戦前の食事は麦飯、味噌汁、漬物、小さな副菜。これだけだった。
ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく!
* * *
――衆院選の圧勝を機に築かれていく「高市幕府」。高市将軍と側用人が密室であらゆることを決めていくということですが、ほとんど、トランプ世界皇帝と同じシステムのように見えてきました。
佐藤 はい、似ていきますよ。しかし、仲間の国はたくさんあります。習近平の中国、プーチンのロシア、ネタニヤフのイスラエル、オルバーンのハンガリー......ほら、日本は全然孤立していません。
――いや、なんだかすさまじい列強の中に......。
佐藤 でも、迫力はあると思いませんか? 新しい世界秩序を形成しつつある諸国の仲間に日本も入れているのです。
――はい、それは。地球上で唯一の幕府ですからね。そして、中露米と同じ体制だから、すごくうまくいくと思います。
佐藤 そう、持ちつ持たれつでやっていけるでしょうね。
――確かに。そして、いまや"サナ活"なんて言われるように、高市将軍は日本国民からアイドルを超える人気を得て、若い人たちにはまるで幸せと希望の象徴のように見えています。いいじゃないですか、高市幕府(笑)。
佐藤 だから、私の書いた本の通り、日本は世界一の楽園に近づきつつあるんですよ。
――素晴らしい。
佐藤 日本国民がこれを選んだんです。北朝鮮の首領さまは、世界一の楽園について「21世紀には共産主義が実現する。それは米の飯を腹一杯、食べる事ができて、肉のスープを飲む事が出来て、瓦葺の家に住むことができる」と語りました。
――なんだか、あまりうれしくないような......。
佐藤 いやいや、マルクスは共産主義について「人はその能力に応じて働き、必要に応じて受け取る」と言っているわけですよ。だから、欲望の水準を低くすれば、共産主義は実現するんです。
すると、"人民の楽園"が北朝鮮ならば、日本もすでに北朝鮮を超えた楽園になりつつあるわけです。
――確かに!!(笑)
佐藤 資産を持っている人は、これからどんどん資産が膨らんでいきますよ。しかし、松屋や吉野家でワンコインあれば、ご飯が食べられます。100円を握りしめていれば、コンビニで淹れ立てのコーヒーを飲むことができます。250円あれば、コンビニのおでんでちくわとハンペンが買えます。
それでみんなが「ああ、よかった」と思えるんです。アルバイトの時給が1070円で、3時間シフトに入れれば相当稼げます。おでんや調理パンならば、食べきれないほど買うことができます。」幸せにあふれているでしょ?
――3210円あれば、豪勢な食事ができます!!
佐藤 だから、高市幕府で日本は完全に楽園になるわけです。
――コンビニで398円のワインを買い、100円おでんをたくさん買っている人を見かけました。それならば腹一杯になれます。幸せです。
佐藤 そう、それが楽園なんです。それから今度、高市幕府の下で食料品の消費税がゼロになる予定です。
――はい、待ち侘びております。
佐藤 そうしたら、外食に行く人はいると思いますか?
――減りますよね。
佐藤 同じモノを食べて10%も値段が違うんですから、減りますよね。そうなると、大衆食堂などはバタバタとつぶれていきます。
――倒産の嵐です。
佐藤 すると、単価の低いキッチンカーが増えます。みんなキッチンカーに並んで、家や公園で食べて、幸せを噛み締めるわけですね。だから「脳内戦艦サナエ」と同じです。重要なのは、幸せは脳内から生まれる、ということです。
――なるほど。ドーパミンで脳内が幸せで一杯になる。
佐藤 だから、考え方を変える必要があります。
――高市幕府はそのように言っていました。
佐藤 でも、「見返り」については何も言っていませんよね?
――あ、そう言えばそうです。
佐藤 働けば「見返り」があるとは言っていませんから、公約違反ではないですね?
――ごもっともにございます。
佐藤 庶民が働き、生み出した利益は、ゴールド、土地、株を持っている人々にどんどんと流れていきます。そして、0.2%の人がますます富んでいく、そういう時代になっていきます。
――大名様がご繁栄するならば、我々はワンコインで買ったご馳走を公園で食べて幸福の楽園にいられますね。「考え方を変えないといけない」とおっしゃっていましたが、何をどう変えるのですか?
佐藤 日々の食事ですね。目安は、戦前の日本の庶民の食卓です。基本的な食事は麦飯(もしくは白米+大麦)、味噌汁、漬物、小さな副菜(煮物、豆腐、干物など)。魚や肉は祭りや正月のみですね。
――戦前は質素で幸せです。
佐藤 だから、我々もこのレベルで、おかずはほとんどなく、漬物と味噌汁が主になります。
――「欲しがりません幕府様」と。その昔、白米が食えるという理由で、若者たちは帝国陸海軍に入隊しました。もし同じような状況になれば、自衛隊の人手不足は一気に解消されそうです。
佐藤 そういう風になっていきますよ。
――新しい日本の幸せですね。
佐藤 国民が選択したわけですからね。
――若者世代が幸せだと思えればいいのです。この食事は健康食です。余計な脂分を取らず、添加物も化学物資もない。健康に生きられる食事です。
佐藤 こういう栄養状態が続くと、平均身長が男性は160cm、女性は148cmと、江戸時代ほどに低くなりますけどね。
――はい。
佐藤 激しい競争もなくなり、政治のことはもう自分で考えずに、すべてお任せすればいいんです。
――なんと素晴らしい高市幕府。
佐藤 こういう形であれば、本当になんとかなります。重要なのは高望みしないことです。
――希望や野心を持たず、眼前の楽園の中だけで幸せを享受していく。そして、高市将軍の幸運が続くことを祈り続ける。
佐藤 そうです。YouTubeやTikTokでも、戦前の食事なんかがどんどんと出てくるでしょうね。すると、逆にネットを通じて欲望を小さくしていくことになります。
――選挙で大成功した手口であります。
佐藤 そこで重要なのは、ささやかな幸せの物語です。
――「ああ、いいな、ささやかな幸せだ」と感じる動画ということですか?
佐藤 はい。たとえば、ニコニコ笑っている子供の笑顔とかですね。ニュースも政治経済の話だとトゲトゲしくなるので、動物のニュースが占めます。
――動物のニュースにはどんなものが?
佐藤 どこかの動物園で可愛いライオンの子供が生まれたとか、鴨川シーワールドではアシカが元気です、とかですね。
あ、ただし、パンダはそこに入りません。むしろ「パンダはクマだ。パンダの目を思い出せ、あれはクマの目だ。日本にパンダはいらない。パンダ外交に騙されるな」となります。
――痛快であります。すると、レアアースも南鳥島にあるから大丈夫。高市将軍の運さえあれば、必ず水深6000mからでも掘り起こせる、と思えばいいんですね。
佐藤 必勝の信念で祈れば、大丈夫でしょう。
――また、昭和19年の大日本帝国の国策になってきました。
佐藤 必勝の信念が足りないから、あの戦争では負けたのです。眼力を働かせれば、当時日本が権益を持っていた北樺太(サハリン)の油田開発を進めることができたはずです。重要なのは、政治について文句を言わず、どんな状況においても高市幕府は正しいとちゃんと説明できるように訓練することです。
――そうなると無敵です。
佐藤 それはやはり、「脳内戦艦」だから無敵なんです。
――高市幕府に変わっても、頭脳回路は不変でありますね。
佐藤 客観的な状況が観念を作るのではありません。観念が客観情勢を作るのです。客観情勢もしょせん、人間の頭の中の観念です。
――つまり、全国民の脳内が「脳内戦艦サナエ」となり、高市幕府を支えるんですか?
佐藤 そうです。なんだか、だんだん明るくなってきましたね。
――はい、幸せです......。
次回へ続く。次回の配信は3月13日(金)を予定しています。
取材・文/小峯隆生





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