就任1年目のハンジ・フリック監督の下で、国内3冠を達成したバルセロナ。しかし、カピタンを務めるテア・シュテーゲンは、昨年9月に負った右ヒザの重傷により、この成功にピッチ内で貢献することはできなかった。すると今夏、ブラウグラナがエスパニョールで目覚ましい活躍を見せたジョアン・ガルシアの獲得を決定的としたほか、ヴォイチェフ・シュチェスニーとの契約延長も濃厚となったことで、同選手の退団が取り沙汰されることに。一部メディアでは、ガラタサライ移籍で個人合意に達したとも報じられている。
そんなテア・シュテーゲンは先日、「来シーズンもバルセロナにいることは分かっている」とプロキャリアにおける最長在籍クラブで12年目を迎えることを語っていたが、その決意は揺るぎないもののようだ。『マルカ』によると、同選手とガラタサライとの間には個人合意どころかオファーすら存在しておらず、それはモナコとの間にも然りとのこと。続けて、「この物語の主人公は、オファーに耳を傾けず、新しいチームを探しもせず、メディアの駆け引きにも乗らない。ジョアン・ガルシアの獲得や、カタルーニャのクラブがリークという形で圧力をかけ、バルセロナを去らせようとしたことも、彼には関係ない。バルセロナを離れるつもりはない」と強調した。
また『マルカ』は、退団の噂が飛び交い始めたのは、バルセロナがジョアン・ガルシアの獲得を決断した直後で、クラブ内では「ゴールキーパーのポジションの自然な動きはカピタンの退団だと理解されていた」と指摘。ただそれでも、選手本人に移籍する意思は毛頭なく、正守護神争いに意欲を燃やしているという。とくに、先のUEFAネーションズリーグでのパフォーマンスも自信になっているようで、「バルセロナのゴールマウスを守り続けるのに完璧なコンディションにあると確信している」と併せて伝えている。
もし仮に、バルセロナが財政難からの脱却のため、控えに回るかもしれない高給取りのテア・シュテーゲンを売却したいと考えているならば、残された手段は契約解除しかないものの、現行契約を3年残していることから、それはそれで経済的に不利な取引となるだろう。果たして今夏、長年チームを支えきた功労者を巡る去就は、どのような決着を迎えるのだろうか。