2024-25シーズンの欧州王者を決める最終決戦『UEFAチャンピオンズリーグ(CL)』の決勝戦が31日に行われ、パリ・サンジェルマン(PSG/フランス)とインテル(イタリア)が激突した。

 悲願のCL初制覇を目指すPSGは「4-3-3」のシステムを採用。
FWウスマン・デンベレが最前線の中央に入り、両サイドのFWフヴィチャ・クヴァラツヘリア、FWデジレ・ドゥエと共に強力な3トップを形成した。先発メンバーの平均年齢は、21世紀のCL決勝史上最年少(25歳96日)。怖いもの知らずのヤングスターたちがスタメンに名を連ねた。

 対するインテルは、2シーズン前の決勝を経験している選手が7人先発。3バックの一角にDFバンジャマン・パヴァールが復帰し、最前線にはエースで主将でもあるFWラウタロ・マルティネスが戻ってきた。こちらはCL決勝のスタメンに35歳以上の選手を3人起用した最初のチームに。その老練さを武器に、15シーズンぶり4度目となる欧州王者を目指した。

 立ち上がりから主導権を握ったのはパリ・サンジェルマン。相手陣内でのパス交換とポジションチェンジを繰り返しつつ、ボールを失っても高い位置からのプレスで即時奪回し、インテルゴールに迫った。すると12分、ボックス手前でボールを持ったヴィティーニャからボックス左に流れたドゥエにパスが入り、ゴール前でラストパスを受けたアクラフ・ハキミが古巣相手にネットを揺らした。

 最終ラインの乱れから失点を喫したインテルはセットプレーからゴールに迫ろうとしたが、逆にカウンターからデンベレにボールを持ち込まれ、最後はボックス右でパスを受けたジレが右足を一閃。DFの足に当たってディフレクトしたシュートがネットを揺らし、PSGが開始20分で2点のリードを奪う展開に。
インテルは、マルクス・テュラムらを起点としたサイド攻撃やセットプレーからゴールに迫る場面も作ったが、シュートは枠を捉えきれなかった。

 迎えた後半、前がかりとなるインテルに対してPSGはクヴァラツヘリアが立て続けにチャンスを創出。対するインテルは53分、MFニコラ・ザレフスキを左ウイングの位置に、DFヤン・アウレル・ビセックを3バックの一角に配して反撃を試みる。しかし、ビセックが早々に負傷交代となり、思わぬ形で交代枠を使う事態に。62分にはDFカルロス・アウグストも送り出し、ザレフスキを中央へ。

 しかし直後の63分、デンベレが起点となりヴィティーニャがボールを持ち上がってボックス右のドゥエへラストパス。これを受けたドゥエがゴール右にシュートを流し込み、PSGが試合の行方を決定づけた。勢いに乗るPSGは73分にも裏に抜け出したクヴァラツヘリアがネットを揺らして加点。87分には、ブラッドリー・バルコラとのワンツーから投入されたばかりのセニー・マユルもゴールを挙げ、PSGが5点目を奪取した。

 結局、試合は5-0で終了となり、若手が躍動したPSGがCL史上初となる決勝での5点差以上での勝利で悲願のCL初制覇を達成。ルイス・エンリケ体制2年目にして大願を成就させることに成功した。

【スコア】
パリ・サンジェルマン 5-0 インテル

【得点者】
1-0 12分 アクラフ・ハキミ(パリ・サンジェルマン)
2-0 20分 デジレ・ドゥエ(パリ・サンジェルマン)
3-0 63分 デジレ・ドゥエ(パリ・サンジェルマン)
4-0 73分 フヴィチャ・クヴァラツヘリア(パリ・サンジェルマン)
5-0 87分 セニー・マユル(パリ・サンジェルマン)

【出場選手】
▼ パリSG(4-3-3)
GK:ドンナルンマ
DF:ハキミ、マルキーニョス、パチョ、N・メンデス(78分 L・エルナンデス)
MF:J・ネヴェス(84分 ウォーレン・ザイール・エメリ)、ヴィティーニャ、F・ルイス(84分 セニー・マユル)
FW:ドゥエ(66分 バルコラ)、デンベレ、クヴァラツヘリア(84分 G・ラモス)

▼ インテル(3-5-2)
GK:ゾマー
DF:パヴァール(53分 ビセック→62分 ダルミアン)、アチェルビ、バストーニ
MF:ダンフリース、バレッラ、チャルハノール(70分 アスラニ)、ムヒタリアン(62分 C・アウグスト)、ディマルコ(53分 ザレフスキ)
FW:L・マルティネス、テュラム


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