横浜F・マリノスは28日、FWヤン・マテウスがカタール・スターズリーグ(同国1部リーグ)のカタールSCへ完全移籍することを発表した。

 ヤン・マテウスについては、22日付で移籍を前提とした手続きと準備のためにチームを離脱することが明かされていたものの、今回は新天地が発表された形となる。
完全移籍に際し、ヤン・マテウスは横浜FMを通してコメントを発表。次のような言葉で、約3年間を過ごした“トリコロール”に別れを告げた。

「横浜F・マリノスのファン・サポーターの皆さんには感謝の気持ちしかありません。僕が加入してからずっと熱い応援をしていただき、ピッチに立っていても、常に皆さんからの後押しを感じていました。本当に心強かったです。大好きな横浜の街を離れる前に、ホームの日産スタジアムでファン・サポーターの皆さんのお顔を見ることができ、とてもうれしく思いました。皆さんとお別れするのは寂しい気持ちですが、サッカーは何があるか分からないですし、またお会いできる日を楽しみにしています。3年間本当にありがとうございました」

 ヤン・マテウスは1998年9月4日生まれの現在26歳。母国の名門として知られるパルメイラスのアカデミー育ちで、これまでにポルトガルのエストリル・プライアやブラジルのスポルチ・レシフェでプレー。2020-21シーズンから2年間にわたってプレーしたポルトガルのモレイレンセでは、公式戦通算66試合出場13ゴールという成績を残し、2022年夏に横浜FMへ完全移籍加入した。

 横浜FM加入初年度はシーズン途中の合流となったこともあり、本領発揮とはならなかったが、デビュー戦となった湘南ベルマーレ戦ではゴールも記録。横浜FMのJ1優勝に貢献したとは言い難かったものの、翌2023シーズンからは右ウイングの主力に定着し、2023-24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ決勝進出に貢献するなど、横浜FM攻撃陣における欠かせない存在として活躍を続けた。
特に、テクニカルな技術に満ちたドリブル突破と、正確無比な左足から繰り出されるシュートはJ1屈指のレベルとして知られ、横浜FMでは公式戦通算132試合出場29ゴール34アシストを記録した。

 なお、ヤン・マテウスは2025明治安田J1リーグにおいて、ここまでチームトップタイの5得点を記録。FWアンデルソン・ロペス(現:ライオン・シティ・セーラーズ/シンガポール)、FWエウベル(鹿島アントラーズ)に続いて攻撃陣が退団し、近年にわたって横浜FMの3トップを構成してきた“ブラジルトリオ”が解散することとなった。横浜FMは20日、後釜としてジュビロ磐田からMFジョルディ・クルークスとベガルタ仙台からMFオナイウ情滋を完全移籍で迎え入れている。

 ヤン・マテウスの新天地となるカタールSCは、過去6度のリーグ優勝を誇る古豪として知られる。2013-14シーズンにはカタール・スターズカップを制したものの、以降はメジャータイトルから遠ざかっており、2024-25シーズンのカタール・スターズリーグは12チーム中10位で終えた。巻き返しを狙う今季は、カタール・スターズリーグ開幕2連勝と好スタートを切っている。


【ハイライト動画】名古屋戦の一撃はヤンにとって横浜FMでの“ラストゴール”となった



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