高市首相が当選者全員に3万4000円分を配布! 何が選べる?...の画像はこちら >>

カタログギフトを配布した高市首相

高市首相が衆院選で当選した自民党議員全員に約3万円のカタログギフトを配布。法的には問題ないかもしれないが、なんか釈然としない気持ちもある。

そのモヤモヤを専門家にぶつけてみた!

* * *

【虚礼廃止の中、3万円は超高額!】

高市早苗首相(自民党総裁)が、衆院選で当選した自民党議員315人全員に当選祝いとしてひとり約3万4000円のカタログギフトを贈ったことが波紋を呼んでいる。

政治資金規正法では、個人から政治家への金銭などの寄付を禁止しているが、今回は本人が代表を務める政党支部からの寄付のため、「法令上問題はない」と高市首相は答えている。

しかし、そのカタログギフトののし紙には「御祝 高市早苗」という文字が書かれていた。

こうなると「個人からのお祝いじゃないの?」と疑いたくもなるのだが、同時にもうひとつ気になるのは3万4000円といわれるカタログギフトの中身だ。

そこで、高市首相が贈ったと思われるカタログギフトの内容を見てみると「リゾートホテルのペア宿泊券」「高級料理店の食事券」「下関の天然とらふぐ」「三重県産の活黒あわび」「鳥取県産の活松葉がに」「ダイヤモンドのペンダント」「真珠のネックレス」など、庶民には夢のような品々が並んでいた。

高市首相が当選者全員に3万4000円分を配布! 何が選べる? 世間の相場はいくら? 俺も欲しいぞ、高額カタログギフト!

高市首相が当選者全員に3万4000円分を配布! 何が選べる? 世間の相場はいくら? 俺も欲しいぞ、高額カタログギフト!

こんなカタログギフトなら、誰かから贈ってもらいたいものだが、そもそもお祝いなどで贈るカタログギフトの相場はいくらくらいなのか? カタログギフトのメリットやデメリットはなんなのか? などを『心から喜んでもらえる贈りもののマナー』(高橋書店)などの著書があるギフトコーディネーターの冨田いずみ氏に聞いた。

「贈り物の相場は、お中元やお歳暮などで3000円から5000円ほどです。また、大学で就職の面倒を見ていただいた先生など、とてもお世話になった人でも1万円程度。ですから、今回、高市首相が贈った3万円という金額は、仕事上の上司や部下、同僚といった関係性から判断すると超高額といえます。

受け取った側の立場になって考えてみるとわかると思うのですが、同じ会社や団体というだけで例えばお祝いとして現金で3万円をプレゼントされたら、もらいすぎだと感じてちょっと困惑しませんか。

ただ、カタログギフトは、商品の金額がカタログに載っていません。ですから、贈られた側は、いくらなのかわからないわけです。

そこが金券(額面記載のないものも一部ありますが)との大きな違いで、贈る側からすると相手に失礼にならない、負担をかけないという配慮でもあります。

もうひとつ、カタログギフトの大きなメリットは、贈った相手が好きなものを自由に選べて、受け取る日時も指定できることです。

生鮮食品などを贈った場合、贈り先の人が旅行などで不在だったりすると、傷んでしまう場合があります。でも、カタログギフトは受け取る側が日付を選べるので、そういった心配がありません。

一方、デメリットとしては、贈る側が商品を選んでいないということがあります。贈り物とは本来、相手のことを思いながら、その人にふさわしいものを選ぶのが基本です。

甘いものが好きな人であればスイーツを、温泉が好きな人であれば温泉旅行チケットなどを贈る。それが心のこもった贈り物です。そういう意味でお任せのカタログギフトは、贈る側が少しラクをしているかもしれません」

高市首相は、カタログギフトを配布した理由について、たくさんの議員から食事会などをしてねぎらってほしいと連絡があったが、「会食が苦手な女」ということで、食事会の代わりだと話している。

ただ、こうした贈答習慣も世間的にはだんだん見直され、少なくなってきていると冨田氏はいう。

「この10年くらい、企業などではお中元やお歳暮、年賀状などはやめましょうという〝虚礼廃止〟の方向に進んでいます。

企業や取引先、業者間だけでなく社内でも、例えば退職祝いなどで贈り物をすると、そのお返しに困るということでお祝いもあまりしない風潮になっています。

バレンタインデーのチョコレートでさえやりとりの禁止を通達した企業も少なくありません。

そういう世間の流れの中で『なぜ今、政治の仲間内のお祝いでカタログギフトを贈るの?』と感じている人は多いと思います。しかも3万円という高額のものでしたから」

高市首相は、こうしたことに後から気づいたのか、衆院予算委員会で「恥ずかしいですが、昭和の中小企業の社長みたいなところが私の中にもまだあったのでしょう」と答えている。

企業がビジネス関係に贈る、いわゆる法人ギフトは、昭和の時代から平成まで続いていたと冨田氏はいう。

「以前はカレンダーや手ぬぐい、ライターなどに自分の企業名などを入れて社長や営業が取引先に配っていました。日頃の感謝を伝えるだけでなく、『今後も自社をよろしく』と、さりげなくアピールしていたわけです。贈り物をするというのは、そうした下心もゼロではないと思います」

高市首相はカタログギフトののし紙に「高市早苗」と書いてアピールしている。そこにはお祝いだけじゃない、何か別の下心があるのかもしれない。

庶民の生活が苦しい中で、超高額な贈り物をする高市首相。早く昭和の中小企業の社長から、令和の庶民の感覚になってほしい。

取材・文/村上隆保 写真/時事通信社 共同通信社

編集部おすすめ