アスレティック・ビルバオを率いるエルネスト・バルベルデ監督が15日、翌日に控えたチャンピオンズリーグ(CL)・リーグフェーズ第1節のアーセナル戦に向けた前日会見に出席。“欧州最高峰の戦い”に臨む心境や、アーセナル戦の展望などを口にした。
スペインメディア『マルカ』が同日、前日会見の様子を伝えている。

 アスレティック・ビルバオが最後にCLを戦ったのは2014-15シーズンのこと。当時のチームを率いていた人物は、バルベルデ監督だ。アスレティック・ビルバオの“カンテラ”で研鑽を積み、一度はクラブを離れた後、“第2次政権”となったのが2013-14シーズンから2016-17シーズンまでの4年間。就任初年度、アスレティック・ビルバオに16年ぶりのCL出場権をもたらすと、バルベルデ監督個人としてオリンピアコス、バレンシア時代以来3度目のCLに臨んだが、結果はグループステージ敗退だった。

 その後のバルベルデ監督は、バルセロナを指揮して3度のCLを経験しており、昨季はアスレティック・ビルバオを率いてヨーロッパリーグ(EL)で4強に入った。アスレティック・ビルバオともにCLの舞台に戻ってきたバルベルデ監督は、初陣を前にして、次のように意気込みを口にした。

「この大会を楽しみにしている。ELへのリスペクトは常に持っているが、単純に比較すると難易度が格段に上がるだろう。各クラブが手加減をすることもないだろうが、できる限り高い場所を目指して競争を続けたい。この大会が我々の成長につながることを願っている」

「昨季はELでプレーし、チーム全体が一定の経験を積むことができたが、CLは全く別のレベルで、リズムも異なる。現在のチームにいる選手で、CLのピッチに立った経験があるのは(アイメリク・)ラポルテとユーリ(・ベルチチェ)だけだが、対戦相手が決して手加減しないことを理解しなければならない。
このCL出場は“お祭り”じゃない。真剣勝負を繰り広げて、勝ち進む必要があるんだ」

 リーグフェーズの開幕戦で相まみえるのはアーセナルだ。バルベルデ監督は「アーセナルのように、CLとプレミアリーグの双方で優勝候補と謳われるチームと対戦する時は、非常に慎重にならなければならない」と警戒心を言葉にする。「チャンスが訪れたならば、確実にモノにしなければならないし、相手に隙を見せてはならない。彼らはそれほどまでの相手だからだ。非常に高いレベルの試合運びができて、戦術面でのリソースも多岐にわたる」と対戦相手を称えると、スペインの“2強”と対戦するときのような心構えが必要だと力説した。

レアル・マドリードやバルセロナが来た時と同じように、我々は対戦相手の状況を完璧に理解している。自分たちの強みを示すためには、完璧な試合をする必要がある。コンパクトなブロックを形成すると同時に、個々のマッチアップでも後手を踏んではならない。デュエルに勝利し、相手の守備ラインを突破することは非常に重要だ。だからこそ、クラブは特定の選手に何百万ドルも費やすんだ」

 また、アーセナルを率いるのは、バスク州サン・セバスティアンの出身で、現役時代にレアル・ソシエダでプレーした経験も持つミケル・アルテタ監督。バルベルデ監督は敵将を「世界最高の監督の一人だ。
アーセナルでの実績が証明しているだろう」と称えると、次のような言葉で、アルテタ監督がチームに植え付けたスタイルを警戒した。

「彼らは数多くの優れた選手を擁しているが、最も注目すべき点は、彼らのプレー内容と戦術だ。相手を自由にプレーさせず、1対1の局面では常にプレッシャーをかけ、執拗に攻め続ける。彼らを困らせるようなプレッシャーをかけるのは難しいよ。アーセナルは独自のスタイルを持つチームであり、そのスタイルはアルテタのものだ。そして彼らは最後までそのスタイルを貫くだろう」

 アスレティック・ビルバオが本拠地『サン・マメス』にアーセナルを迎えるゲームは、日本時間で16日の25時45分(17日の1時45分)にキックオフを迎える。


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