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上司とのカラオケでは、例えば『川の流れのように』など、上の世代に合わせた選曲が無難なのだろうか?
「あ~ダメですよ……なんで歌っちゃうんでしょうね~。へたに媚を売ろうとしても、その世代は美空ひばりに対して深い思い入れを持っている人が多いから、危険です。そんな人からすれば『若いモンが何もわからず歌いおって』ということになりかねません。カラオケで最も気をつけなければならないのが“領空侵犯”。若手が歌った曲が上司の十八番だったというのは、もはや事件です。自分が歌おうと思っていた曲を奪われた上司は内心穏やかじゃないでしょう」
では、何を歌えばいいのだろうか。
「若手は自分の世代を代表する歌を歌うんです! シンプルに嵐やAKB48の曲を歌えばいいんですよ」
それは、絶対にNGだと思っていたのだが……。
「意外とその世代の方たちは子供が10代、20代前半だったりで、斜に構えながらも、若者文化に興味があったりするんです。ただし、有名アーティストでもマニアックな曲はNG。テレビで聞いたことのあるようなメジャー曲を歌いましょう」
子供がいるか、などの下調べも重要ということか。
「カラオケはいかに事前準備をするかにかかっています! 市販の手帳の巻末についている年齢と年号の対応早見表などを見て、その世代の人がどんな曲を聴いていたかを調べたりするのもいいですね。なので、あらかじめ上司の年齢を把握しておくことも重要でしょう」
なるほど。
「聴いている人たちが『合いの手』を入れやすい曲がいいですね。あとは、CHAGE and ASKAの『YAH YAH YAH』やサザンオールスターズの『勝手にシンドバッド』が合いの手を入れやすいですね。また、『無難』を乗り越えた中級者向けなのですが、替え歌も職場の飲み会にはもってこいです。和田アキ子の『あの鐘を鳴らすのはあなた』を『あの客を落とすのはあなた』と替えてみたり」
では、逆にNGな曲とは?
「大川栄策の『さざんかの宿』など、不倫系の曲は危険。会社内で不倫している上司がいたら変なムードが漂ってしまいます。そこもある意味で事前に勉強が必要ですね。
というわけで、上司とのカラオケを無難にやり過ごすコツは“事前準備”にあるようだ。日頃から、上司についてさりげなくリサーチを進めておくべし!
(取材・構成/黄孟志 イラスト/服部元信)
■週刊プレイボーイ53号「これが40~60代の上司に“カラオケに誘われたとき”無難にやり過ごす1曲!!」より