現在32歳のマリアーノは、スペイン人の父とドミニカ共和国人の母の下、スペインで誕生。2011年夏にレアル・マドリードのカンテラ(育成組織)の門を叩き、フベニールA(U-19相当)に入団した。カスティージャ(Bチーム)で着実に力をつけると、2016-17シーズンにはトップチームデビューを飾り、2017年夏にリヨンへ完全移籍。同シーズンは公式戦通算45試合のピッチに立って21ゴールと、フランスの地で得点を量産すると、この活躍が認められ、2018年夏にはレアル・マドリード復帰。同年夏にユヴェントスへ完全移籍したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現:アル・ナスル)から背番号「7」を継承し、大きな期待を寄せられた。
しかしながら、復帰初年度は公式戦22試合出場4ゴール、先発に限るとわずか6試合のみの出場と不本意な成績に終始。ケガに悩まされたエクスキューズがあったとしても、不完全燃焼な1年間を過ごし、伝統の背番号「7」は翌シーズンより元ベルギー代表FWエデン・アザールの元へ渡った。以降は構想外に近い状況が続き、ハイライトは翌シーズンのエル・クラシコで途中出場から挙げた劇的ゴールのみ。レアル・マドリードでは輝くことができずに、2023年夏に契約満了によって退団すると、その後加入したセビージャでも負傷に見舞われ、公式戦13試合でノーゴールという成績で終わった。
2024年夏のセビージャ退団以降はフリーの状態が続き、今年3月にはドミニカ共和国代表の一員として国際親善試合のピッチに立ったものの、クラブレベルでの2024-25シーズンは無所属のまま終了。だが、7月14日は突如として、アラベスがマリアーノの練習参加を公表。『アス』によると、アラベスは長年にわたってマリアーノに熱視線を送り続けてきたクラブであり、レアル・マドリード時代にはレンタル移籍でのオファーを提示したこともあったという。
そんなマリアーノだが、アラベス合流後は好調をキープ。7月26日に行われたカステリョンとのプレシーズンマッチでは2ゴールを挙げ、アラベスを2-0での勝利へ導くなど、アピールを続けていた。その後、30日に行われたジローナとのプレシーズンマッチ(●0-1)ではPKを失敗。それでも、チームメイト、クラブ陣営からの信頼は勝ち得ており、2025-26シーズンに向けて契約を締結することが濃厚だという。
マリアーノ自身も給与の希望額を大幅に下げてはいるものの、アラベスにとっては高額の部類になる見込み。既にマリアーノの元にはスペイン国外からのオファーも届いているようだが、マリアーノはラ・リーガでの“リスタート”を熱望。一方で、アラベスは今夏にベテランのスペイン人FWキケ・ガルシアが新天地をエスパニョールに求めており、レンタル移籍先のミランデスで結果を残したアルゼンチン人FWホアキン・パニチェッリもストラスブールへ流出。“9番”の確保が最優先事項となっていたなか、一時はレアル・ソシエダからナイジェリア代表FWウマル・サディクの獲得にも関心を示していたが、最終的にはコーチングスタッフの高評価もあって、マリアーノに照準を定めたという。今後、正式に契約が結ばれる見通しだ。
果たして、2025-26シーズンのラ・リーガに、アラベスのユニフォームに袖を通したマリアーノの姿はあるのだろうか。今後の動向に注目だ。
【ハイライト動画】マリアーノ、エル・クラシコでは“サプライズ出場”からゴールも奪っていた