松本コーチは立正大学、ジェフユナイテッド千葉、アビスパ福岡、サンフレッチェ広島を経て、2018年に日本代表のフィジカルコーチに就任。
具体的な現地視察の例として話したのが、昨年アメリカで開催されたコパ・アメリカ2024だ。「コパ・アメリカはW杯とほぼ同じスケジュールだったので、現地に足を運び、どんな環境下でゲームが行われるのか。選手たちはどのようなプレーをするのか。試合が進むにつれて、選手はどのように疲弊し、パフォーマンスが変わっていくのか。調べさせていただきました」と収穫を手にした。また先月に行われた東アジアE-1サッカー選手権2025直後にも渡米し、リーグスカップ(アメリカMLS、メキシコリーガMXに所属するクラブチームが参加する大会)を視察した。「ネット上で見るのか、地図と見るのか、現地の知人などに話を聞くのか。
松本コーチが「壮大なスケール」と話した通り、北中米W杯では出場国が32カ国から48カ国に拡大し、移動距離や試合間隔もこれまでとは大きく異なる。松本コーチは「1位・2位・3位どこで抜けるのか、どのグループに入るのかでスケジュールが変わってきます。例えばカナダのグループに入ったら西から東に飛び、間隔が一週間空く場合もあるので、コンディション維持が大変になります。次の試合に出られない選手は実践から10日以上空いてしまい、ゲーム感覚が狂ってしまう。例えばロシアW杯の時のようなアンダーカテゴリーの日本代表選手が帯同して、一緒に紅白戦をしたりするのか。現地のチームとトレーニングマッチを行うのか。いろいろなことが考えられます。スケジュールでいろいろなことが考えられるので、しっかりと対応できるような準備をしていきたい」と意気込んだ。
次回のW杯で“最高の景色”を見るために、9月のアメリカ遠征(9/7vsメキシコ代表 9/10vsアメリカ代表)は最高の予行演習となる。
今回の遠征では9月6日(土)現地時間19時にメキシコとの初戦を行い、そこから移動を含む中2日とタイトなスケジュールで9月9日(火)現地時間19時37分にアメリカとの第2戦を迎える。「(メキシコとの)試合に出た選手はスケジュール的にきついと思います。試合直後で眠れない中、すぐに飛行機での長距離移動で時差も狂う。まずは試合に出た選手のリカバリーを考えなければなりません。試合に出ていない選手をどう持っていくのか。練習時間も限られていますし、ホテルやお借りするコロンバスのチームのファシリティをどう使うのかを考えています。W杯で中2日はありませんが、移動を含む中3日はありますので、いいシミュレーションができるのではないかと思っています(松本コーチ)」。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)