バイエルンに所属するFWハリー・ケインが、プロキャリア初となるタイトル獲得を喜んでいる。

 “無冠の帝王”の汚名を返上するときが、ついに訪れた。
1993年7月28日生まれのケインは現在31歳。トッテナムの下部組織からトップチームに昇格すると、レイトン・オリエントやレスターにレンタル加入こそしたものの、2023年夏に退団するまでの約13年間は“スパーズ一筋”を貫いてきた。その間、プレミアリーグ得点王を3度、リーグ年間ベストイレブンを6度受賞するなど、一流の点取り屋としてゴールを量産。しかし、プレミアリーグで2位が1回、3位が2回、カラバオカップで準優勝が2回、チャンピオンズリーグでも準優勝が1回、さらに2015年3月にデビューを飾り、ロシアW杯では得点王に輝いたイングランド代表においても、EUROで2大会連続の準優勝、W杯でも最高成績4位と悉くタイトルに見放されてきた。

 極めつきは、昨シーズンに加入したバイエルンでも優勝を逃したことだろう。ブンデスリーガ11連覇と前人未到の記録を更新し続ける“ドイツの盟主”でなら、悲願の成就も容易いと楽観的な見方もあったが、蓋を開けてみれば、レヴァークーゼンが国内公式戦無敗での2冠達成という、今後50年で1度あるかないかのシーズンが到来。ケイン本人は1年目のブンデスリーガで36得点を挙げ、2位に『8』差をつけて得点王になったものの、チームは3位フィニッシュ。また、チャンピオンズリーグでベスト4敗退、DFBポカールでは下位カテゴリーのクラブにジャイアントキリングを献上する始末だった。

 それでも今シーズン、ついに“呪い”から解き放たれる。序盤戦からゴールを量産したケインに呼応するかのように、チームも2度の5連勝を達成するなど、順調に勝ち点を積み重ねていく。迎えた4日、自力で決めるチャンスこそ逃したが、勝たなければならなかった2位レヴァークーゼンが引き分け、その瞬間にバイエルンの2シーズンぶりとなる優勝が決定。そして、苦節15年、“無冠の帝王”と揶揄されてきたケインが、プロキャリア初のタイトルを手中に収めた。


 本懐を遂げたケインは、4日に自身の公式Xを更新。「We are the Champions!!」と呟くとともに、Queenの代表曲『We Are the Champions』を熱唱する動画をアップ。プロとして初めてうたう、“王者のうた”に酔いしれている。


【悲願】“王者のうた”を熱唱するケイン



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