これはパラグアイ代表を率いるグスタボ・アルファロ監督が就任会見で発した言葉である。4大会ぶり9回目のFIFAワールドカップ出場を決めたパラグアイ代表。南米予選開幕から3試合勝ちなしとスタートダッシュに失敗し、コパ・アメリカ2024もグループステージ3戦全敗で早期敗退となった。このタイミングでダニエル・ガルネロ監督の解任に踏み切り、前述の熱い言葉を述べたアルファロ監督の招聘に至った。
もちろん、彼の言葉が全てを好転させたわけではないが、パラグアイ代表と国民のハートに火を点けたことは間違いない。低迷していたパラグアイは“代表の誇り”を取り戻し、ここから快進撃を見せる。アルファロ監督就任以降は12試合で6勝5分け1敗。15年ぶりにブラジル代表、16年ぶりにアルゼンチン代表の南米2強も打ち破った。特筆すべきは圧倒的な守備力だ。南米予選18試合で失点はわずかに「10」。得点数は南米予選ワースト3位タイの「14」である一方、失点数は首位アルゼンチンと並び2位タイ。“投高打低”、守備でポイントを重ねていくチームに仕上がりつつある。
アルファロ監督は「南米予選ですぐに結果を出さなければならない難しい状況でした。パラグアイの伝統であるハードワーク、そして果敢に相手に立ち向かうディフェンス。ラスト一球であるかのようにボールを狩りに行く。そこで格上との差を縮めることができた」と明かしている。
基本布陣は『4-4-2』。守護神は猫のように素早い反応を誇ることから“ガチート(猫)”の異名を持つ37歳のロベルト・フェルナンデス(セロ・ポルテーニョ)は、抜群の反射神経と経験に裏打ちされたプレーでゴールに鍵をかける。センターバックはオマル・アルデレーテ(サンダーランド/イングランド)とグスタボ・ゴメス(パルメイラス/ブラジル)の屈強で経験豊富な2人がコンビを形成する。主砲は南米予選でチーム最多4得点のアントニオ・サナブリア(クレモネーゼ/イタリア)。10番を背負うミゲル・アルミロン(アトランタ・ユナイテッド)やブライトンでブレイク中のディエゴ・ゴメスらがチームの中心を担う。
パラグアイ視点で見ると、対日本戦は現在4連敗中。90分を終えての勝利は、1999年7月のコパ・アメリカまでさかのぼる(2010年南アフリカW杯決勝トーナメント1回戦では延長・PKの末に勝利)。地球の裏側・南米からの大移動による疲労・時差もあり、試合前日に3選手が合流する強行軍。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
パラグアイ代表 来日メンバー
▼GK
1 ロベルト・フェルナンデス(セロ・ポルテーニョ)
12 ファン・エスピノラ・エスピノラ(ニューウェルス・オールドボーイズ/アルゼンチン)
22 オルランド・ヒル(サン・ロレンソ/アルゼンチン)
▼DF
2 グスタボ・ベラスケス(セロ・ポルテーニョ)
13 アラン・ベニテス(インテルナシオナル/ブラジル)
15 グスタボ・ゴメス(パルメイラス/ブラジル)
6 フニオール・アロンソ(アトレチコ・ミネイロ/ブラジル)
5 アレクシス・ドゥアルテ(サントス/ブラジル)
4 フアン・カセレス(ディナモ・モスクワ/ロシア)
3 オマル・アルデレーテ(サンダーランド/イングランド)
24 ディエゴ・レオン(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド)
▼MF
25 ルーカス・ロメロ(レコレータ)
17 アレハンドロ・ロメロ(アル・アイン/UAE)
14 アンドレス・クバス(バンクーバー・ホワイトキャップス/MLS)
20 ブライアン・オヘダ(レアル・ソルトレイク/MLS)
23 マティアス・ガラルサ(リーベル・プレート/アルゼンチン)
16 ダミアン・ボバディージャ(サンパウロ/ブラジル)
19 ウーゴ・クエンカ(ジェノア/イタリア)
8 ディエゴ・ゴメス(ブライトン/イングランド)
▼FW
9 アントニオ・サナブリア(クレモネーゼ/イタリア)
10 ミゲル・アルミロン(アトランタ・ユナイテッド/MLS)
7 ディエゴ・ゴンサレス(アトラス/メキシコ)
11 アンヘル・ロメロ(コリンチャンス/ブラジル)
18 アレックス・アルセ(インデペンディエンテ/アルゼンチン)
21 ロナルド・マルティネス(プラテンセ/アルゼンチン)