「柳澤(亘)はスピードや対人能力に長けています。左サイドではイサカ選手(ゼイン)とのマッチアップが多くなる想定がありましたし、そこでしっかりと中に行かせない対応できる」と千葉の新戦力・イサカ対策で柳澤をリーグ戦14試合ぶりに先発起用。また前節のベガルタ仙台戦でトドメの一撃を決めた西野太陽を今季初先発に抜擢した。激しい攻防が繰り広げられた中、65分に警戒していたイサカのスルーパスからカルリーニョス・ジュニオに抜け出され、最後はオウンゴールで千葉に先制点を許してしまう。その後は積極的な選手交代で変化を加え、千葉ゴールに再三迫るが元徳島GKホセ・スアレスの牙城を最後まで破ることができず。リーグ戦4試合ぶりの黒星となった。
今季J2最少失点を誇る徳島だが、千葉との前回対戦時には3失点(3-3/△)を喫している。柳澤の起用など“千葉対策”を施して臨んだが、白星には結びつかなかった。守護神・田中颯は「千葉は技術も高いし、チーム力もある。最後に凌ぐのは今季の僕らの強みですし、狙いを持った中で表現できた」と一定の手応えを語った一方で「先制されると難しい試合になってしまう事は分かっていたので、先に失点してしまったことで難しい展開になりました」と唇を噛む。
J2リーグは残り12試合。田中が「1試合でクラブの未来が大きく変わる局面に入ってきている」と語る通り、1試合、1ポイント、1得点、1失点がより重みを持つ最終局面に突入する。増田監督は「選手たちは最後の最後までゴールに迫る、気持ちを持ってやるべきことを徹底してやってくれたので、そこは下を向かずに次に向かってやっていこうと。俺たちはまだ死んでいないと声をかけました。もう一度気持ちを奮い立たせて、自分たちが今までやってきたことをさらに積み上げる。残り12試合の中で勝ち点を積み重ねて、頂点を目指してやっていこうと伝えました」と明かす。田中も「今季はチームが一体となって、目標に対してブレずに進んでいる感覚はある」と話し「1試合1試合を大事にして、最後は僕らが(J1昇格を)掴めるようにやり続けたい」と前を向いた。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
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