリング日本一からギャルへ!? 注目の美人MMAファイター・大井すずの奇抜な格闘家人生【前編】
DEEP JEWELS51(2025年11月23日)対:小雪戦より 写真提供/DEEP JEWELS

DEEP JEWELS51(2025年11月23日)対:小雪戦より 写真提供/DEEP JEWELS

――試合で見せる「ハートの強さ」や「パウンドの鋭さ」も話題です。

大井 それ、自分では自覚がないんですよ。練習では「もっとパウンド打て」って怒られるタイプなんです。でも試合になると、自分でも知らないうちにスイッチが入るみたいで。

――試合では「相手のことキライにならないと殴れない」みたいなことも言われてますよね。

大井 私、街中で喧嘩してきたタイプじゃないので。

――いや、それが普通です(笑)。

大井 だから対戦相手のことを「キライになる」と思い込んで、自分を洗脳して戦っているんです。

――大井選手は強さやビジュアルもそうですけど、お父さんが人気放送作家で、THE OUTSIDER第2代王者でもある大井洋一さんであることも注目されています。

大井 お互い特に意識はしていないんですけどね。お父さんは本当に格闘技が大好きなので、私が自撮りとかアップしてると「可愛さで注目されるんじゃなく、ちゃんと強くなれ」って言われます。そういう部分は、めちゃくちゃマジメなんです。

レスリング日本一からギャルへ!? 注目の美人MMAファイター・大井すずの奇抜な格闘家人生【前編】

――レスリングを始めたきっかけもお父さんの影響ですか?

大井 2歳下の弟が保育園で喧嘩ばかりしていたので、お父さんがそのエネルギーをぶつける先としてレスリングをやらせたんです。その見学に連れて行かれた小学1年生の私が、端っこで見ていて「やりたい」と言い出したのが始まりでした。意外と女の子もいたんで、興味がわいたんです。

――直感的に「これ私、強くなれるかも」みたいなのもありました?

大井 いえ、最初の3年間は1回も勝てませんでした。

――えっ、そうなんですか!?

大井 だけど、小3で初めて勝った試合でいきなり全国優勝して。そこから中1まではずっと日本一でした。

その後はコロナで大会がなかったので。

――凄まじい覚醒ですね!  理由はなんだったんですか?

大井 なんなんですかね(笑)。でも週7で練習して、土日は2部練も。小学生にしてはやりすぎなくらい練習していました。

――やはり戦うことが楽しかったんですかね?

大井 そうかもしれないです。勉強も運動神経も普通だった私にとって、レスリングだけが両親の応援に応えられる唯一の手段だったんです。ある意味、それも「洗脳」に近い感覚だったのかもしれません。

――コロナが明け、高校1、2年でインターハイを連覇しました。

大井 私、負けなしだったんです。でもそれ以降、レスリングを辞めちゃって。

――負けなしなのに、なぜレスリングを辞めてしまったんですか?

大井 一言で言えば、不真面目だったんです。もともと高校はレスリングの特待生で入ったんですけど、「スカートを折って、放課後はプリクラ」という普通の高校生に憧れて。

だからアスリートコースじゃなく、普通科に入ったんです。実際、スカートもめっちゃ折って、化粧もちょっと......。今思えばダサかったんですけど。

――遊びたい年頃ですもんね。

大井 当時は親と離れて寮生活をしていたんですけど、そのストレスもあったのかな。自分にも周囲にも反抗して、性格もすごく冷たくなって。もはや友だちにも「私にはレスリングがあるから、友だちは要らない」と思ってたし。結局、学校もレスリングも辞めて、高3からは通信制に転校しました。

――そこからは、かなり荒れた時期もあったとか。

大井 精神的に不安定になって病院にも通っていました。「何もできない自分」を病気のせいにしないと、情けなくて仕方がなかったんです。そこから一通り遊び倒しました。

――大井選手は昔、ギャルだったっという噂も耳にしましたが、その時期の話だったんですね。

大井 それ、お父さんたちがポロっと言った言葉がけっこうな人に拾われて、たまに言われますけどそこまでじゃないですけど。まつ毛バサバサのロングヘアにして......まぁギャルですよね(笑)。いま思うとそれもダサかったなぁって思うけど。

――レスリング日本一からギャルはすごい振り幅です。そこから、なぜ再び格闘技の世界へ?

大井 大学に入っても遊んでいましたがふと「遊びすぎてヤバイ」と焦りを感じたんです。実家で相談したとき、唯一自分の誇れるものがレスリングだったので、それでMMAをやってみようかなと。

――そこから和術慧舟會HEARTSに入門するわけですが、お父さんにいきなり車で連れて行かれたと。

大井 そうですね。何も知らずに連れて行かれました。

――その時はまだ自分の中で踏ん切りがついていなかったとか。

大井 そうそう。

当時はまだ爪が命で、自爪の4倍くらいの長さがあったんです。「爪の長さでカーストが決まる」と思っていたので、それを切るのが嫌すぎて(笑)。でも、ようやくその爪を切ったとき、自分の中でMMAへの覚悟が決まりました。

●大井すず Suzu OI 
2005年生まれ、東京都出身。155cm、44kg。和術慧舟會HEARTS所属。小学1年生でレスリングをはじめ、高校1・2年生時にインターハイ女子47キロ級で2連覇を達成。その後、ギャルの時期を経由してMMAへ転向し2025年9月にプロデビュー。主戦場のDEEPJEWELSでは現在2連勝中。父親は人気放送作家で第2代THE OUTSIDER55-60キロ級王者の大井洋一氏。
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取材・文/松下ミワ 撮影/武田敏将

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